上は先述のビクトル・ハラのトリヴュート・アルバムで6作め、2006年の発表、
下が8作め、カルロス・アギーレが鍵盤楽器で参加した2012年発表の盤を
記事にしたものでした。
で、今回は2022年発表の12作めを。
タイトルは "Cartas de Amor" で、アルゼンチンのフォルクローレ作曲家、
グスターボ “クチ” レギサモン (Gustavo Leguizamon 1917 – 2000) の書いた楽曲を
中心に、他にもラウル・カルノータ、エドゥアルド・ラゴスといった
同国のフォルクローレ系ミュージシャンの作品をカヴァーする内容です。
共演するのはそのグスターボ・レギサモンとも音楽活動を行ってきた
ベテラン・ギタリスト、オラシオ・ブルゴス (Horacio Burgos) と、盤の数曲で
参加しているパーカッションのルイス・バルエト (Luis Barrueto) のみという
シンプルな編成。
フランセスカはチリ人でありながらカルロス・アギーレとの連携が長いし、
今回も “クチ” レギサモンを歌うアルバムなので、ついうっかりアルゼンチンの人だと思い込んでしまいそうになるのですが (笑)、まあこれもかの女が国境にこだわらないシンガーなので。
それにしても本当に “クチ” レギサモンは今のミュージシャンにもよく歌われている
作曲家だと、YouTubeを探ってみて思いましたね。
ま、余談はこれくらいにして、スケールが大きく豊かな表現力で惹きつける
フランセスカのボーカルと、ニュアンスに富んだ滋味あるギタリストとの、
じっくりと歌い上げるフォーキーな世界を堪能してください。
Cartas de amor que se queman
オープニング曲。
ゆっくりとしたテンポの、細部をじっくりと味わえる声とギターです。
Lavanderas de Río Chico
La Oncena
パーカッションが入って、躍動感が増した演奏です。
Maturana
この盤の収録曲ではこの曲のみ、作曲者 “クチ” レギサモンの
ピアノ弾き語り録音が見つかりました。→ ★
レギサモンは「掛け値なしに歌っている」という感じで、
凄みがあります。あらら、どっちの解説してるんだ。 (笑)