題名のない音楽会『オーケストラと夢をかなえる音楽会~夢響』① の続きです。
収録は8月22日の夜に行われることになり、朝8時に福岡発の飛行機を予約していました。
2018年の夏は台風が次々と現れたり迷走したりで予定を振り回された方も多いかと思いますが、台風19号がこの本番当日の22日に福岡県に最接近する予報が出されたのが5日前のことでした。飛ばない事態も考え、前日入りする場合の飛行機と新幹線、当日飛ばない場合の新幹線の時間などシミュレーションしていたのですが、台風は大陸側に大きく外れたため無事に飛ぶことができました。
当日は飛行機ほか交通機関は順調で、11時半ごろ東京オペラシティコンサートホールに到着。楽屋に入るなりスタッフさんから「今すぐマエストロとの打ち合わせに行ってください」と言われ、荷物も広げず息子も急いで楽器を組み立てて藤岡幸夫さんの待つ楽屋に向かいました。
楽屋に入るとテレビで見るそのままの藤岡さんに楽しそうに迎えられ、すぐに「じゃあ一回通してみて!」というわけで息子は音出しもしないまま演奏を始めました。部屋には他にスタッフの方も3人ほどいて、息子は緊張もあったし、無伴奏だし、私と打ち合わせも十分にできていなかったので、入りがわからず止まったり、まだ仕上がっていない散々な出来。それでもマエストロは「めちゃくちゃ面白いじゃない。だって親子でやるんだよ!」と私たちを送り出してくれました。
そして一息ついたくらいで、出演者はステージに集まり、オケなしで単独のリハーサルです。いきなり高校3年生のピアノの女の子がチャイコフスキーのピアノ協奏曲の冒頭を実に見事に、しかもこの上なく楽しそうに弾くのを見て、息子と「すごいねー、うまいねー」とびっくりして聴いていました。続いて小学校3年生の小さな女の子がこれまた信じられないテクニックでピアノを弾いてただただ唖然。。
更に美しいオカリナ、小学生の男の子の澄み切った歌声、噂のダンボール中学生と続々と個性的かつ聞かせる演奏者が登場します。
私たちは他にどんな方が何人オーディションで選ばれているのかを聞いていなかったので、リハでは驚きの連続でした。そこで指揮者で本番に臨むのが私一人だということに気付きます。これはなんと光栄なことでしょう!
自分たちの出番になり、二人で通しましたが息子はまだ本調子ではない様子。演奏は固いし音も鳴っていない。私は誰もいないオケに向かって腕を振るだけ。そのあとも素敵な演奏が続き、私たちには手ごたえがまったくない単独リハが終了しました。
単独リハに続いて、今度はオーケストラだけのリハが始まります。演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。どの伴奏でもとても美しい音色が響き、ただただ贅沢な時間を過ごします。他の出演者の方々はリハも本番も藤岡さんが指揮をするので、打ち合わせしながら順調にオケリハを進めていきます。
そして自分たちの曲、グラズノフのサクソフォン協奏曲の順番になりました。この演目だけは指揮者が本番変わるので、マエストロは私たち二人をオケの皆さんに紹介してくれました。当然ながら安心して聴けるリハが進み、私は最後の3つの終止音でテンポを落として3つ叩きたいと要望すると、即座に「これでいい?」と演奏を聞かせてくれました。
オケのみリハに続いては、立ち位置やインタビュー内容を確認しながら台本に沿って番組を通すカメラリハーサル。ここで司会の石丸幹二さん、松尾由美子アナウンサーと初めてのご対面です。
本番までに書きたいことがまだまだ残っていますので終われませんでした。ごめんなさい、次回に続きます。。
