○必勝法 その3
〈“勝てば官軍”であることを知れ〉
必ず出るのが父兄からの勉強に対する
苦情だが、少し気にしている程度でよろしい。
クラブもせずに早く家に帰って
何をしているか……以前、きいたことがある。
塾代と称してお金をもらい、
お好み焼きを食べ、銭湯でひと風呂浴び、
塾の終わりの時間に合わせて御帰還。
親も子どももご立派としかいいようがない。
嘆かわしいことである。
卒業すれば、ひとつのことをやって
日本一になる意義を、
親も子どももよく分かってくれるものである。
それから、バンドの音を騒音と勘違いする
者どもへの対策が必要。
もうこれはどういってもダメです。
ダメってなものじゃないです。
とにかく違うんだから仕方がない。
苦情に対しては、ただただガマン。
ひとたび勝って帰ろうものなら、
苦情の多かった家の前へ整列して万歳三唱である。
ザマーみやがれ!!官軍である。
それだけに、横浜で銅賞をもらったときの辛さ。
ものいわぬ、いやものいえぬ一年でした。
まるで借りてきたネコだった。
思い出しても、辛い一年でした。
○必勝法 その4
〈演奏中、マイク・スタンドが林立することに
注意〉
コンクールではS社、T社、W社、
林立するマイクのスタンドの中で
演奏しなければならない。
ただでさえ上がるステージ。
子どもの顔が見えなくなることがたびたびである。
それは、マイクのスタンドが大木に
見えてくるためである。
くれぐれもご注意のほどを。
○必勝法 その5
〈前のバンドの演奏が正しいと思っては
いけない〉
舞台のソデで落ち着かない者にとって、
自分たちの前の出演者の演奏は、
ことごとく正しくきこえることがある。
とくに、苦労したところは、
そのようにきこえる。
これがそもそもの間違いである。
課題曲、同じ自由曲の場合、
練習に練習を重ねたいままでのテンポが
正しいと自信をもってやるように。
決して、決してマドワサレてはイケマセンぞ!