昨晩事務所でヒアリングした内容をもとに関係各所に連絡。以前から緊急性があるかどうかは、わかるように伝えているつもりたが、伝わらないこともある。私の伝える能力がまず試される。その後にすぐ幹部から連絡もあったので通じていると思われる。危機管理ができているということだろう。
危機管理といえば、テレビのワイドショーで中古車買取大手のビッグモーターの事件が取り上げられている。姫路でも花田町にあったハナテンがビッグモーターの傘下に入り、そこから白浜町に移転したことも承知している。
色々指摘されているが、私がみるに、①(売上)ノルマを達成するためにどこまでやるか、②違法なことが行われているときにきちんとした相談窓口はあるか、ということである。
①修理代(売上)を増やすために車をわざと傷つけるなどの行為はノルマを達成するための詐欺行為である。
社長は会見で会社の指示ではなく工場長をはじめ全て社員のせいにしていたが、降格処分の乱発などで現場の社員を萎縮させ、経営陣のノルマ達成や成果主義に従うかどうかを社員の評価基準にしてきた姿勢の結果だろう。これを創業者の社長だけでなく子息である副社長は更に厳しく求めてきたと報じられている。問題が発覚したときに、社員が勝手にやったという逃げ。過剰なノルマに起因しているのだから原因はそうした設定をした側にも同様に責任を求めるべきである。
②ビッグモーターは従業員6千人、売上7千億円、全国に300店舗を展開していると言われるが、上場しておらず、その株式は現社長ら一族が保有していると報道されている。大規模だが一代で築いた企業だけに、株式の分散もなかろうし、まして上場企業のように独立した社外取締役の任用の必要もない。株式総会や社外のチェックは働かず、違法性の暴露は内部告発等に限られる。
とはいえ、近年ありえないといった報道やコメンテーターの受け止めだが、まさか。私もこうした仕事をしているので雇用関係の相談もあるが規模こそ違えどある話である。降格どころか社長の一存でいきなりクビにされるといった話がある。ビッグモーターほどの大企業だから近年ありえないように受け止められているだけ。過去にも雇用関係で内部告発があり、係争していることはグーグルで検索すればすぐわかる。コンプライアンスや監督官庁として労働分野では労働基準監督署、自動車関係は国土交通省、保険関係は金融庁が所管しているのだろうが、告発動画をメディアが大きく取り上げて初めて調査に乗り出すなど後手後手。
これだけの大企業で従業員を代表する労働組合などの団体がなければ何か問題があったとき個人で経営側と争わなければならない。私の知る中小企業の事例でも従業員側の負担はときに裁判が必要になり弁護士費用もかさむなど思った以上に大変だ。何より本来無用な交渉に従事する精神負担など家族も含めてかなりのものである。降格処分を乱発するような労使関係がまかり通っているところで働くというのは大変だと思う。株式の保有状況が変わらないならこれから何かが変わるという期待を持つのは難しいのではないか。社風というのは簡単には変わらない。プラック企業が変わったという話は寡聞にして聞かない。