菅総理の退陣表明を受けて、永田町をはじめとする中央政局で様々な動きが報道されている。辞意表明したとたんに同情する声が出るのも去年の安倍前総理の辞任のときと全く同じ。前政権では支持率も急回復した(なぜか株価が急上昇したのも同じ)。


「死人に鞭打つ」行為はよくないと言われているし、私もそう思っているが、この考えはいつからあるのだろうか。


漫画「キングダム」が古代中国の春秋戦国時代の戦国末期の話であると書いたが、もう少し前の春秋時代に活躍した呉の伍子胥の話として『史記』に出ているので紹介したい。


『史記』伍子胥列伝(書き下し文は竹内)。


「掘楚平王墓、出其尸、鞭之三百、然後已。

(中略)子之報讎、其以甚乎。

(中略)今子故平王之臣、親北面而事之、今至於僇死人、此豈其無天道之極乎。」


【書き下し文】

楚の平王の墓を掘り、其の尸(屍[しかばね]を出して、之を鞭(むちう)つこと三百、然る後已む。


子(し[あなた])の報讎(ほうしゅう[復讐])其の以て甚(はなはだ)し乎。


今の子(し)、故(もと)は平王の臣。親(みずか)ら北面[仕えること]し、之に事(つか)える。

今に至り、死人を僇(はずかし)める。此れ豈(あ)に、其の天道之極(きわみ)無にせん乎(や)


【説明】

伍子胥はもと楚の臣下であったが、当時の平王と王子の美女をめぐる争いが起きたとき、王子側だった一族の父と兄は殺された。伍子胥は何とか呉に逃げた。その後、呉の孫武(孫子の兵法の作者)と共に楚に攻め入り勝利を得たが、平王は既に亡くなっていた。


そこで伍子胥は、平王の屍を墓から出して300回鞭打って恨みを晴らした。しかし、旧友の申包胥は死人を辱めたことは天道に反するとして非難したと書かれている。


いまから約2500年も前の話。私も引き続き、心しておきたい。


 

夜のTBSの「新・情報7DAYSニュースキャスター」でビートたけしさんが菅さんを引きずりおろしたと見ている人たちをこき下ろしていた。


他のテレビの報道などでは、既に総裁選の話が中心に変わってきた。野党の話も取り上げている社もあるが、残念ながらというか当然に新しい話題はなく、バランスをとろうとしているだけだ。予想された動きになっている。


総裁選は顔ぶれが固まり、選挙戦に入ると更に大きく扱われるようになる。


少し興味深いのは、菅総理の退陣が、地方にも影響が出るということを指摘する記事(下記リンク)があった。これは珍しいが、事実だろう。まだ随分先のことだが次の北海道知事選挙が注目される。

 


北海道のほかには大阪府だろう。これは自民党と維新との関係。これは簡単には予想できないが、菅官房長官の時代から長年蜜月に近い関係だったと思うのでこれは大きく変わるだろう。明らかに官邸とのパイプは低下する。新総裁との相性もある。岸田さんとかになったら。こんな見方も興味深い。


今日あることがあって人に久方振りに頭を洗ってもらう。今日もノンアルコール。最近書き忘れていた。