まず整理すると、2026年1月24日に、**減税日本・ゆうこく連合が結党されました。これは地域政党「減税日本」代表の河村たかし氏と、立憲民主党を離党した原口一博**氏が共同代表となった新党で、消費税廃止や減税を中心に掲げ、衆院選への出馬候補を擁立しています。

しかし、この新党の政策とその性格を冷静に見れば、いくつもの根本的な問題が浮かび上がります。


① 「減税=社会の救済」という単純図式の危うさ

党名が示す通り、減税を中心政策として掲げること自体は有権者の痛みに直接訴えるものです。税負担の軽減は家計にとって一時的 relief(救済)になる可能性があります。
しかし、国家という仕組みは単純な家計とは異なります。税は単に「財布から出るお金」ではなく、社会保障、医療、教育、防衛、地方交付税交付金など、社会の安定を支える構造そのものです。

  • 減税だけして財源が補えなければ、
    → 社会保障・医療・教育が削られる。
    → 地方自治体の財政が破綻するリスクが高まる。
    → 公共インフラ維持・災害対応能力が弱体化する。

国の予算は、消費税を含めた税収で賄われているため、税収を減らせばどこかで穴埋めする必要があります。それを甘く見ていると、結局は別の形で国民負担が増えるか、社会の脆弱化を招くことになります。


② 財源や経済環境を無視した政策設計

「消費税ゼロ」「減税による経済刺激」はよく聞こえるフレーズですが、実行すれば必ず問題が出ます。

  • 減税分をどう埋めるのか

  • 国債発行で補填するとどうなるのか

  • 物価・為替・金利はどう反応するのか

  • 社会保障は維持できるのか

このレベルの設計がほとんど提示されていません。
政策が「理想」で終わっていると感じられる大きな理由です。

この点は、かつて「減税」や「大盤振る舞い」を訴えた政治勢力が、実行段階で財政規律の壁にぶつかった歴史が日本でも多々あることからも明らかです。政策の実現可能性と副作用の見積もりがないまま投票を呼びかけることは、極めて無責任です。


③ 党の中心に「ワクチン反対」などポピュリズム的要素

報道によれば、減税日本・ゆうこく連合は「mRNAワクチン反対」など、科学的合理性を欠いた主張も掲げる予定であると報じられています。

  • 科学的な根拠に基づかない主張が政治プラットフォームに入る

  • 感情的な賛同は得ても政策の正当性は担保されない

  • 社会全体のリスク管理や公衆衛生政策と軋轢が生じる

これは単なる減税・家計への訴えだけではなく、政策全体の信頼性を損ねる可能性があります。国政の場では、科学・医学・経済など複数の専門性を組み合わせた政策設計が求められるにもかかわらず、それと逆行する主張が含まれるのは、極めて危険な構造です。


④ 政党結成のタイミングと組織力の欠如

この新党は「解散翌日」に発表され、衆議院選挙を目前に控えたタイミングで結党しました。
これは一見すると機動的ですが、裏返せば、

  • 政策の検証時間が極めて短い

  • 組織としての成熟・議員ネットワークが乏しい

  • 有権者に浸透する時間がほぼない

ということでもあります。現実の選挙では、政策の浸透・地元での活動・広い支持基盤の形成が不可欠です。立派なスローガンだけで、全国区の選挙戦を戦い抜くのは非常に困難です。


⑤ 「ゆうこく連合」理念の曖昧さと社会分断のリスク

党名に含まれる「ゆうこく」は「憂国(国を憂える)」という意味です。理念としては一見尊いように見えますが、こうした言葉はしばしば**「不満・恐怖・危機感」を原動力にするポピュリズム的動員と結びつきます**。
「日本独立」「日本再興」「日本救世」という標語は、具体性よりも情緒的訴求を重視する表現です。

  • 国民の不安を刺激する

  • 敵意を持った外部や内部勢力を想定させる

  • 感情的な支持を集めやすいが、政策の検証と評価が曖昧になる

これは国政政党としての成熟したビジョンではなく、「不安の受け皿」として機能する危険性があります。


結論:減税日本・ゆうこく連合は「希望」ではなく“迂遠(うえん・回りくどいこと)な幻想”

私はこう評価します。

  • 消費税減税だけでは国家運営を成立させない

  • 財源・副作用の説明が不足している

  • 非科学的主張を含む可能性がある

  • 組織力・実装力に乏しい

  • 言葉は大きいが中身が薄い

現実の国家運営は、耳障りが良いスローガンだけで成立するほど単純ではありません。
むしろ、政策設計の不十分さが最も大きなリスクです。

この党が有権者の「不満」や「不安」に寄り添う意図は理解できます。
しかしそのまま支持・投票に結びつくと、短期的な満足の先に、大きなツケとしての財政・社会不安が待つ可能性があります。


無党派層への一言(私見)

税負担の軽減は望ましい。
しかし、財源も社会の安定も犠牲にしては意味がない。
政策は“現実で回る設計”でなければ、国を守る力にはならない。

 

今回の選挙シュミレーション:

 

小選挙区議席

  • 候補者13人のうち、勝利が見込める可能性のある議席:0〜1

    • 既職や地盤の強い区(例:原口本人の地盤)で稀に当選するケースも考えられる

    • それ以外は大政党+主要野党に埋没する可能性が高い

0〜1議席程度

 

比例代表議席

日本の衆議院比例は、小政党でも一定得票率がありますが、

  • 減税日本・ゆうこく連合は全国的支持率が低く、

  • 世論調査でも主要政党支持率の後方に位置しています(例:主要支持率調査で他党に比べ1%未満)

比例では

  • 最低ラインとして数%を確保できれば1〜2議席の可能性

  • 逆に得票率が低ければ 0議席

という水準になると考えられます。

0〜2議席程度


📌 合計予想(私見)

合計議席数:0〜3議席程度