リラ・ダウンズ /
Pecados Y Milagros (罪と奇跡)
今日はメキシコ人のポップな歌手を紹介します。
少し前に同じメキシコ人歌手ナタリア・ラフォルカデを紹介しましたが、
ナタリア同様、今回もルーツ音楽にこだわりをみせるリラ・ダウンズという
女性歌手です。
彼女はメキシコでも少数派にあたる先住民オアハカ族の血をひく母親をもち、
また父親のほうはアメリカ人(スコットランド人とも)のリベラルな大学教授でした。
一家は、リラが14歳のときにメキシコから米国へ移住。しかし父親の死により、
16歳のとき母親とともに再びメキシコ(オアハカ州)へ戻ります。
なので、メキシコの大衆音楽、オアハカのフォルクローレ(母親がインディオの歌手)、
メキシコと近いカリブ海諸国の音楽、それから米国の諸ジャンルの音楽を
聴いて育ったと察せられます。
彼女の音楽には、メキシコを基調とした曲であれ、あらゆるジャンルの音楽が
煮込まれたポップなサウンドに仕上がっています。
それに加えて特徴的なのが、オアハカ(かどうかは知らないですが)の習俗やら文化やら
伝説やらを空想させるオルタナティヴでマジカルな世界を、この記事の1曲目になるPV動画や、その後に続くステージ演奏での衣装や小物、パフォーマンスなどで
表現していることです。
言わば、マジメなルーツ音楽というよりはルーツ音楽に連なる世界を材料に、
彼女がつくりあげたマジカルでフィクショナルな世界の中で、音楽を楽しんで
もらおうという趣向かも知れません。2011年のリリースです。
リラ・ダウンズ (Lila Downs)
詳細はこちらの方のブログで。
Zapata Se Queda feat. セルソ・ピーニャ, トトー・ラ・モンポシーナ
(リラ・ダウンズ, ポール・コーエン)
セルソ・ピーニャ(前列右)はコロンビアから広がった
伝統音楽クンビアを歌う、メキシコ人アコーディオン奏者&シンガー。
トトー・ラ・モンポシーナ(前列左)はコロンビアのシンガー。
クンビアをはじめとするコロンビア大衆音楽だけでなく、
キューバに渡りボレロやソンも学んでいる。
共作者のポール・コーエンはリラ・ダウンズの旦那さん。
Dios Nunca Muere (詞 Julián Maqueo, 曲 Macedonio Alcalá)
Mezcalito (リラ・ダウンズ, ポール・コーエン)
Cruz De Olvido (Juan Zaizar)
YouTubeからこのアルバムの全曲が聴けます。
下線を引いたタイトルのところをクリックしてください。
★ 印は本人の別バージョン、作曲家または他のミュージシャンの歌/演奏です。
良ければどうぞ。
(リラ・ダウンズ, ポール・コーエン) ★
6. La Reyna Del Inframundo (リラ・ダウンズ, ポール・コーエン) ★
8. Solamente Un Día (リラ・ダウンズ, ポール・コーエン) ★
(リラ・ダウンズ, ポール・コーエン) ★