マリア・ロデス /
María Canta Copla
今日はスペインの大衆歌謡「コプラ」の名曲を新しいアレンジで歌うアルバムを。
コプラは本来、民謡とか歌謡とか短詩とかいう意味。
アンダルシア地方の伝統歌謡が全国的な広がりをみせはじめ、
コプラ・アンダルーサ(アンダルシア歌謡)として知られるようになり、
それが「コプラ」と呼ばれるようになったそうです。
1930~60年代ごろにかけて隆盛でしたが、
今でも終わったわけではないジャンルみたいですね。
ただこういう、内戦や独裁政権とか第二次世界大戦を含むキツイ時代だからか、
ドラマチックで、熱い思いのこもった歌い方が好まれた時代の
音楽ジャンルかなと思います。
「適度にこぶしを効かせて、語るように感情を込めて歌う」というのが
コプラの歌唱法だそうです。
そんなコプラを、録音時27・8歳だった同国の女性SSW、マリア・ロデスが
今の音楽的な感性で捉え直すというのが今回の、2014年発表のアルバム。
盤のタイトルは "María Canta Copla" で、そのままズバリですね。
ウィスパーな歌声と、力の抜けたファンタジックな歌い方と
少しエキセントリックだったりする演奏。
歌われていた当時とは違う角度からのアプローチで、コプラを
新しい音楽として生まれ変わらせてくれます。
マリア・ロデス (Maria Rodés)
スペイン バルセロナ ★ を拠点に活動するSSW。
1986年 同国 バルセロナ地方で生まれる。
2009年 ギタリストのAndy Pooleとの連名でアルバム " Sin Técnica " を発表。
Tengo Miedo
オープニングはセビーリャ出身の詩人 ラファエル・デ・レオンと
作曲家のホアン・ソラーノが書いた曲。
シンガーによって、フラメンコ調に歌っていたりもしますが ★
マリアはしっとりとフォーク調で歌い始め、そのあと心地いいアレンジで。
Flor Del Mal
詳しくは分かりませんが50年代の後半くらいの曲だと思います。
往年シンガーが情熱を込めて歌った曲を、もっと冷めてしっとりと。
El Día Que Nací Yo
この曲もフラメンコを思わせるボーカルだったり、
近隣のジャンルだったりするのかなと思います。
同じアンダルシア地方の音楽だし。
マリアは空間の広がりを感じさせるサウンドのなかに
さ迷うような、ウィスパーなボーカル。
Tatuaje
カタルーニャのSSW、アルベルト・プラ(Albert Pla)との
デュエット。「タトゥー」「入れ墨」という意味のタイトル。
作曲家のマヌエル・キローガと、詩人 ラファエル・デ・レオンが
1941年に書いた曲。
ピカソやパブロ・カザルスも讃辞を送ったといわれる、
コプラの黄金時代を担った女性歌手、
Ay Pena, Penita, Pena
アントニオ・キンテーロ / マヌエル・キローガ /
ラファエル・デ・レオンが1951年に書いたヒット曲で、
この3人の手になるヒット曲は無数にあるそうです。
ロラ・フローレス (Lola Flores) のバージョンが有名です。★
♪ タイトルをクリックすれば曲を聴くことができます。
☆ YouTube (全曲) 32分45秒
Maria Rodés - Maria canta copla (2014) ★
Acoustic Guitar, Guitar [Spanish], Bandurria ★, Cuatro,
12-String Acoustic Guitar – Mario Mas ★
Bass, Producer, Arranged By – Marià Roch
Electric Guitar, Piano – Guillermo Martorell ★
Percussion – Quino Béjar
Percussion, Wind – Pepino Pascual
Guitar [Spanish], Voice, Backing Vocals, Producer, Arranged By – Maria Rodés