高橋俊介著「キャリアをつくる独学力」を読みました。私は高橋さんのことを25年間追っかけており、変わらない考え方と切れ味鋭い文章は改めて勉強になりました。

 

印象に残ったのは以下三点です。

 

1.キャリア自律

10年後のキャリア目標からの逆算では満足度の高いキャリアの形成は難しいことが実証されている。必要なのは発想の転換です。(中略)日常的には「仕事自律」と「学び自律」の連鎖をベースに「キャリア自律」を目指すという発想へ転換すべきです。

「キャリア形成は、仕事マッチングという静的な均衡、転職という到達職務的概念を目指すプロセスから、常にダイナミックかつ確率的に変化する社会において、継続的かつ主体的に自らの仕事や学びに向き合っていくプロセスへと変化した。」

昨今の状況はまさにこの通りに進んでいると思われます。

 

2.独学力が高い人の特徴

(1)「内向きのタテ」から「外向きのタテ」へ

社内での過去の経験や知識の「タテ型の伝承」に偏ることなく、主体的に学ぶ個々人が形成する「ヨコの学びの場」などに参加し刺激し合い気づきを得ていく。(中略)「創発」はそうした独学力の高い人たちが学び合い、刺激し合うなかから生まれます。

(2)近視眼的功利性の詰め込みから楽しさと意味を感じる学びへ

(3)正解のない課題に対する「自論」の力を重視する学びへ

環境変化によりビジネスモデルが大きく変化し、個別性の高いソリューションビジネスが重要になってくると、第一線で顧客の抱える課題を掘り起こし、その都度、解を導き出し「what」を明示していかなければいけません。正解のある問題について正解を導く「正解主義」ではなく正解のない事象についてその都度「私はこう思う」と自分の考えを明確にし、発信していく「自論」の力をつける学びがより重要になってきます。

 

3.独学の進め方

(1)内省と棚卸で気づきを得る

(2)学びの「what」を見つける

(3)学びの「how」の基本を知る

(4)「学びの普遍性」を高める

(5)「学びのコミュニティ」を活用する

 

引用を終わります。

 

同書終わりに「遊びにも修行が必要なんだ」「主体的な学びは仕事上のキャリアだけでなく、人生全体を豊かにする」と出てきます、まさにその通りです。

人の人生には仕事だけでなく、個人、家庭、社会も関わってきます、この全体が充実することこそ、人生が豊かであったと言えるはずなのです。

 

本書で言われている「独学力」をこれからも実践していきます、ありがとうございました。