ハンブルクから、バイエルン州ミュンヘンへ。

飛行機が遅延し、18時から予定されていた在ミュンヘン総領事 表敬は中止。

翌日、ミュンヘン市議会を訪問。
 


 


市庁舎でもあるグロッケンシュピールの造形美に見惚れました。

 

 

 

 

会合には、ヴァレーナ・ディートル(Frau Varena Dietl)ミュンヘン市第三市長、

 

 

また教育長に同席いただきました。

 

 

ミュンヘンには180カ国の人々が住んでおり、特に若い世代がドイツ国外から働きに来ています。年齢構成は若いものの、多くの問題も抱えています。

 

このような移民の多い状況を踏まえ、子供たちが通える幼稚園などの施設を充実させ、学びを支援し、落ちこぼれを出さない教育環境を整備しているとのこと。

 

その他、民主主義、主権者教育など多岐に渡るドイツの現状のご説明と意見交換が行われました。

 

 

エネルギー企業共同体の幹部からミュンヘンのエネルギー施策について

 


市議会では駐ミュンヘン日本国領事館の別所総領事、副領事にお世話になりました。

その後、バイエルン州経済省を訪問。

 

 

バイエルン州は先端技術や競争力に優れ、世界中で注目される投資環境を有しており、EU議会でも強い影響力を持っています。

再生可能エネルギーの分野では、木材チップを活用したバイオマスや、地下鉄の採掘時に出る地熱を活用するなど、さまざまな事例が紹介。中でも、太陽光発電が一番普及しているとのこと。

 

 

 

 

 

私から、「日本でも太陽光発電は進んでいるが、山林を削り大規模にパネルを設置することで土砂災害の原因となったり、景観を損なうなど環境破壊が社会問題となっている。ドイツの現状と制度はどのようになっているのか」

と質問したところ、

「太陽光発電施設は原則、公共施設など建物の屋根などに設置しており、太陽光発電のために森林面積を減らすことは禁止されている。平地に設置する場合は、元軍用地の未使用の土地に設置されるなどの例外はある。太陽光を利用するため、自然を破壊するなどありえない」との回答。

神戸市北区山田町の山林に設置された太陽光パネルはドイツ製だと、他の議員が指摘すると、同席していたバイエルン州 経済•地域開発•エネルギー省 国際経済 東アジア担当エコノミストは唖然としていました。

太陽光発電など、自然を活用した持続可能な再生可能エネルギーは推進すべきですが、自然環境を破壊し、景観を損なう現行の日本の政策は見直す必要があると考えます。

ちなみに神戸市では太陽光発電の設置は、不十分な設計・施工の事例や、立地地域でのトラブル、山林伐採による自然破壊、事業終了後のパネル放置への懸念から条例が制定され、厳格に規制されています。
  


ドイツでは東日本大震災の福島での原発事故を受けて、国内の原発をすべて廃炉にしました。しかし、その結果、エネルギー価格の高騰に国民は苦しんでいます。そのため、フランスの原発に投資し、フランスからエネルギーを購入しているとのこと🤔今後、原発再開に舵を切ることはないと断言。

 

 

私の考えでは、エネルギーは過度に一つの比重に重きを置くのではなく、脱炭素社会を見据えつつも、原発、火力、再エネ等(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等)、ベストミックスを図り、安定した電力供給体制を整えるために、政府と企業が協力して取り組む必要があります。

 

 

黒田武志