老眼(老視)について誤解されていることは多くありますが、多くの方が『近くが見えるかどうか』で老眼かどうかを判断されています。これは間違いです。
東海光学の小冊子にあるように老眼とは『目の調節力が低下して近くにピントを合わせにくくなること』です。近くが見えるかどうかではありません。
この調節力は、
①10代の頃から低下し始める
②年齢が同じであれば調節力も同じくらいである
③トレーニングをしても回復、維持ができない
という特徴があります。
つまり、皆平等に40代から近くにピントが合いづらいことを感じ始めます。
ではなぜ、同じ年齢でも近くが見える人と見えにくい人がいるのか?
これは調節力の量は同じでも、目の屈折状態が違うからです。
屈折状態は、
・近視
・正視
・遠視
と呼ばれるものですが、一般的に近視の状態の人はメガネを掛けなくても近くを見ることに有利な目となります。(完全にスッキリ見えるわけではない)70、80代でも適度な近視なら手元は見えます。「メガネ外せば近く見えるから自分は老眼ではない」という方がいますが、これは逆を言うと「メガネ外さなければ近くが見えない」と言っていることと同じです。調節力が十分あればメガネを外さなくても近くにピントは合わせられるので。
さらには、遠視=老眼と思っている方が多いですが、これも誤解です。
それぞれの方の調節力と屈折状態の組み合わせで見える距離が変わってきます。
続く