ジョイス & トニーニョ・オルタ / Sem Você (1996年)
ジョイス・モレーノ & ケニー・ワーナー / Poesia (2015年)
Palavra e Som (2016年)
今回は4つのリンクのちょうど真ん中に入る1998年作。
ジョイス同様 MPB界を代表するシンガー、
エリス・レジーナ (1945 - 1982年) のレパートリーを
ジョイスがジャズ風なアレンジで歌ったアルバムですね。
ジョイスはもともとジャジーなノリをもつシンガーですが、
私の知っている範囲ではもっともジャズそのものに寄せたアルバムではないかと。
録音にはブラジルのミュージシャンに混ざって、
何人かの米国ジャズマンが参加しています。
ジョー・ロバーノとか、マルグリュー・ミラーとかとか有名ですよね。
タイトルの " Astronauta - Songs Of Elis " は、
「宇宙飛行士 - エリスの歌」という意味になります。
'Astronauta' というのはエリスのレパートリーのひとつで、
アルバムの収録曲から採ったものですね。
エリス・レジーナは「台風エリス」というタイトルの伝記本が出たり、
「ハリケーン」や「小さな唐辛子」という愛称で呼ばれたりするような、
感情を高揚させるタイプのシンガー。
ジョイスは高揚もさせますが、高揚しそうなところをサラリと流す
クールなセンスも持ち合わせていて、シャレていますね。
そんなジョイスがエリスをどう歌いこなすのかということで。
1948年 ブラジル リオデジャネイロ州 ★ リオデジャネイロ ★ で生まれる。
1964年、15歳の時に「コンジュント・サンバカーナ」というバンドに参加し、
ボーカリストとしての初レコーディングを行った。
Canto de Ossanha
ヴィニシウス・モライスとバーデン・パウエルが書いた曲で
多くシンガーにカヴァーされています。
このジョイスのバージョンは、女声コーラスのイントロが
ユニークで最初は何の曲が始まるのかと思いました。
Astronauta (Samba da Pergunta)
本盤の表題曲。
米国ジャズマン、ジョー・ロヴァーノのテナーサックスと
マグリュー・ミラーのピアノ。
Folhas Secas
ソング・ライティング・コンビだったネルソン・カヴァキーニョと
ギリェルミ・ヂ・ブリートが書いた古いサンバです。
スルド (太鼓) その他のパーカッションを入れて、伝統サンバ感。
ジョイスもここでは端正なボーカル。
Essa Mulher
もとはアナ・テーハが作詞、ジョイスが曲を書いた作品です。
エリス・レジーナ79年に歌い、翌年の80年に
ジョイスも自身のアルバムで歌いました。
ピアノがいいですねえ。
♪ タイトルをクリックすれば曲を聴くことができます。