今日も朝の街頭演説は質問対応のためお休み。


神戸の県庁。本会議。一般質問3日目。


質問のことを少し振返る。日曜の朝から質問原稿の最終見直し。時間配分は当然として、多様な見方をしなければということで、自分がバランスを崩していないか、視線の位置はどうかなどの調整、全体としてどうなるかなど。

 

今回は、現場や第三者の目線、感覚というこれまで以上に多くの目からチェックもしてもらった。おかげで質問に関する当局から事前レクチャーを求められることもなかった。恐らく議員になって初めてのことだ。事実関係の修正もかなり少なかった。

 

今回の質問は、齋藤新知事に代わって初めての質問。極めて重要だ。質問①についてはこの半年間で職員らから聞く声を集約した内容とも言える。即ち『一木一草』の決意と知事自身のワークライフバランスとの違和感。

 

提案説明に「一木一草」という言葉が出たことで違和感が顕在化したと判断した。本来、違和感を顕在化させる必要はないのに出てしまう理由はなにか。県職員のボトムアップを県政推進の中心に据える中では、この齟齬は解消しておかなければならない。

 

高いモチベーションが維持されなければ公務におけるボトムアップはマイナスの方が多いことは自明であるから。

 

ということで、①の時間、内容、再質問と最も重視した。この内容に相応しい故事も古典から引き、普遍的な話になるように 『十八史略』を見返したことは先日記した。

 

これが止まらずに出てしまう原因が何なのか。王の近くに権力を専横する側近がいて 「指鹿為馬」(鹿を指して馬となす・『史記』秦始皇本紀)のように王に声が届かない状況なのか。この話は知っていたのでこれも考えた。諫言するものがいなくなるという話としては使えるが、あとは実情とは異なる。少し時間があったので史略の付箋のない部分も読んでみる。

 

諫言についてのもう一つの故事は、次の時代の章の中に見つけた。質問の中に採用した、王に「折檻」(せっかん『漢書』朱雲伝)、諫言する側近の話である。

 

兵庫県の防災先進県という自負は、先人の極めて重い犠牲の上に成り立っている。王に現場で初動指揮を取ることを進言しない側近はいまい。その声が王には届かないから議会から言ってほしい。至極当然の流れだ。

 

私の質問について厳しい内容だという人もあれば、私にしか言えないことと背中を押してくれる人もいた。自分で判断せよという人もいた。最後は友人が政治家になる時、選挙に出るのを決めた時に考えた話も聞いた。

 

「自分の子供は当然にかけがえないけれど、この子が生きていく世の中でともに生きている全ての子供が大切だし、みんなが幸せじゃないとこの子も幸せになれないと思ったから。この時期の自分の挑戦がわが子や家族に強いる犠牲は自明だったけど、それでも出ると決めたのはそれくらいの覚悟。

 

 今から思えばただの一政治家が気負い過ぎていたけど、その時の自分はその覚悟で記者会見をした。まして知事。わが子に向ける眼差し、危機管理意識と同等の、有事にはそれ以上の責任感で全ての県民の命を守り抜く覚悟がないと、貝原氏があの場面で語った『一木一草』という言葉は到底使えない、使ってはならないと思います。」

 

政治の世界に入る、ましてや540万人県政のトップとなる知事、「一木一草」の決意を語った人の覚悟を確かめるというのは公益であると判断。当日のような内容となった。

 

本質問、再質問、 再々質問と詰め寄ったが、想像以上に頑なで検討すらしてもらえないというゼロ回答だった。県庁から離れたところで家族の方などのプライベートを守りながらワークライフバランスを貫くのは『信念』ということだろう。ワークライフバランスというよりプライバシーへの拘りがあまりに強い、いや強すぎると感じた。

 

実は、質問前からゼロ回答を予想する関係者が多かった。私を理想主義者という人がいたが、検討くらいは答弁してくれるかと一縷の希望は持っていたが、力不足で申し訳ない。

 

一点、公舎や県庁近くに住むように職員に言われたことはないという答弁。再質問という突然の質問、想定外の質問だったのだろう。数秒の逡巡。後の再答弁と合わせれば最初から事実や本心を答弁すれば良かったと思う。良心の問題だ。

 

次の財政問題は常日頃から評価している旨、言及している。阪本知事の提案説明の財政規律を忘れてはならないというところを読むときに声が最高に大きかったという同僚からの話もあった。WHOは関係者からさらに厳しい話も聞いているが、これからの話。姫路市南西部の後医療の話については複数の関係者から取り上げてもらって良かったという声が寄せられた。姫路市南西部の後医療の重要性は地域住民の方からも寄せられている。説明責任を果たしたうえで支援するのは住民の声でもある。

 

本会議終了後、知事に一声だけかけさせてもらった。その後も県幹部らが控室に来訪。意見交換などを行った。


その後も様々な声が届く。一番最初にスマホに届いていた声は「知事にはどう響いたかわかりませんが、職員には沁みましたよ」というメッセージ。ボトムアップ型県政には職員の皆さんのモチベーションが何よりも重要。少しでもそんな声を掬えることができればと思う。

 

昼食に何を食べたか全く覚えていない。実はこの間、血圧も高かった。これで少し落ち着いてくれればいいのだが…。