今回はボサノヴァからMPBへ、という流れを象徴するふたり、
トム・ジョビン (アントニオ・カルロス・ジョビン) と
エドゥ・ロボが組んだ1981年のアルバムを。
 
MPBの黎明期を代表するエドゥ・ロボについては、以前にも
オリジナル盤2作と、シコ・ブアルキとの連名盤1作を、
これまでに記事にしています。
 
 
 
 
 

"O Grande Circo Místico"  (1983年)  エドゥ・ロボとシコ・ブアルキの連名盤

 

 

 

本盤のタイトルは " Edu & Tom Tom & Edu " 。

じつは本盤、当初からエドゥとトムの連名盤として

企画されていたわけではありません。

 

当時エドゥはレコード会社を移籍する時期で、

そのため、別れの記念として、複数のアーティストを招いて

共演するアルバムを制作することになりました。

その最初の相手がトムでした。

 

まずエドゥの代表曲 'Pra Dizer Adeus' を録音すると、

トムが新しいコードとイントロを付けました。

 

さらに 'Canção do Amanhecer' を録音したところ、

トムが「これで終わりなの?」というような反応を示したため、

そこから計画が変更され、エドゥとトムの連名盤へ

発展したという経緯。

トムが思ったより乗り気だったわけですね。
 

本盤はトムとエドゥが自作曲を5曲ずつ持ち寄り、

すべてをふたりで歌う構成。

トムは本盤の制作にあたって、未発表作を2曲披露しています。
 
どの曲も素晴らしく、MPB黄金期の充実感を感じます。
名盤ですね。
 
 
 
 
エドゥ・ロボ & トム・ジョビン   
( Edu Lôbo & Tom Jobim )

 

 

エドゥ・ロボ  ( Edu Lôbo )

 

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ブラジルの歌手、ギタリスト、作曲家。
1960年代にボサノヴァ・ムーブメントで有名になった。
1943年 同国 リオデジャネイロ州
★ リオデジャネイロ ★ で生まれる。
父は作曲家のフェルナンド・ロボ。
父方の家族と過ごすために学校の休暇をレシフェ
★ で過ごしたため、
ブラジル北東部の音楽に大きく影響された。
 
14歳の頃には既にいくつかの作曲を試みた。
幼なじみで作曲家のテオ・デ・バロスと一緒にギターに興味を持ち始めた。
その後、Wilma Graçaによる音楽理論の学習を開始し、
1961年にはジョアン・ジルベルト、セルジオ・メンデス、ルイス・エサ率いる
タンバ・トリオなど、新しい音楽世代のショーに頻繁に通った。
 
この頃、ヴィニシウス・デ・モラエスと出会った。
ドリ・カイーミとマルコス・ヴァリとともにグループを結成し、ショーやテレビに出演。
父 フェルナンド・ロボは息子に初めてのレコードを録音するよう励ました。
エドゥは民間文化のテーマとリズムを取り入れて作曲を豊かにしようとし、
セルジオ・リカルド、ジョアン・ド・ヴァーレ、カルロス・リラ、ルイ・ゲーラなどの
作曲家に大きな影響を受けた。
 
1963年から劇場用の音楽を書き始めた。これらの楽曲のうち、
Oduvaldo Viana Filho との共作である「Chegança」は大きな成功を収めた。
                                           (Edu Lobo の Offisial HomePage より抜粋)
 
1964年 デヴューアルバム " A Música De Edu Lobo Por Edu Lobo "
★ ★ を発表。
1967年 初ソロアルバム " Edu "
★ ★ を発表。
 

 

トム・ジョビン  ( Tom Jobim )
 
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トム・ジョビン = アントニオ・カルロス・ジョビン
ブラジルの作曲家、ピアニスト、ギタリスト、ソングライター、編曲家、歌手。
(1927年1月25日 – 1994年12月8日)
 
ブラジル音楽を代表する偉大な音楽家の一人であり、
1960年代にサンバとクール・ジャズを融合させることで、
ボサノヴァの先駆者、そしてその創始者の一人となった。
また、20世紀を代表するソングライターの一人とも評価されており、
1960年代初頭以来、彼の作品は世界各国の多くの歌手や器楽奏者によって
演奏・録音されてきた。
 
1927年 リオデジャネイロの中流階級地区 チジューカ で生まれた。
父親のジョルジ・デ・オリヴェイラ・ジョビン(1889–1935)は、
作家、外交官、教授、ジャーナリストだった。由緒ある家系の出身で、
皇帝ペドロ2世の顧問官、医師、上院議員を務めた
ジョゼ・マルチンス・ダ・クルス・ジョビンの大甥にあたる。

ジョゼ・マルチンスはヨーロッパで医学を学んでいた際、
ポルトガルのポルトにあるサンタ・クルス・デ・ジョヴィン教区に由来する
一族の故郷への敬意を表して、「Jobim」という姓を自分の姓に加えた。

母親のニルザ・ブラジレイロ・デ・アルメイダ(1910年頃–1989年)は、
ブラジル北東部にルーツを持つ先住民系の血を一部引いていた。
彼女はまだ16歳のとき、チジューカ地区のコンデ・デ・ボンフィン通りにある
自宅でアントニオ・カルロスを出産した。
アントニオがまだ幼いころに両親は別居し、
母親は子どもたち――アントニオ・カルロスと、1931年2月23日生まれの
妹ヘレナ・イザウラ――を連れて、海辺の街区イパネマへ移った。

