命をカンナでケズル「コンクール必勝法」
得津武史(西宮吹奏楽団団長)
バンドジャーナル1982年1月号より
今津中学校で過ごした間、
一命をカンナでケズったコンクール。
音楽は楽しいものなのに、
ボクの場合ずっと吹奏楽で苦しんできた
感じがします。
十六分音符に命をケズり、
「いい音を出してくれ!
いいリズムを出してくれ!」と
祈るような気持ちで棒を振ってきました。
それに死んでも忘れそうにないリミット。
12分!12分!
とにかく命をカンナでケズル25年間でした。
そんな中で編み出した、
私の「コンクール必勝法」なるものを
ここに披露してみます。
〇必勝法その1
<「ガンバレ」といってはいけない>
「ガンバレ」というと子どもたちは
やけに力を入れすぎ、
あたかも甲子園の野球の応援バンドのように
なってしまう。
カッとばせ!カッとばせ!
じゃどうしようもない。
トランペット、トロンボーンがバリバリ。
打楽器とくれば、どこかの楽器屋と
結託したかの如く皮の1枚や2枚、
破れよとばかりに打ち鳴らす
(わが愛する阪神タイガースに応援に駆けつけて
いただく場合は別でございますが…)。
かつて「ただいまから、今津のナグリ込みを
行う。みんなハリキッて先生の棒について来い!」といってやったことがある。
子どもは正直だ。音は割れる。
pが3つのfになり、mpが5つのfになり…。
とにかく「ガンバレ」はいけない。
私は「落ち着いて」といってきました。
これは子どもに対しても、自分に対してもで
ありました。
まずは「落ち着いて」やりましょう。
○必勝法 その2
〈コンクール前のマーチングは
避けたほうがよろしい〉
“二兎を追う者、一兎も得ず”でございます。