30万円以下で買える中長期候補株
――少額投資家が、相場に振り回されないために
2026年8月21日(金)終値
1.日経平均株価
66,016.36円
前日比:-200.43円(-0.30%)
一時は956円超下落しましたが、終値では200円安まで戻しました。日米金利上昇などが重荷になりました。
2.竹内式・日経平均の実勢価格
8月14日と同じく、
アドバンテスト、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクGの上位4銘柄=合計ウェート37.35%
を機械的に除外して計算します。
66,016.36円 × 62.65% = 約41,359円
前日8月20日は、
66,216.79円 × 62.65% = 約41,485円
したがって、
竹内式実勢価格:約41,359円
実勢価格の前日比:約-126円
です。
8月14日の約43,049円から見ると約1,690円、約3.9%低下しています。
ただし、これは実際の指数ではなく、8月14日から比較可能にするため37.35%を固定した独自試算です。
3.TOPIX
4,067.29ポイント
前日比:+0.19%
ここが今日の重要点です。
日経平均は-0.30%なのに、TOPIXは上昇しました。東証プライムでも値上がり883銘柄、値下がり622銘柄、33業種中18業種が上昇しています。
4.今日は「半導体の日」だったのか
結論:違います。全面高でもありませんが、「日経平均より実体の方が強かった日」です。
半導体の一角は上昇しましたが、主力半導体には翌週のNVIDIA決算待ちもありました。一方、ファーストリテイリングなど値がさ株の下落が日経平均を押し下げました。上昇業種では海運、鉱業、石油・石炭などが強く、NTTも年初来高値を更新しています。
つまり8月21日は、
「半導体だけが相場を引っ張った日」ではありません。
むしろ、
日経平均 -0.30%
TOPIX +0.19%
値上がり銘柄数 > 値下がり銘柄数
です。
これは、まさに日経平均だけでは分かりにくい相場です。
私なら8月21日を、
「値がさ株で日経平均は下落したが、通信・エネルギー・金融・鉄道などを含む市場の裾野は底堅かった日」
と評価します。
5.本命5銘柄
| 銘柄 | コード | 8/21終値 | 100株 | 予想配当利回り | PER | 今期最終利益予想 | 判断 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NTT | 9432 | 166.1円 | 16,610円 | 3.25% | 13.80倍 | 9,800億円(-5.5%) | 分割買い |
| 三菱HCキャピタル | 8593 | 1,395円 | 139,500円 | 3.66% | 12.51倍 | 1,600億円(-1.4%) | 分割買い |
| KDDI | 9433 | 2,915.5円 | 291,550円 | 2.88% | 15.18倍 | 7,310億円(+3.4%) | 分割買い |
| 東京メトロ | 9023 | 1,480円 | 148,000円 | 2.97% | 17.19倍 | 500億円(-15.3%) | 押し目待ち・分割買い |
| 日本郵政 | 6178 | 2,336円 | 233,600円 | 2.57% | 17.09倍 | 3,800億円(+1.5%) | 分割買い |
NTTは8月21日に166.1円まで上昇して年初来高値を更新。予想配当5.40円、利回り3.25%、PER13.80倍です。第1四半期は増収増益でしたが、通期最終利益は9,800億円と5.5%減益予想です。したがって、会社そのものは本命ですが、年初来高値で一括購入するより分割買いが妥当です。最大のリスクは通信競争とネットワーク・データセンター投資負担です。
三菱HCキャピタルは1,395円、利回り3.66%、PER12.51倍。通期純利益予想1,600億円はほぼ横ばいです。第1四半期利益は前年の特殊要因の反動などで大幅減でしたが、通期予想は維持されています。高成長株ではなく、配当と事業分散を取りに行く銘柄として本命に残します。金利・信用コスト、資産価格悪化が最大のリスクです。
KDDIは2,915.5円で100株291,550円。30万円枠のほぼ上限です。第1四半期は売上5.1%増、調整後営業利益21.1%増と好調で、通期最終利益も7,310億円、3.4%増益予想です。一方、情報管理問題への対応などはリスクです。業績面では5銘柄中かなり強いため本命ですが、一度に30万円近く使うより分割が適します。