1935年、父ジョルジが亡くなると、ニルザは
セルソ・ダ・フロタ・ペソア(1979年2月2日没)と再婚した。
継父はジョビンの音楽家としての道を強く後押しし、最初のピアノを彼に与えた。
若く、経済的にも恵まれていなかったジョビンは、
リオデジャネイロのナイトクラブやバーでピアノを弾いて生計を立てた。
その後、レコード会社で編曲家として働き、
やがて作曲家として成功を収めるようになる。

ジョビンの音楽的ルーツは、1930年代に現代ブラジル音楽の基礎を
築いた伝説的音楽家・作曲家、ピシンギーニャの作品に深く根ざしている。

師としてはルシア・ブランコがおり、1941年以降はドイツ出身の作曲家
ハンス=ヨアヒム・ケルロイターに師事した。
ブラジルに住んでいたケルロイターは、
同国に無調音楽や十二音技法を紹介した人物である。
ジョビンの母親は音楽学校を設立し、そこでジョビンはピアノの
レッスンを受け始めた。そしてそこでケルロイターと出会った。
また、フランスの作曲家クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェル、
そして「ジョビンにとって最も重要な音楽的影響」とも評される
ブラジルの作曲家アリ・バローゾからも影響を受けた。
1940年代、リオデジャネイロのバーやナイトクラブでピアノを弾き始めた。

1950年代初頭にはコンチネンタル・スタジオで編曲家として働き、
1953年4月、ブラジル人歌手マウリシー・モウラ (Mauricy Moura) が、
ニュートン・メンドンサ (Newton Mendonça) 作詞、ジョビン作曲の 
'Incerteza' ★ を録音したことで、ジョビンの作品が初めてレコード化された。

ジョビンがブラジルで広く知られるようになったのは、
詩人・外交官のヴィニシウス・ヂ・モラエスと組み、1956年の舞台作品 
"Orfeu da Conceição" ★ ★ の音楽を作ったことが大きい。
 
1963年 ソロ・デヴュー・アルバム "The Composer of Desafinado, Plays" ★ ★ を発表。

 

 

 

 

Ai Quem Me Dera
オープニングはジョビンが以前から温めていた、
本盤で初発表になる曲。
「ああ、こうだったらいいのに」というタイトル。
ジョビンのピアノにエドゥのギター、
ふたりのデュエットで歌っています。
同年の81年には、クアルテート・エン・シーも
この曲を録音しています。
 

 
 
 

Pra Dizer Adeus

エドゥ・ロボの作曲で、1966年発表のエドゥと

マリア・ベターニアの連名盤 "Edu E Bethania"★ が初出。

「さよならを言うために」というタイトル。

歌い出しはエドゥ、途中からジョビンも歌に加わります。

 

 
 
 

Luiza
DVD "Águas de Março" より。
動画の収録時期は分かりませんが、エドゥは若く見えますね。
本曲も当時未発表だったジョビンの作品。
 

 
 
 

É Preciso Dizer Adeus
トム・ジョビンの作曲。
「さよならを言わなければならない」というタイトル。
1958年にシルヴィア・テリスとマイーザが
それぞれ録音しており、1977年にはミウシャとジョビンの
連名盤にも収録されています。★
このバージョンではジョビンのピアノをバックに、
エドゥが歌い始め、途中からジョビンが加わるデュエット。 
 

 
 
 
 
♪ 曲のタイトルをクリックすれば聴くことができます。

♪ ( ) 表示のない曲は エドゥ・ロボ & トム・ジョビン の作詞/作曲。

♪ 演奏時間の右側の ★ は曲の作者が歌った、または演奏したバージョン。

♪ ★ は曲の作者以外のバージョン。

 

 1. Ai Quem Me Dera  2:12  ★ ★ ★

      (Antônio Carlos Jobim, Marino Pinto) 

 2. Pra Dizer Adeus  4:40  ★ ★ ★ ★ ★ ★

      (Edu Lobo, Torquato Neto) 

 3. Chovendo Na Roseira  3:23  ★ ★

      (Antônio Carlos Jobim) 

 4. Moto Contínuo  3:28  ★ ★

      (Edu Lobo, Chico Buarque) 

 5. Angela  (Antônio Carlos Jobim)  3:09  ★ ★

 6. Luiza  (Antônio Carlos Jobim)  2:58  ★ ★ ★ ★ ★

 7. Canção Do Amanhecer  4:06  ★ ★ ★ ★

      (Edu Lobo, Vinicius de Moraes) 

 8. Vento Bravo  4:15  ★ ★ ★ ★

      (Edu Lobo, Paulo Cesar Pinheiro) 

 9. É Preciso Dizer Adeus  4:17  ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

      (Antônio Carlos Jobim, Vinicius de Moraes) 

10. Canto Triste  3:42  ★ ★ ★ ★ ★ ★

       (Edu Lobo, Vinicius de Moraes) 

☆ YouTube   (全曲) 【Spotify に表示された収録時間】 36:10

 

 
 
 

Acoustic Guitar – Edu Lobo (1, 2, 4, 7, 10), Luiz Claudio ★ (3, 4, 6, 9), 
                                    Paulo Jobim
★ (3, 6)

Piano – Tom Jobim
Bass – Luiz Alves (3, 9), Sergio Barroso (1, 2, 4 to 8)
Drums – Paulo Braga
Featuring [Participaçao Especial] – Tom Jobim
Flugelhorn – Marcio Montarroyos (3, 8)

Photography By – Ana Lontra Jobim, Januário Garcia
Edited By [Montagem] – William Tardelli
Recorded By – Ary Carvalhaes
Mixed By – Luigi Hoffer
Producer [Direção de Produção] – Aloysio De Oliveira

 
  

 

♪ "Edu & Tom Tom & Edu" の詳細は →

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