ハリヨの産卵行動 | インドでアピスト

インドでアピスト

インドでの熱帯魚ライフをつづっていきます。

淡水魚カテの方々、はじめまして。

現在はアピストグラマに熱中しておりますが、ン十年前は日淡の採集・飼育に

熱中しておりました。


アピストの記事がメインなのですが、日淡の昔の話をときどき交えたいと思います。

(過去にオヤニラミ「オヤニラミは日本のアドケタなのだ」  とイトヨ を記事にしています。よろしければ見てやってください。)


現在は、インドに単身赴任で、いつかインドでガサガサをしたいと思っております。

インドで採集したら、それは「熱帯魚」なんですけどね。


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少し前に、イトヨの産卵の話を書きました。(イトヨの産卵

イトヨを書けば、やはりハリヨを書かないわけにはいきません。


イトヨもハリヨもトゲウオの仲間でかなり近縁ですが、

イトヨは海で成長する型(降海型)と淡水だけで成長する陸封型があるのに対し、

ハリヨは陸封型しかないところが大きな違いです。


陸封型は、限られた地域の湧水の豊富な池や川にしか生息しておらず

生息環境の破壊にともない、各地で絶滅が危惧されています。


ハリヨは滋賀・岐阜・三重に点在的に生息しております。


もうン十年前のことですが、採集・飼育したときの記録です。


インドでアピスト
イトヨの降海型のメスは銀色ですが、ハリヨのメスは金色になります。

インドでアピスト

オスのハリヨはのど元の赤い婚姻色と緑っぽい微妙な色彩がキレイです。

インドでアピスト  

こちらは、イトヨ降海型のオスとメス。淡水で稚魚から飼育したもの。

海に降りる準備ができる頃になると銀色に光り輝いてきます。


さて、巣作りです。

インドでアピスト  巣の材料をくわえてきて、

インドでアピスト  くわえてきて・・・

インドでアピスト  粘液で接着
インドでアピスト  巣の前の穴をほって、
インドでアピスト  後ろの穴をほってトンネル貫通


巣ができたら、

インドでアピスト  メスを誘って、入り口を示して
インドでアピスト  めでたく、メスが巣に入りました。


イトヨと一緒に飼育していたところ、雑種ができてしまった事があるので、

基本的な産卵行動は同じだと考えられます。

イトヨに比べて、産卵時の巣の完成度が低いように思います。

でもって、産卵の後にも、巣の補強工事をしていきます。

インドでアピスト  土をかぶせたり
インドでアピスト 卵に水を送るための穴を掘ったり


すっかり、砂で覆って、完成したようです。
インドでアピスト

オスが卵に胸びれで水を送っています。

卵と稚魚の世話は、オスの仕事です。


ちなみに、生息地の巣はこんな感じ。 泥で覆われていました。

インドでアピスト

1週間ほどして、稚魚(矢印の先)が孵化してきました。
インドでアピスト  

魚の模型の対して、はげしく攻撃してきます。
インドでアピスト

ハリヨは水温が20度以上になると、とたんに病気になってしまいます。

そのため、飼育水槽はかなり温度を低めにしなければなりません。

また、成長も遅く、成熟するには2年かかります。


その点、イトヨの降海型は夏の高温も平気で、成長も早いです。

しかも淡水でずっと飼育しても成熟し、翌春には繁殖もします。、

トゲウオを飼育するなら、断然、イトヨをオススメします。


この個体は滋賀県産のものですが、数年前に観察に行って見ましたが

随分と生息数が減っているようでした。


湧き水が豊富で水草の豊富な環境が必須ですので、

この魚が増えていく環境を保つことは、美しい水辺の環境を保護することになります。


この魚が普通に見られるような日本に再びなって欲しいものです。



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