関西テレビ・news ランナー

辞職を表明した副知事や知事側近が、5月末から渡瀬さんの亡くなる前まで「出直し選挙」を齋藤知事に提言していたと複数の関係者から聞いた。知事は「(3年前の)選挙で85万人の負託を受けた。辞職は考えていない」その時も今と同じことを側近らに語り、出直し選挙を拒否したという。なぜその時期に側近らは出直し選挙を提案したのだろうか。

決定的だったのは5月20日付の読売新聞朝刊の記事だろう。県の内部調査に関与した弁護士が告発文で疑惑が指摘された県信用保証協会の顧問弁護士であることが判明したのである。実はこの記事に先立つ5月7日の渡瀬氏らの人事処分の記者発表会見にこの弁護士が陪席し、記者の質問にも直接答えたほか、知事本人の聴取という極めて重要な行為までその弁護士が行ったと明らかにした。弁護士が入った中立性のあるお墨付きのある調査だと宣伝するつもりだったのだろう。

この記事のおかけで、内部調査の正当性を主張するため「弁護士を入れ、一定の客観性を担保」していると繰り返し繰り返し会見で答えてきた齋藤知事の主張の根拠が音を立てて崩れ去った。

このことは議会や世論、いや県内部の側近らの受け止めにも大きな影響を与え、第三者機関の設置のみでは議会を納得させることはできなくなってしまうことになる。

コーヒーメーカーやトースターを受け取っていたという4月16日の読売新聞報道を第一回目のターニングポイントとすると、内部調査に関与した弁護士が利害関係者であるといったこの報道は、知事側の旗色を大きく悪化させる2つ目のターニングポイントになった。
この追い込まれた状況を打開するための方法として側近らが考えたのが「出直し選挙」だったのである。