姫路日程。事務所を起点に訪問活動など。途中、旧知のTさんから自治会の中枢役員の後継者を探して依頼したところすぐさま断られたという話を聞く。できる方と見込んで依頼したが、即答だったという。


別の方の話では議員の後継者探しの話も。姫路でも、議員の後継者を探して、適任と目される方がいない場合やいたとしても家族の反対などがあり、後継が見つからないまま引退してしまい、地域の代表がいなくなってしまったという事例が続出している。


Tさん曰く、今や地方議員は『でもしか』職業かもねと。地方議員は土日も地域行事などがあり、日常生活についても気を遣うことも多く、選挙も大変。本人のみならず家族も含めて負担が重い。世間では厚遇のように言われるが、地域のために出馬をお願いしても負担に見合わないことを知っているからすぐに断られると…。そんなことはお構いなしみたいな人しかなろうとしないと…。私を前に結構な言われようだが、良く意味がわかる(苦笑)。恵まれているように言われるのに成り手が減っている、その質が明らかに低下している、それがその証左。世間ずれしていない後輩の議員が「まともな人ほど議員になってから辞めることを考えている」と言っていたのを聞いたことがある…。


その後、別の地域の自治会役員の方のところを訪問すると、こちらでも選挙の話が。ようやくというか4年越しに家族の説得ができて地域のために立候補してもよいという話になってきたという。地域をあげて応援できればと言っておられた。


そのほか、今日は中小企業の経営者の方や団体役員など多くの方と日が暮れるまで意見交換など。市井の生の声を聞くという一日となった。感謝。


県庁では、県政改革方針(一次案)の記者発表が行われた(別頁)。副知事のところで取りまとめられたとなっているが、知事が発表。これまではそうだったが、こうした方法も変えるべきではという指摘が複数の方から寄せられた。


県債管理基金への外郭団体からの基金集約やそこから団体へ年度ごとに利息的なものを事業費として還元していくスキーム。外郭団体側が基金を大きく取り崩すような事業を行うことはすぐにできないが、当面のことだけを考えればその影響も限定的。一方、県側からすれば、実態は借入であっても、基金残高を増やし、財政指標を嵩上げする効果を享受できる。


ただし、それは複式簿記の考えを採用しない前近代的なもの。知事も会見で言っていたが、こんなことをしているのは兵庫県だけである。


基金はあると見せ掛ければ、財政指標が改善され、借金による事業がしやすい(会見では兵庫県が多くを占める起債事業があるとも)。総務省が突然導入した財政指標によって起債(借金)ができなくなってけしからんという当時の反発を聞き、驚いたものだ。(例えば実質公債費比率が18%を超えると県債の発行に総務大臣の許可が必要となり、借金が難しくなるほか、公債費適正化計画を策定しなければならない)。 


総務省の減債基金(兵庫県では県債管理基金)のルール積立方式では、基金残高は自治体が起債する限りゼロにならないため、基金に実態のない残高を置き続ける(≒隠し続ける)ことは理論上可能だ。つまり根雪というか、下駄を履かせ続けることが可能で先送りできると。


しかし、それは未来永劫ではない。この行為のルール逸脱が認められなくなったときに、その時の人たちやそれ以降の将来世代が負担させられるだけの話だ。将来世代は選挙にも加われておらず選択権はないにもかかわらず。


私から見れば、いくら今やりたいことがたくさんあるとはいえ、今さえ良ければいい、という現世利益中心の考えにみえた。だからずっと追及してきた。それは私が嫌いな考え方だから。私がこの世界にいる理由そのものだから。


震災を理由にして法令を逸脱してもよいなどという考えもどこかにあると感じてきた。厳しい話だが、いつまでそれを理由に続けるのか。そんな思いもあった。


今日はその財政適正化の一歩となる発表が行われた日。大変感慨深い日だ。一足早いものの、まずは、こうした動きを陰日向に支援して下さった方々、これまでの財政運営とは大きな路線変更となるにも関わらず起案(会見でもボトムアップと言われていた)してくれた関係者の皆さん、決断してくれたS知事やA、K副知事には感謝の言葉を申し上げたい。


また、今日は姫路におり終日、外出していたが、議会の行財政特別委員会の内容や知事会見の質疑応答の内容もポイントが届くなど県政ウオッチャーの皆さんのおかげで他の動きをしていても大変助かった。知事交代を奇貨として背中を押して下さった方のことはまた改めて触れたいと考えている。


加えて、王騎将軍からは会見での記者の知識不足を指摘する声もあった。質問内容からよく分かっていないことが分かってしまうという。一定の知識がないと発表内容をそのまま報じるしかなくなる。行政側の都合の良い話だけになるということだ。発表を鵜呑みにすることなく、自身で検証して書いていた頃の昔の記事やその背景などを懐かしく思い出したという話も聞かれた。


王騎将軍や李牧丞相といったその目自体がかなり高いレベルのため、厳しい指摘にはなるが、記者の皆さんにはもう少しこうした分野にも関心をもつ時間を作ってもらいたいとは私も思っている。昔と違って人も減り大変だとは重々承知しているが、報道機関の力は重要だ。


思い返せば、12年前、当時関心をもって報じてくれた方々がいた。それが端緒でもある。いま一次案が示されただけで今後特別委員会での議論も始まるタイミングに過ぎないが、とはいえ、今日の公表は一つの区切り。当時の皆さんにも感謝だ。ああした報道がなければ今回のこともなかったのではと思う。


帰宅すると雪之介が眠っていた。齢17歳。最近特に体調が悪く、病院通いの日が増えている。

昼食は網干の喫茶マドリードで日替りランチ。エビフライととんかつ定食。