師匠大前研一氏最新著書「第四の波」を読みました。本件の講義はオンラインで視聴しておりましたが、改めてデータ等資料と併せしっかり読むことが出来理解が進んだと共に、第四の波の大きさを強く再認識出来ました、勉強になりました。

 

題名の元となっているアルビン・トフラー著「第三の波」は1996年頃読みました。工業化社会から情報化社会に入るという同書の指摘はキャリアに悩んでいた時の大きな参考にしたことを思い出しました。その次の「第四の波」、波の大きさに加え波の前半に生まれる仕事、波の後半に生まれそして無くなる仕事という分析は大いに説得力を持ったものでした。

 

印象に残ったのは以下三点です。

 

1. 第三の波の後半

トフラー氏の言うところの「第三の波」、情報革命による脱工業化社会=IT社会である。これは今から数十年前に始まり、特にパソコンなどのIT機器の普及に伴ってデスクワーカーが急増した。実は今、その「第三の波の後半」に世界中が差し掛かっていて、うまくいっているところというのは、今度はデスクワーカーなどを減らして、次の波(=第四の波)に対して人を提供しているということだ。必ず波の入り口では人がいっぱい雇用されて、波の後半では雇用した人をクビにする。そして、他の産業を次の波に乗せる。これが産業革命のリズムである。

 

2. 日本は第三の波の後半に乗れていない

日本はこの情報革命の「第三の波」の後半に乗れないでいる。なぜかというとデスクワーカーを中心とした間接業務の人員をなかなかクビにできないからである。間接業務というのは日本の場合には属人的でかつ今の時代はその業務を自動化するいろいろなツールがあるがこれをつかって余った人をもっていく場所がないということで、日本企業の多くがこの30年間生産性が止まってしまったというのはこれが原因である。

 

3. 第四の波後半に残る仕事

AIの強みと弱みであるがこれはコンピューターだが記憶とかそういうやつは圧倒的に強い。しかし、0から1を生み出す構想力、それから介護などの細やかな神経を使うとか人出が必要なところ、これはコンピューターには苦手なのだ。したがって、サイバー社会でメシの種になることとというのは人間にしか出来ないことに限られる。(中略)

シンギュラリティ(技術的特異点)後も生き残る仕事というのは二極化する。一つは構想力を生かした「経営者」「起業家」「スポーツ選手」「音楽家」「料理人」「アニメーター」「ゲームクリエイター」「研究者」というもの。もう一つはAIが苦手な仕事の「介護士・看護師」「出産、育児支援」「ソーシャルワーカー」「心理カウンセラー」「聖職者」などだ。シンギュラリティが起こっても構想力があれば何も恐れる必要はない。

 

引用を終わります。

 

企業を効率化して余った人を出す、規制を緩和して競争をさせて残らなかった企業から人を出す、大前氏の従来からの主張とこの「産業革命の波」という説明は同じことを言っていました。そして波の前半は雇用を生み、波の後半では人が削られれるという考えも強く再認識した次第でした。

 

シンギュラリティについては2020年に本を読みましたが正直難しくしっかり理解出来ませんでした。そして、2035年から始まるシンギュラリティに私がどこまで備えるのかもまだ整理出来ていません。2035年は私が69歳の年です、まだ働いているかもしれませんがキャリアの最終盤であることは確かです。

読後感「シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき」 | ”知命” 問題解決者の挑戦日記 "Problem Solver's Challenging Diary" (ameblo.jp)

 

仕事ではRPAをトライしましたが、私自身はまだ第三の波の後半に乗れていません。

大前さんの言う「構想力を生かした仕事」を意識してこれからも勉強と行動を続けます、ありがとうございました。