199X年
いまでもこの1枚のCDとの出会いは忘れられない。
「冬の十字架」
何気なく立ち寄った新宿タワーレコード。
そこでなぜこのCDを手に取り購入に至ったのかはいまでも不思議に思う。
当時J-popなんてものはほとんど聞かず、ましてや精神に軽い異常をきたしていた僕は、ジャズやクラシック音楽のCDをよく買い、アロマテラピーで波打つ精神を押さえ込もうとしていた。
もちろん忌野清志郎という人のことを全く知らなかったわけではない。
日本の音楽界ですごい偉大な人物だどいうことも知っていた。
が、しかし。
微妙に世代が違い、歌を聞いたことはほとんどない。
もともとロックは好きだったが、当時のビジュアル系とかいうちゃらついた感じの曲に失望し、日本の音楽界に見切りをつけ、高校時代からは洋楽Rockを好んで聴いていた。
考えれば考えるほど、このCDを買う理由が見当たらない。
まさにロックの神様の運命のイタズラとしか言いようがない。
なにを思い買ったのかわからぬまま、家に帰り、CDをセットし再生ボタンを押した。
そして、
僕は、
本物のロックンロールを知ることになった。