アントニオ・ザンブージョ /
Rua da Emenda
以前にポルトガルのファド歌手アントニオ・ザンブージョの記事を書きましたが、
その時紹介したアルバム "Até Pensei Que Fosse Minha" はブラジルの
MPBシンガーであるシコ・ブアルキのレパートリーをカヴァーしたアルバム
でした。
ザンブージョはファドをベースにしながらもボサノヴァやMPBの要素を
取り入れたり、ブルガリアン・ヴォイスの女性グループ、アンジェリーテと
共演したりなどしながら、アマリア・ロドリゲス以降の新しいファドのスタイルを
模索しています。
"Até Pensei Que Fosse Minha" はその、ブラジル音楽の影響を多く受けた
アルバムのひとつと言えますが、今回紹介するアルバムは逆に自国のポルトガルや
ヨーロッパに目を向けた、ヨーロッパの香りがする作品になっています。
多くのファド歌手が巨星アマリア・ロドリゲス的な歌い口調をなぞってしまうような中で、アマリアの磁力からもっとも遠い地点にいると思えるクルーナーヴォイスの
ザンブージョが、どんなカタチで新しいファドを描こうとするのか、アマリアが
絶対王者であっただけに興味のあるところです。
2014年のリリース。
アントニオ・ザンブージョ (António Zambujo)
Pica do 7 ピカ・ド・7 (ミゲル・アラウージョ)
繊細さのあるなめらかな歌声が魅力です。
ヨーロピアンな情緒ある動画とともに楽しんでください。
Valsa do Vai não vás 行くことないよ (Samuel Úria)
Canção de Brazzaville ブラザヴィルの歌
(José Eduardo Agualusa / Ricardo Cruz e Jon Luz)
Último Desejo 最後の願い (ノエル・ローザ)
ヨーロッパに目を向けたと言いながらブラジル人歌手ノエル・ローザの
レパートリーを最後にもってくるというのもヘンですが、ま、このアルバム
に収録されていたことだし、いい曲には弱いもんで… (笑)。
2. Valsa do Vai não vás 行くことないよ (Samuel Úria) ★
4. Flinstones フリンストーンズ (João Monge / Ricardo Cruz) ★
5. Barata tonta バラータ・トンタ (Maria do Rosário Pedreira / António Zambujo) ★
6. Valsa de um Pavão Ciumento 嫉妬するクジャクのワルツ ★
(João Monge / Luís Silva Martins e Pedro Silva Martins)
7. Canção de Brazzaville ブラザヴィルの歌
(José Eduardo Agualusa / Ricardo Cruz e Jon Luz)
8. Despassarado 慌て者
(Pedro Silva Martins / Luís Silva Martins e Pedro Silva Martins)
9. Zamba del Olvido 物忘れのサンバ (Jorge Drexler) ★
11. Pantomineiro 早口言葉 (Edu Mundo) ★
12. O Tiro pela Culatra (Maria do Rosário Pedreira / Ricardo Cruz) 計画は裏目に
13. Valsa Lisérgica 恍惚のワルツ (Rodrigo Maranhão / Pedro Luís) ★ ★
(Serge Gainsbourg)
15. Viver de Ouvido 聴くことこそ人生 (José Fialho Gouveia / Alice Sepúlveda) ★
António Zambujo - Rua da Emenda (2014) (Álbum Completo)