イーグレひめじでの「SDGs 2022 LIFE IS JOURNEY」の基調講演は、姫路出身でリクルート社員時代に結婚情報誌『ゼクシィ』事業を立ち上げ、現在は独立して株式会社アーレアの代表取締役をされている渡瀬ひろみさん。

『女性が生き生きと働き続けるために自分ができること、社会ができること』と題するものでした。





世の中は大きく変化している。日本の企業も変化しなければ生き残れない時代。ダーウィンはその著『種の起源』の中で「最も強いものが生き残るのではない。変化に敏感なものが生き残る」(※1)という言葉を残している


(竹内注※1-メギンソンが自身の解釈として述べた文章が広まったという日本人間行動進化学会の声明あり)。


自分が入社したリクルートのような、社員に変化を求める会社でも大企業となれば新規事業を立ち上げるのは簡単ではない。私が立ち上げた「ゼクシィ」の事業も何人もの先輩が過去に企画を提案していたが、会議で儲からないと却下されていた。実際にはゼクシィはかなりの利益を出し、リクルート事件後に困窮した会社を救ったほどだ。

一方で従来からの考えや価値観を変えることは怖いことでもある。そこで独りよがりにならず、会議などでは多様な(ダイバーシティ)な意見が出るようにしておくことが企業にとっても大切だ。


変化をおこすため、多様な意見を出すため、一番身近ですぐに実現できるダイバーシティ(多様性)は「男性の意見」と「女性の意見」を混ぜることだ。


自分も500人の部下がいたことがあるが、その経験や感覚では、会議などで企業のトップに異論を言えるのは、男性よりも女性が多かった。男性と女性の発想は性差もあると思うが、異なることが結構ある。


女性による異論を怖いと思わず、つまり、女性を怖いと思わず、企業も女性を積極的に活用すべきだ。大企業には社外取締役が義務付けられるようになったが、独立性のある人からチェックを受けることは大切で、社長の元部下のような人は取締役会などで異論をいうことができないため社外取締役にはなれないというルールもある。異論は女性活躍のための栄養素だ。


女性が活躍するために会社ができることは何か。会社の方針に参画するような管理職への女性登用には何が必要か。

簡単に言えば、

「子どもが保育園で熱だした!」 「たいへん! すぐ帰ってください! 」と、周囲が言える会社にするということだ。

家に帰れず辛そうに働く女性上司を見て 後輩たちはどう感じるか。優秀な女性がそんな会社に集まるか。リモートワークもどんどん活用すればいい。


次は家庭の問題。家事や育児をするのは女性だという考え自体を捨てなければならない。

若い人へ「 家事ができない人はモテませんよ」

中年の人へ「家事を全部妻任せにしていると 熟年離婚されますよ」

と呼び掛けたい。


男性が家庭進出をすることでバランスがとれるようになる。もちろん男性がご飯をつくってくれたら「ありがとう」という。家事は「思いやり」のラリー。ありがとうの気持ちが家庭を強くする。」


こういった趣旨のお話のほか、ビジネスチャンスはあちこちにある「ひろみの未来予測」として50の社会の予測の披露がありました。


最後に、想像を超える時代がやってくる。

「異論」「複眼」「予測」 「発想」が大事。

老若男女LGBTのダイバーシティによって よりよい企業活動が実現し、よりよい社会が実現する。会社の未来と社会の未来をダイバーシティで創りましょう!

という言葉で講演は締めくくられました。


講演前半に「なぜ女性が活躍したほうが良いのでしょうか?」と会場に向かって語りかけられたときは、内心、当てられたらどうしようと焦っていたような感覚の私です。大変勉強になりました!



先日、渡瀬さんのお兄さんの県幹部に会ったので今度妹さんの講演を聞くんですと言ってたんですが、また感想を伝えたいと思います。ありがとうございました!