明日は天川の解禁日である。
午前中は雑用をこなし、買い物ついでにスタンドでガソリンを満タンにする。
少し遅れたが、いざ出発!
山道に入ると雪がチラつき始めた。
しかし、広橋の梅林を通りかかると、なんと梅の花が五分ほど咲いていた。
解禁日に咲くのを見たのは、多分初めだ!
今年の冬は、やはり暖かかった。
天川の遊漁券販売所に立ち寄り、遊漁券を作ってもらっていたら、突然雪が大降りになって来たのて、
早めにポイントに移動することにした。
途中、何台かの車とすれ違ったが、いずれも慎重な運転だった、
既にポイント近くに陣取っている釣師もおり、毎年のことだが陣取り合戦は熾烈を極める。
いつもの吊り橋の下を釣り場と決め、車を停める。
車の屋根に雪が1センチほど積もっていた。
いつもなら、付近に生えている蕗の薹を探すのだが、今日はそんな気にならない。
目印のライトをポイントに置いて、夜明けに備える。
陽が山蔭に入ると、いきなり真っ暗になった。
後はただひたすら夜明けを待つ、12時間の苦行である。
エンジンをかけて、暖をとる。
川の音の方が大きいので、近所迷惑にはならない。
通過する車にぶつけられないように、スモールライトも点け、携帯用のライトも点ける。
一晩中エンジンをかけると、ガソリンの減りも馬鹿にならない。
時折車が通るが、まだ雪は降り続いている。
今から気温が氷点下に落ちるので、道路の凍結が心配される。
明け方に飛ばして来る車が、ブラックアイスバーンで事故を起こさなければ良いのだが・・・・。
午後7時、晩飯の時刻である。
軽めの夜食として、買ってきたパイナップルを、ものの1分で食べ切る。
雪は深々と降り続いている。
もちろん、深々という音はしない。
思い出したことがある。
日本人のように雨の音や、虫の声を微妙に表現する人種は少ないそうだ。
あと、十時間以上、どうやって過ごすかは、いつも悩みのタネである。
寝ても3時間しか経っていないことが、殆どである。
そういえば最近、長時間寝続けることが出来なくなった。
身体をつかった仕事をしていたときも、長時間睡眠はなかった。
若い頃は、ベットに横になれば、3秒で寝ることが出来たのだが。
これも加齢のせいか?
また体を横にして、眠りにそなえる。
携帯が「午前0時です」と時刻を告げた。
いつの間にか、少し寝ていたようだ。