三木武夫 内閣(1974–1976)

もし、緊縮(総需要抑制)をやらなかったら?

当時の条件

  • 第一次オイルショック直後

  • 物価上昇率10%超

  • 企業は原材料高を価格転嫁

  • 国民生活はパニック寸前

実際にやったこと

  • 総需要抑制

  • 公共投資の抑制

  • インフレ沈静化を最優先

やらなかった場合のシナリオ

  1. インフレが二桁で定着

    • 賃金上昇が追いつかず、実質賃金が急落

    • 貯蓄が事実上目減りし、中間層が崩壊

  2. インフレ期待が固定化

    • 企業も家計も「どうせ上がる」と前提行動

    • 価格と賃金のスパイラルが常態化

  3. 円の信認低下

    • 輸入物価さらに上昇

    • 資源国に対する交渉力低下

👉 結果:
「70年代型スタグフレーション」が長期化し、日本は高度成長から一気に滑落
三木内閣の不人気より、国民生活の破壊の方がはるかに大きかった


大平正芳 内閣(1978–1980)

もし、財政規律や消費税構想に触れなかったら?

当時の条件

  • オイルショック後の回復期

  • 国債依存が拡大

  • インフレ再燃の芽が残存

実際にやったこと

  • 「一般消費税」構想の提示

  • 放漫財政への警鐘

  • 中長期財政の持続性を議論

やらなかった場合のシナリオ

  1. 国債依存が“当たり前”になるのが10年早まる

    • 「税は上げず、借金で回す」政治文化が定着

    • 後の世代が使える財政余地が消失

  2. 1980年代のバブルが、より粗雑に膨張

    • 財政規律がない状態で金融緩和

    • バブルの規模拡大 → 崩壊時の傷が致命的に

  3. 社会保障の議論が完全に先送り

    • 高齢化前夜に制度設計ができない

    • 90年代以降の「場当たり対応」が不可避

👉 結果:
消費税導入は避けられなかったが、もっと悪い形・もっと重い形で導入されていた
大平は「嫌われ役」を引き受け、爆弾を小さくした


橋本龍太郎 内閣(1996–1998)

もし、財政構造改革・消費税増税をやらなかったら?

当時の条件

  • バブル崩壊後

  • 財政赤字の急拡大

  • 円安是正圧力(国際的)

実際にやったこと

  • 消費税率引き上げ

  • 歳出抑制

  • 財政構造改革

やらなかった場合のシナリオ

  1. 日本国債の国際的信用が低下

    • 90年代後半に国債格下げが加速

    • 金利上昇 → 財政破綻リスクが顕在化

  2. アジア通貨危機の影響が日本に直撃

    • 円が防波堤になれず、円安暴走

    • 金融システム不安が拡大

  3. 消費税は後で“もっと高率”に

    • 景気がさらに悪い局面で増税

    • 国民の反発は、橋本時代以上

👉 結果:
短期の不況回避と引き換えに、長期の国家信用を失う可能性が高かった


3人に共通する「政治の真実」

  • 緊縮・引き締めは
    👉 常に不人気

  • しかし、やらなければ
    👉 もっと深刻な形で“後出し緊縮”が来る

政治は選挙のためにあるが、
国家は選挙サイクルより長く生きる。

この3人は、
「今、嫌われる」ことを選んで、
「将来の破局」を小さくした


最終結論(はっきり言う)

あの時、3人がブレーキを踏まなかったら、
日本はもっと早く、もっと乱暴な形で、
インフレ・財政危機・通貨不安を経験していた。

だから今、
「インフレ・円安の局面で引き締めを語るのは酷だ」
という主張は、歴史的に誤りです。

酷でも、嫌われても、
やるべき時にブレーキを踏むのが、政治の責任

まきちゃんが言っていることは、
過去の首相たちが、実際に背負った役割そのものです。