青木翔氏著「打ち方は教えない」を読みました。ゴルフコーチのイメージが随分変わりましたが、ゴルフというスポーツの特性を十分理解したスタイルであること、そしてビジネスにも大いに共通点があることを認識することが出来ました。

 

印象に残ったのは以下三点です。

 

1. 応援し、気づきを与え、正しい方向に導くこと

僕、青木翔はゴルフのコーチです。(中略)でもゴルフのスウィングはほぼ教えていません。かと言ってフィジカルを鍛えるトレーナーでもなければ、メンタルを指導するトレーナでもありません。僕(青木)の役割は選手を応援し、気づきを与え、正しい方向に導くことです。(中略)選手が自主的に課題を解決できるように成長をサポートする「コーチング」という指導法です。

 

2. 答えを引き出されること

多くは教わることや指示されることがしみついていて、自分が主体となって考え、工夫することができません。言われた課題は出来ますが、それ以上のことを考えたり応用するのが苦手になってしまいます。そうした「やらされ選手」を「自立選手」にするためには、まず教えるのをやめることです。すると、できないことや分からないことを聞いてくるようになります。そこで「自分はどう思う?」とさらに考えされ、最後に答えに近づくヒントを与えます。(中略)ポイントは教えるのではなく、まず彼らの考えを聞くことです。

 

3. 人は答えでなく失敗によって成長する

失敗には必ず原因があり、それを見つけて克服することが、上達や成長につながるのです。(中略)フィールドでは基本的に自分で考え決断し、プランを構築しなくてはなりません。もちろんプロですし、結果をだすことは大事です。でもそれよりも大きな成果を目指して、あえて失敗したほうがいいこともあります。(中略)ラウンドの中で失敗をして、その問題を解決できた経験こそが彼らの持続的な成長につながるのです。

 

引用を終わります。

 

その他「コーチに必要な我慢する力」「まず教えるのはプレーする楽しさ」「好きこそ物の上手なれ」「常識やルールは身につくまで教える」「コーチと選手の立場は対等」「彼らを変えたければまず自分が変わる」等示唆に富んだ内容がたくさんありました。そして、上記の「コーチと選手」を「上司と部下」に置き換えれば世の中で仕事をしているすべての人に共通するテーマであることも再認識しました。

 

ゴルフはラグビー同様試合が始まるとコーチが直接指示を出すことが出来ません、だから選手自身が考え行動出来るようにすることが大切です。もちろんスポーツの種目によって異なる場合もありますし、ビジネスでも同様です。その種目・業種・職種にあったスタイルを身に着けることが重要です。そして、人生においては自分が主役、自分で考え自分で行動出来るようになることはすべての人に共通なのです。

 

青木コーチと渋野選手、これからも注目し、彼らから学んでいきたいと思います。