安倍元総理の銃撃事件の続報には関心をもってみている。事件時には新聞・テレビともに容疑者が旧統一教会に恨みをもっていたとは報じず、団体とか宗教団体とかまでだった(現代ビジネスなどネットニュースでは報じていたところもある)。それが、いまテレビも含めて完全に実名で報じている。


容疑者の母親が計1億円を教団に献金して自己破産をした(その後5千万円を返金)といった話が容疑者の伯父や教団から発表され、驚きをもって受け止められている。




テレビに全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士や有田芳生氏などが出ているのも見たが、かつては統一教会の問題は合同結婚式や霊感商法などが普通にテレビで報じられていた。しかし、下記リンクで有田氏が指摘したようにもう30年も前の話でテレビ局の第一線で働いている40代前半以下の若い記者はその話を知らないのだという…。確かにかなり前の話になっている。

 

永田町関係者で統一協会の教祖が創設した国際勝共連合について知らない人はほとんどいないだろう。私も学生時代、最初の選挙に関わったときから知っている。下記リンクで近年の元国会議員も認めている。



保守系の日本人の中には、韓国に対して厳しい意見をもっている方が結構いるのに、なぜ韓国人の教祖が日本で頼ったのが自民党の岸元総理というタカ派の政治家だったのかという疑問に行きつくかもしれない。


その共通項は「勝共(共産主義に勝利する)」という考え方である。あとは先祖や家制度を大切にするという家族感。加えて、教団側は布教にお墨付きや安心感を与えるために政治家との写真やメッセージを使い、政治家側は選挙への協力や支援を教団から受ける、特に人の派遣。秘書まで手弁当で出す場合は少ないにしても選挙の際に手弁当の人を出すのは結構あるのだと思う。私が学生時代に知ったのはこれだ。


容疑者はそうした背景などをどこかで知るようになり、式典での動画などもみて、恨みをつのらせたのだろう。


もちろん、だとしても、その恨みを安倍氏にぶつけ、殺害しようとするのは絶対に間違っているのは言うまでもない。



↑のリンクでは「原理研究会」という名称を30年振りに目にした。信者獲得のための別団体だった。私が学生の頃既にあった。



今回の事件は日本国民として今後も語り継がれる凶弾事件になる。警備上の問題を明らかにしてその改善をはかるとともに、恨みを殺人や暴力ではらすといったことのない社会にしていくという本質的な再発防止策を講じていくことがまず大切なことである。

加えて、容疑者の伯父が語っていた入信により全財産を献金して自己破産までしてしまうとか、息子が自殺未遂をしても海外から帰ってこない状態にまでしてしまうとか。霊感等による恐怖感を煽る「洗脳」は合理的根拠も不明で下記のような事例も生んでしまう。こうしたことも起こしてほしくない。

日弁連意見書-反社会的な宗教的活動にかかわる 消費者被害等の救済の指針(1999年)