神戸の県庁。会派の議員団総会。その後、県公館。本会議。代表質問。


旧兵庫みどり公社の民間金融機関を介した迂回融資問題も取り上げられる。




何人かの方から図を見てもわかりにくいとの声があった。


端的にいうと、県が借金を返すために積み立ている基金(県債管理基金)のうち、国債で運用していた416億円について、金融機関を通じて売却、現金化し、旧みどり公社に貸付けておきながら、基金にもあることにしていた、ということ(契約書をオープンにしなければ仕組みがわからない金融商品を県が銀行に頼んで作ってもらった)。つまり、416億円を県基金と旧みどり公社で二重計上していたということである。


今日は本会議でこの点について、寄託国債について損失が出る場合等があるから債務負担行為をとる必要があったのではといった質問もあった。逆に債務負担行為の説明で寄託した国債が云々と予算書で明らかになると、二重計上が表に出てしまい基金が減額となる。それなら寄託する意味はない。要は寄託を明らかにすることが駄目なのである。


答弁は色々あったが、知事は、今年9月まで知らなかった、「驚いた」と答弁していた。逆に私はそこに驚いた。知事の就任は2021年8月。だから就任から2年たってこの二重計上を把握したということだ…。


東京証券取引所に上場している企業の代表取締役が、就任から2年間こうした粉飾行為を知らなかったらどうなるだろうか。財政をよく見せて配当をしていたらその金額は株主代表が起こされ、負ければ個人負担もある。だから、まずは知った時点でこの間の決算や財政指標の修正があるかどうかとか大変な事になったと思い、発表、同時に検証する組織を立ち上げることを発表するだろう。


ところがここでは、旧みどり公社の借入問題が10月4日の決算特別委員会で取り上げられても全く説明しなかった。これも私が騙されたと思っていることの一つ。



「当時は機構の財務状況が安定し(同事業の)長期収支見込みも黒字だったため、基金の安全・確実な運用の一環との認識だった」との知事答弁は、例え事務方が答弁案として書いてきてもそのまま用いず自ら修正しなればならないだろう。全くの嘘だからだ。


全国の林業公社がどのような状態だったかは下記の記事を見るまでもなく総務官僚として知らなかったわけがない。設立自治体を特別交付税で支援するなど林業公社の問題点を総務省はよくわかっていた。


しかも兵庫県の今回の問題はオーバーナイト融資という公社が資金不足にあることの代わりに実行されたもの。安全・確実なはずがない。


知事が当時おらず自分が指示したことでないのは皆知っているのだから、端緒をきちんと説明しないと県民が信じたらどうする。本当の目的は公社の資金不足対策と県債管理基金の「二重計上」による『実質公債費比率対策』。と知事自らそれを語ればいいのに。残念だ。


19年というのは平成19年、2007年のことである。兵庫県の負債が540億円とも。知事が財政課長を務めることになる宮城県も載っているのに。私が議会でこの問題を取り上げたのはこの記事の2日後の12月25日の県議会行革特別委員会。だからこの記事を取り置いている。公社の債務超過をこのとき初めて指摘した。しかも今回の貸付はこの7年後でこれよりひどくなっているのに…。よくもまああんな答弁ができたものだ。また、案として書くほうも反省してないことがよくわかる。新人議員しかいないなら騙せても、過去を知る人もまだいるのに…。

私の質問通告が既に出ている中でこの答弁案を書いたというのは別の目的があったのかもしれない…。

同日の朝日新聞1面。これを知っていて安全というのは背任と同じことではないか。


会派からは加古川市選出のM政調会長が登壇。兵庫県立大学の授業料等無償化について、発表、検討、現状など、今なお無償化の対象要件などが詳しく公表されていないことなどが質された。


既に共通テストの願書も締め切られ、来月共通テストを受ける段階というのにいま県立大学の募集要項すら発表されていないこと、発表された8月からHPの更新がないことなどが明らかにになっていたが、聞いて信じられない感じだった。ほとんど何も決まっていないのに急に8月に発表…。


また私が過去に取り上げたWHO神戸センターの契約終了についても取り上げられた。選挙の際に「刷新」を掲げて当選。初年度の県政改革案の中にいれた目玉改革策なのに経費の削減とかしか実現できないのなら何なのか。答弁で「為替」を一つの事由に持ち出したのを聞いて驚いた。為替なんて自治体で予測できず、変動するし、本質から逸れていることは誰でもわかる。それが知事の答弁にまで達してしまうことに驚き。かなりずれている。


昼食は長崎の出前弁当。