大きな転機の元になったのは、「問題解決必須スキルコース」の受講でした。


コースがあるのは勿論大前さんの記事で知っていました。しかし、大前さんに冷めていた私はすぐに取組むことは出来ませんでした。
会社がBBTと提携し、初年度特別サービスで受講料のサポートを受けられることを知り、思い切って申し込みました。後に研修担当していた同期に言われました。


「あの研修は数千人に受講チャンスがあったのに、応募したのは5名もいなかった。チャンスは見える人にしか見えない。」


2002年4月から一年間、E-Learningで受講しました。

問題発見必須スキルコースを受講すると、「大前さんが言っていたのはこういうことだったのか」を腑に落ちることが続きました。当たり前です、マッキンゼーの研修プログラムをベースにしたコース
ですから、大前イズムの基礎そのものと言っても良いものです。このコースを受講しながら、改めて「知っていることと、出来ることは違う」と言う事を教わりました。


既に大前さんの追いかけを8年続けていました。ロジカルシンキング、プロブレムソルビングは何回も目にしていました。構成も読んだことがありました。しかし、知っているだけで使い方を全く知らなかったのです。


2003年、自分の目標を明確に決めました。


「45歳までに社長になる」


不動産業界から食料業界に転職した私は、その道のプロには絶対かないません。
しかし、経営なら同じ土俵に立てるはずである。
起業することではなく、既存のビジネスを更に成長させる「改革型経営者」を目指し、自分の夢に日付を入れました。自分の中で夢に日付を入れただけでなく、発言しました。上司との面接、400人の学生を前にしたリクルートセミナーでも「自分の夢」は45歳で社長になること」とプレゼンしました。
夢は発言していくと、誰かに届く、誰かが助けてくれるはずです。


2004年年初、SAPIO発行10周年記念講演で大前さんが出られるのを知りました。
何とか講演を聞きたい、葉書を何枚も書き応募しました。
その後当選葉書が届いた時は本当にうれしかったです。


そして、2004年3月末。赤字子会社の社長になることが決定しました。
37歳。入れた日付より8年間前倒しで「社長になる」目標を達成することになりました。発言が上司に残っていたのではないかと、思っています。
夢は発言すると、実現に向けて誰かが助けてくれるのです。


社長就任直後、SAPIOの講演会に参加しました。
講演に参加するとき、一つ目標を決めました、「必ず質問する」。

ノートに「質問」を最初に書き、その質問の背景を3点にまとめました。

社長就任した直後、必死だった私は食い入るように講演を聞きました。

1時間半の講演終了、質問の時間になりました。
もちろん最初から手を上げ続けましたが、司会者は一向に指してくれません。7~8人の質問者が終わり、司会者から「次の方で最後にします」という案内、しかし、そこでも指してもらえませんでした。


その時、大前さんが「もう一人、ここいる人を最後にしてあげて」と私のことを指してくれました。思いが通じました。講演中、大前さんとは何度か視線が合いました。想像にしか過ぎませんが「こいつは目付きが違っていた」と感じて頂けたと思います。


質問は以下の内容でした。


「社員をプロブレムソルバーにするためには何をすべきですか?」


1.37歳で子会社の社長になりました。
2.業績は苦しんでいる会社ですが、何とか立て直したい。
3.立て直すには社員教育が大切であり、社員をプロブレムソルバー  にしたいので、アドバイスを頂きたい。


大前さんからのアドバイスは次の通りでした。


「まだ37歳でしょう、勉強を続けなさい」


1.社員にはバイアスを掛けるな。
2.5歳上の目標となる人を見つけろ。
3.経営は芸事と同じ。目標とする経営者をどんどん真似て行動を起こせ。


大前さんの追いかけを始めて丁度10年。
大前さんの本から学んだこと、問題解決必須スキルコースから学んだこと、仕事から学んだこと、仕事以外から学んだこと、自分が日付を入れた夢。パズルのピースが一つづつはまって行く感覚でした。


社長就任後は割愛しますが、全く経験が無い業界で、初めての社長が出来、赤字を黒字に転換することが出来たのは大前さんとの出会いのお陰です、大前さんとの出会いが無ければ絶対に出来ませんでした。


私は「大前教の信者」ではありませんので、大前さんが言っていることそのまま100%受け入れることはしません。


大前さんが言うことを取捨選択し、大前さんが言うことを自分なりに理解し、大前さんが言うことを自分なりに血・肉とすることを続けます。


以上が、大前研一さんを師匠とする理由です。


こうして振り返ると、大前さんには感謝の気持ちで一杯です。


自称「大前チルドレン」として、大前さんの教え、考え、行動に学び続け「生活者主権の日本」を作る一助となるよう、行動・勉強を続けます。


13年間本当にありがとうございました。


今後とも宜しくお願い致します。