「2週間の総力戦」。選択と集中を改めて願う、その確かな理由 | ~共に悩み、共に生きる~ 神奈川県議会議員 武田翔のブログ

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世の中におかしいと思うことがたくさんあります。悩みながらも成長を目指す軌跡を描きます!

神奈川県では従来、PCR検査陽性者であり、自宅療養されている方々への健康観察を保健所の職員が電話での連絡、調査を行っていましたが、このたび「自宅療養者が自身で健康観察をおこなう」体制へと大きな方針転換を決定しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB189M20Y1A110C2000000


今まで1日2回していた電話連絡が1日1回に、そして、40歳未満にはAIを活用した電話対応サービスやLINEなどのSNSを活用して県民の皆様が自己管理をしていただき、それを保健所がサポートする体制に代わります。しかし、40歳未満の陽性者へのパルスオキシメーターの貸し出しを中止、市中の一般感染には濃厚接触者の追跡調査も中止となることで、県内に動揺と混乱が広がっています。県の方針に対し、横須賀市長は市民に現在の体制を堅持するメッセージを発信されたり、発表が先行した現状を鑑みると説明不足は明らかであり、県が仕事を放棄しているような印象を与えかねないのは残念だと改めて思います。現場が大変なことは承知していますが、このような体制を許すと、行政トリアージの被害が更に増加してしまいます。
県はもっと保健所をサポートする人員体制の拡充を整えるべきであり、そのためには他の民間企業や団体からの動員要請や外部委託も必要と考えます。電話連絡以外に、神奈川県内の各保健所では署管内でコロナウイルスの新たな陽性者が判明した際、県内の各医療機関はじめ関連機関への連絡や搬送などを調整しています。しかし現在の限られたリソースでは、ひっ迫しつつある病床を探すのが限界に達しています。裾野を広げすぎるあまり、選択と集中が後手になっています。

ならばどうするのが良いかという話ですが、私は従来の緩慢な対症療法よりも、「検疫の原則」に立ち返り、そのうえで総力戦に挑むべきではないかと思います。そもそも新型コロナウイルス自体の寿命は数か月にわたるものではなく、通常では2週間、長いものでは28日に及ぶという研究結果も出ていると言われます。この期間をどうとらえるかによって対策は異なりますが、少なくとも一般的な新型コロナウイルスは私たちひとり一人が「新たな生活習慣」を順守することによって抑制することができ、例外的なものに対しても集中して立ち向かうことで威力を減ずることは不可能ではないと考えます。

第3波の襲来以降、その猛威が消滅しないのは何か理由があるとずっと考えていましたが、先日他県で変異株が見つかったとの報道で腑に落ちた思いがしております。現在、ビジネス関係者の往来中止、外国人の入国を制限していますが、私にとっても元の上司でもある佐藤正久・参議院議員の話によると
「空港での検査は100%正確というわけではない。もはや『水際』ではなく、『水浸し』との批判もある」
https://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/210113/plt21011320000033-n1.html
この論には私も同意見です。かつて政府が掲げた「勝負の3週間」、そのかけ声の空しさを嘆くよりも、私は改めて「褌(ふんどし)の締め直し」として、2週間の総力戦を提言します。そのための「選択」そして「集中」が、いま何よりも求められます。