東京メトロは1,480円、100株14万8,000円。東京という巨大な生活圏の鉄道インフラを持つ点は魅力です。一方、今期最終利益は500億円と15.3%減益予想。人件費、資材費、電力費上昇もあります。したがって、長期候補としては残すが、今すぐ強く追わず押し目を拾う評価です。
日本郵政は2,336円。第1四半期は銀行部門を中心に純利益が大幅増となりましたが、郵便・物流事業は赤字です。通期最終利益3,800億円は1.5%増益予想。全国的な社会インフラという強みは明確ですが、郵便事業そのものの構造問題を無視できないため、分割買いまでとします。
6.参考候補5銘柄
| 銘柄 | コード | 8/21終値 | 100株 | 予想配当利回り | PER | 今期最終利益予想 | 判断 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ソフトバンク | 9434 | 233.8円 | 23,380円 | 3.76% | 19.97倍 | 5,600億円(+1.7%) | 分割買い |
| ホンダ | 7267 | 1,753円 | 175,300円 | 3.99% | 17.06倍 | 4,000億円(黒字転換) | 分割買い |
| 東急 | 9005 | 1,676.5円 | 167,650円 | 1.91% | 10.58倍 | 900億円(+3.4%) | 分割買い |
| 関西電力 | 9503 | 2,610円 | 261,000円 | 3.07% | 9.38倍 | 3,100億円(-18.4%) | 様子見 |
| ENEOS HD | 5020 | 1,331円 | 133,100円 | 2.55% | 8.61倍 | 4,150億円(+60.4%) | 押し目で分割買い |
ソフトバンクは少額で買いやすく、通信収入と高めの配当利回りが魅力です。第1四半期は増収増益、通期も1.7%増益予想。ただしPER約20倍、PBR約3.8倍で、本命のNTTや三菱HCより割安感は弱いため参考枠です。
ホンダは純粋な内需株ではありませんが、8月21日終値でも17万5,300円で購入可能。第1四半期は四輪事業が黒字化して大幅増益、通期最終利益も4,000億円の黒字転換予想です。配当利回り3.99%は魅力ですが、自動車需要、為替、通商政策、EV競争で業績が振れやすいため参考枠です。
東急は鉄道、不動産、生活サービスを持つ典型的な都市生活圏銘柄です。今期最終利益900億円、3.4%増益予想でPERも10倍台。ただし配当利回りは1.91%と本命群より低いため、配当より都市圏成長を買う銘柄です。
関西電力はPER9.38倍、利回り3.07%と数字だけなら魅力がありますが、今期営業利益は大幅減益予想で、最終利益も18.4%減です。8月19日の料金見直し後に株価が急上昇しており、今は追いかけるより様子見とします。燃料価格、規制、原発稼働など固有リスクも大きいです。
ENEOSは8月21日に2.15%上昇して1,331円。PER8.61倍、今期最終利益予想4,150億円で60.4%増益予想です。ただしこれは通信・鉄道のような安定内需型とは違い、原油価格・精製マージン・為替で利益が大きく動く景気敏感株です。したがって本命にはせず、安い局面で分散して持つ参考候補です。
7.8月21日の最終判断
私は今日の相場を、**「日経平均の200円安だけを見て弱気になる必要はない日」**と判断します。
竹内式実勢価格も約126円安ですから、実体部分まで全面高だったわけではありません。しかし、TOPIXは上昇し、プライム市場では値上がり銘柄が56%を占めました。そして今日挙げたNTT、KDDI、東京メトロ、三菱HC、日本郵政は5銘柄すべて上昇しています。これは半導体だけの相場とはかなり違います。
したがって8月21日時点では、
「全面的に買い急ぐ日」ではない。
しかし同時に、
「日経平均が下がったから内需株まで売る日」でもない。
本命順位をつけるなら、私は、
①NTT → ②三菱HCキャピタル → ③KDDI → ④東京メトロ → ⑤日本郵政
とします。
ただしNTTは年初来高値、KDDIは100株で約29万円です。したがって少額投資家には、**一括買いより「現金を残しながら2~4回に分けて買う」**方が今の相場には合います。
そしてこの記事全体の結論は、これでよいと思います。
短期の値動きに一喜一憂せず、日本経済の成長を信じて長期・分散で持つ。大化けの保証はないが、生活・社会インフラを支える企業の着実な成長と配当を狙う。半導体だけを追わず、内需・生活インフラ株を資産形成の土台にする。
8月21日は、むしろこの考え方を裏づけるような一日でした。日経平均は下落したのに、TOPIXと市場の過半の銘柄は上昇したからです。
※上記の「買い・分割買い・様子見」は8月21日時点の業績・株価・配当水準から見た一般的な研究上の評価で、利益を保証するものではありません。