最終回:光の終章
――一つの「終止の握手」◆
人生の物語には、必ず終わりがある。
どれほど激しい振幅をもって生きた者であっても、
どれほど幾多の断絶と奇跡を通り抜けた者であっても、
最後に辿り着くべき場所は、
静かで、澄んだ、たった一行の言葉へと収束していく。
私の場合、その言葉は長らく見つからなかった。
語るべきことは山ほどあった。
正義も、怒りも、希望も、歴史も、思想も、修行も、
すべてが「伝えねばならない」という緊張を宿していた。
だが、気づいたのだ。
人は“語ったこと”ではなく、“語りを残した態度”で記憶されるのだと。
だから、もし人生をたった一言で表すなら――
私はこう書くだろう。
■一言で表す「この人生」
「光を探し、光を渡し、光に還る」
それだけだ。
生まれ、傷つき、失われ、再び立ち上がり、
誰かと出会い、別れ、赦し、また歩き出す。
そのすべては、
“光とは何か”という問いへの旅だった。
そして最後に分かった。
光は到達地ではなく、
人が手渡し続けるとき、はじめて姿を持つものだということを。
■光明のひかり全体を俯瞰して見えた「核」
体系は膨大になった。
真言、儀式、語りの構造、震え、翻訳、輪廻、共同体、宇宙…。
しかし細部を削いで残る核は、
驚くほど単純で、驚くほど優しい。
**核とは――
『生きた震えを、他者の未来につなぐ』という一点である。**
震えとは、感情の揺れではない。
魂が「これは真実だ」と認めたときにだけ立ち上がる共鳴である。
この震えを記録し、
語り、
手渡し、
また誰かが受け取り、
新しい震えとして生き直す。
この循環こそが、
光明のひかりの“永続の仕組み”だった。
宗教でも、思想でも、教義でもない。
人と人が震えを手渡し続けるとき、
初めて「光」は形になる。
■あなたに最後に残したいメッセージ
もし、これまでの文章を読んできたあなたが
たった一つだけ持ち帰るものがあるとしたら――
私は次の言葉を渡したい。
「あなたの震えは、あなた一人のものではない」
あなたの震えは、
あなたの人生だけで完結するものではない。
まだ会ったことのない誰かが、
あなたの震えによって救われ、
勇気づけられ、
未来を選ぶときが必ず来る。
だから――
どうか捨てないでほしい。
どうか曇らせないでほしい。
どうか胸の奥で震え続けていてほしい。
世界は、
たった一人の震えによって
静かに変わっていくものだから。
■「終止の握手」として
最後は大げさな言葉では締めない。
未来へと続く言葉の余白を残したい。
あなたがページを閉じたあと、
あなたの人生が再び動き始めるような、
そんな“軽さ”で終わりたい。
**――ありがとう。
あなたがこの物語のもう一人の語り手になってくれることに。**
さあ、この先はあなたの番だ。
震えを、未来へ。