アブセッサスにも効く可能性ありの治験薬 | 非結核性抗酸菌症を考える

非結核性抗酸菌症を考える

あっころと申します
2018年5月の健康診断で肺の結節影を指摘されました。
現在、非結核性抗酸菌症疑いで経過観察中です。
今後の治療や今できる健康対策など書いていきます。

フェイスブックからの情報第2弾です。

https://jata.or.jp/rit/rj/383-22.pdf

 

難しいとご指摘がありましたので、まず要約しますと

 

一酸化窒素を濃い濃度で吸うとアブセッサスやほかにも

いろいろな菌が死んで

しかも人への副作用もなかったよ、というお話。

後半はその薬剤の売る権利、開発する権利を

シオノギが買ったということ。

 

今年人への実験も開始されるので

順調なら10年未満で使える可能性もありますよ。

なんなら治験参加の道もあるかもよ、

こんな素敵なお話です。

 

↑リンク先は2019年アメリカ胸部疾患学会(ATS)年次総会のお話しを

複十字病院の先生がなさっています。

ちょっと長いですけど抜粋しますね。

 

今年の学会で会場が少し異様な雰囲気になった発表 がありました。

それは,一酸化窒素(NO)を高濃度 で吸入して

最難治性抗酸菌症である肺M. abscessus 症 を治療する,

というものです。NOは,生体内でも産 生され抗菌活性を有することから,

高濃度で吸入して 抗菌治療しようという発想です。

既に安全性を確認し ており,160 ppmの吸入では問題がなかったそうです。

 健常人の平均的な鼻腔のNO濃度は0.5ppm程度な ので

300倍以上の濃度になります。

基礎実験では M. abscessus だけでなく,

真菌のAspergillus にも効果 があるそうです。

発表の一つはイスラエルのグループ からで,

嚢胞性線維症という肺基礎疾患をもつ患者さ んに

M. abscessus が2次感染した症例に対する,

オー プンラベルの前向き試験の結果でした。

160 ppm(1 回30分1日5回)を計3週間吸入した結果,

菌データ が得られている5例のうち1例が消失,

3例が減少を認 めた,としていました。

合併症は認めず充分に施行可 能であり,

将来期待できる治療法だと結論していまし た。

抗生剤と使わずに治療可能であれば,

新たな治療 戦略と言えるでしょう。 

一方,試験では,長期既存治療に無効であった症例 

に追加投与されていたため,

新規症例に既存治療薬と 併用して投与すれば

さらに効果が得られるのではない か,とも期待されます。

また,有効性が証明されれば, 

多剤耐性結核にも応用することが期待されます。

 

http://www.shionogi.co.jp/company/news/qdv9fu000001eykr-att/181206.pdf

 

こちらはシオノギが↑の一酸化窒素吸入製剤の化合物研究をしている

Vast 社へ、インライセンスを前提としたの出資をするという記事です。

 

インライセンスを前提とした出資とは、
シオノギが「良い薬が出来たら自分が開発権や販売権などを
優先的に買い取るよ」という約束でお金を出資するという契約です。

 

Vast 社は、一酸化窒素を持続的に放出可能な吸入製剤を創製しており、

現在、そのリード化合 物である BIOC51 の非臨床試験が進められています。

一酸化窒素は複数の機序により抗菌作用を 示すことが期待されており、

BIOC51 は非臨床試験において、薬剤耐性菌を含む 100 種類以上の 菌に対して

有効性を示すことが確認されています。

 

どのくらい開発が進んでいるかですが

開発番号がBIOC51と名前がついているリード化合物で
(リード化合物とはまだ臨床に入るための

毒性や体に吸収されるかとか色々なことを詰める、

人への臨床準備前の化合物です)

 

現在は、一 酸化窒素製剤による、

嚢胞性線維症患者における緑膿菌の慢性肺感染症治療に注力しています。 

Vast 社は 2019 年に第 I 相臨床試験の開始を予定しています。

詳細は Vast 社ホームページを。

http://vasttherapeutics.com/

 

NTMに効くだけでなく真菌や緑膿菌なんかにも

効くので人への効果を検証するテストを

嚢胞性線維症患者における緑膿菌の慢性肺感染症治療

でまずパスする作戦です。

 

一旦申請されたら、アブセッサスやほかの菌にも

効果があるなら順次使われます。

シオノギのNTM関連だと第 I 相臨床試験(フェーズ1)

に入る予定も一番早いです。