朝からニュース番組などをはしご。日本学術会議の会員候補に対する任命拒否についての議論が多い。会議から推薦された人の一部6人の教授に対して内閣として任命しなかったことが明るみに出てからこの話は始まった。政策に反対する公務員を異動させると明言したり、検察人事へ介入しようとするなど安倍政権から続く話の連続だろう。菅政権になってもこの路線は続けられるということが改めて宣言された。

 

とはいえ、今回は検察庁法改正のように法案が提出されたわけでもない。過去からの経緯も出ているが裏で行われる話が、表に出てきたようだ。

 

日本学術会議法を読むと、「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」となっている。これまでの政府解釈では、1983年の当該規定制定以降は、内閣が推薦者を恣意的に排除したりしないというのが内閣の答弁だったことも国会の議事録から判明している。いつの間にか解釈を変えたということだろう。

 

とはいえ、報道をはじめ様々な反応や対応を見ていると騒ぎになってから注射が打たれたという感じた。学術会議側が推薦した人を内閣が拒否した、これは内閣の拒否権だというと、なぜ拒否したのかという論理に行き着く。それはまずいのである。

 

新しい学術会議の会長に就任されたのは、2015年にノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章東大教授だ。今月1日の就任後、早速「第25期新規会員任命に関する要望書」を内閣に提出し、拒否した理由を明らかにするよう要望している。梶田先生ら著名な学者が正論で加勢してくると世論の流れは変わる可能性がある。

 

第25期新規会員任命に関する要望書

http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo301-youbou.pdf

 

また、「政府に批判的な論評等を行っている」から任命を拒否した、と踏み込むまでの覚悟があれば別の議論になるが、さすがに学問や学術と政治任用とはわけて考えられなければ、内閣がもたないからそうは答弁できない。

 

日本学術会議の予算規模や推薦方式、旧来からの悪弊や「前例踏襲主義の打破」、学者という階級階級のような伏魔殿、果ては年金までといった論理で周辺が批判している。これは世論の動向などを踏まえて、発言するポイントなどをまとめて一斉に関係者に連絡するものにこうしたポイントが書かれていたのだろう。これが注射だ。この注射は、まだ任命もされていない新会員の任命拒否問題と過去からの組織の問題をすり替えるようにという内容だ。本来無関係の話だ。とはいえ見る限り結構成功している。

 

会員に左派が多いから変えようとしたと本音を言っていたのはフジテレビのH解説委員くらい。しかし、左派が多いから変えたいで本当にいいのか。H氏は世の中、戦後世代も減り、右派と左派の構成比率が変わってきているといった趣旨の発言もしていた。学術の世界にもそうした価値基準が入れられるというのは結構恐ろしいことだと思う。

 

自民党内でもF代議士らは今回の措置に物申しているが…。

https://news.yahoo.co.jp/articles/035b3758c2e0d6f483c0c6e3e98852b9b76d234c

 

 

 

自宅のプランターで育ったネギ。初めて採れたという。辛味があり!昼食はイトメンのチャンポン麺にたっぷり入れて。