ここでは、中道政権が成立した後に必要となる「金融・財政・構造改革」の役割分担を、
できるだけ噛み砕き、時間軸と責任の所在が分かる形で、私見として詳しく整理します。
ポイントは一つです。
三つを同時にやろうとして失敗してきた日本を、三つを“分業”させて立て直すことです。
中道政権における
金融・財政・構造改革の役割分担(私見)
Ⅰ.金融政策の役割
――「熱を下げ、通貨の信認を取り戻す」
1. 金融の役割は「成長」ではない
まず大前提として、
金融政策の役割は、経済を成長させることではありません。
金融の本来の役割は、
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通貨の信認を守る
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物価を安定させる
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市場の期待を制御する
この3つです。
日本はアベノミクス以降、
金融に成長の役割まで背負わせてしまった。
ここが最大の誤りでした。
2. 中道政権下の金融の仕事
中道政権が金融に求めるべき仕事は、明確です。
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インフレを軽視しない
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円安を放置しない
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「無限緩和」という期待を壊す
ただし、
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急激な利上げはしない
-
ショック療法は避ける
👉 **役割は「鎮静」**です。
医学で言えば、
「体温を平熱に戻す」仕事。
筋肉を鍛えるのは、金融ではありません。
3. なぜ金融は“最初”なのか
金融は、
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期待
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為替
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市場心理
に一番早く効く。
だから、
最初に金融の方向性を正すことで、
他の政策が効く“土台”ができる。
金融が狂ったままでは、
財政も構造改革も、すべて歪みます。
Ⅱ.財政政策の役割
――「時間を買い、生活を壊さない」
1. 財政の役割は「支える」こと
財政の役割は、
経済を無理やり引っ張ることではありません。
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家計が壊れないようにする
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変化の痛みを和らげる
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移行期間を作る
👉 **財政は“クッション”**です。
2. 中道政権下の財政の使い方
やるべき財政は、こうです。
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ばらまかない
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永久に続けない
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対象と期限を限定する
具体的には、
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物価高に直撃される層への限定支援
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エネルギーなど基礎コストの一時補助
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消費税や大型減税には触らない
なぜなら、
👉 財政を拡張しすぎると、
👉 金融の正常化と正面衝突するから。
3. 財政は「やりすぎても、やらなくても失敗する」
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何もしなければ → 生活が壊れる
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やりすぎれば → インフレが続く
中道がやるべきなのは、
「最小限で、最大の緩衝効果」。
派手さはいらない。
静かに効く財政です。
Ⅲ.構造改革の役割
――「唯一、未来を変える仕事」
1. 構造改革だけが、賃金を上げる
ここが一番重要です。
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金融では、賃金は上がらない
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財政でも、持続的な賃上げはできない
賃金が上がるのは、構造改革だけです。
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労働市場
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産業構造
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生産性
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競争と保護の再設計
これができなければ、
どんな政策も一時しのぎになります。
2. なぜ構造改革は「最後」なのか
構造改革は、
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痛みがある
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反発が強い
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効果が出るまで時間がかかる
だから、
👉 金融と財政で地ならしをしてから
👉 初めて着手すべき。
これを逆にすると、
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国民が耐えられない
-
政権が持たない
-
改革が途中で止まる
過去の日本は、
ここで何度も失敗しました。
3. 中道政権の構造改革の方向性(私見)
ポイントは「破壊」ではなく「再設計」。
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非正規の固定化を是正
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労働移動をしやすく
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失敗してもやり直せる制度
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企業の内部留保を投資・賃金へ誘導
これができて初めて、
👉 円高でも耐えられる
👉 インフレでも賃金が追いつく
経済になります。
Ⅳ.三つの役割分担を一枚でまとめると
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金融
→ 今を落ち着かせる(鎮静剤) -
財政
→ 移行期間を支える(クッション) -
構造改革
→ 将来を変える(筋トレ)
これを同時に全部やろうとしたら、失敗します。
最終結論(私見)
日本が30年迷走した理由は、
三つの役割を混同したことです。
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金融に成長を期待し
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財政で問題を先送りし
-
構造改革を後回しにした
中道政権がやるべきことは、
革命ではありません。
👉 役割を元に戻すこと
👉 順番を守ること
それだけで、
物価は落ち着き、
円は戻り、
賃金が上がる「可能性」が生まれます。