今日はブラジル ミナスジェライス州の州都 ベロオリゾンチ出身、
アフロブラジレイロの女性シンガー、グラウ・ナデルが
2023年に発表したデヴューアルバムを紹介。
デヴューといっても、ベテランのような堂々としたボーカルですが。
ピアニスト、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、教師、
UFMG(ミナス・ジェライス連邦大学)の音楽研究者など多岐にわたる活動、
その一環としてシンガーでもあるようです。
そんなグラウは、米国やブラジルにアフロ系のミュージシャンがもたらした
文化的な影響について研究を重ねている人物でもあるようで、
本盤ではブラジルの黒人ギタリスト/シンガー、バーデン・パウエルの
ブラック・ミュージックとしての側面をつよく浮かび上がらせた、
バーデン作品のカヴァー集となっています。
タイトルの " Tempo de Amor " はバーデン作の曲名で、
アルバムの収録曲から。
「愛の時間」、「愛のとき」そんな意味かと。
グラウは先の音楽研究者としての関係で、米国のジャズに詳しく、
この演奏でもブラジル音楽であるとともにジャズをつよく感じさせる演奏。
黒人音楽的なコクと深みと、豊かなリズムを楽しんでください。
グラウ・ナデル (Glaw Nader)
ピアニスト、作曲家、編曲家、歌手として活動するマルチ・アーティスト。
プロとしてのキャリアは、音楽プロデューサー、教師、UFMGの音楽研究者にも及んでいる。
2022年からは歌手マイラ・バルダイア (Maíra Baldaia) ★ のバンドのメンバーとして、
アルバム "Obí" ★(Natura Musical主催)のレコーディングに参加。
2023年には歌手イザ・サビーノ (Iza Sabino) ★ のバンドのメンバーとして、
レーベル A Quadrilha do Djonga のEP 'Amar dói' ★ のレコーディングに参加した。
Berimbau
オープニング曲。
バーデン・パウエルが1963年に発表したアルバム
ノリのいいパーカッシヴな演奏で、黒っぽいボーカル。
タイトルどおり民族的な楽器のビリンバウや、
キーボードのモダンな音が同居するアレンジ。
Cai Dentro
バーデンの80年のアルバム "Nosso Baden" に収録されていた曲。★
グラウはアフロブラジレイロらしい、黒いボーカルのサンバ。
Samba Em Prelúdio
バーデンの 64年のアルバム "Le Monde Musical De Baden Powell"
に収録されていた、叙情性のある美しい曲 ★ です。
ここではグラウと同じアフロブラジレイロのSSW、
セルジオ・ペレレとのデュエット。
Canto de Ossanha
バーデンとヴィニシウス・ヂ・モライスの連名アルバム
♪ タイトルをクリックすれば曲を聴くことができます。
♪ 1. 2. 4. 5. 10. ~ 14. は ヴィニシウス・ヂ・モライス ★ (Vinicius de Moraes) の作詞。
♪ 6. ~ 9. は パウロ・セザール・ピニェイロ (Paulo César Pinheiro ★) の作詞。
☆ YouTube (全曲) 【Spotify に表示された収録時間】 1時間 1分
Arrangement & Guitar: Samy Erick
Bass: Ivan Corrêa
Drums: Gladston Vieira
Keyboard / Piano: Samuel Ekel
Percussion: Daniel Guedes
Tenor Sax: Breno Mendonça
Trombone: João Machala
Trumpet: Ulisses Luciano
Producer: Samy Erick, Glaw Nader
♪ "Tempo de Amor" の詳細は → Official