新型コロナウイルス感染の話題が沖縄から週末から大阪にスポットライトが移っている。急に重症者が増えているからだ。1日あたりの感染者数では東京のほうがはるかに多い状況がこれまで続いてきたが、なぜか大阪の方が重傷者が多くなっているという。

 

吉村知事がテレビに出演して語ったところによると大阪府内の病院では、「死亡者を減らすために気管切開を早めに行う(人工呼吸器を使う)処置をしている」そうで、結果として重症者が多くなっているという。東京が集中治療室(ICU)に入っているだけでは重症者にカウントしていないという基準の違いもあると後で判明するが、それを加えても大阪のほうが重傷者がはるかに多い理由としては疑問だ。東京の約1,400万人、大阪の約900万人で、大阪のほうが重症者が多いというのは人口比でいけば相当な話だ。

 

コロナ問題を捉えるときに、「マスコミは感染者数ばかりを報じて騒ぎ、死亡者や重症者が少ない実態はほとんど報じない」という人が結構いる。重症となってしまうと亡くなる方がかなりおられる。だから重症者を増やさないために感染者・軽症者を増やさない取り組みを行っているのだが、コロナは普通の風邪と変わらないという主張する方は一定おられ、現在の行政の一連の対策やマスコミ報道を否定する方もおられる。私自身、この種の話を直接聞く機会が結構ある。信念で話しているといった感じで聞き置くほかないが、日本では海外のように首長にはこうした主張を堂々と発言している方は寡聞にして知らない。1,800人いれば色んな考え方の人もいると思うが…。

 

いずれにしろ、大阪は独自に繁華街の営業に一定の制限を設けるなど取り組んできてこの状況。何もしないと今より大変なことになると思うが、信念をお持ちの方の考えは変わらない。

 

一方、吉村知事は重症者が増え、死者もかなり発生しているが、テレビに出ずっぱりだ。感染者数の入院等の手続き、感染ルートの確認、濃厚接触者の確認やPCR検査の手続き、そして入院加療する医療現場の病床利用率の拡大。大阪府や大阪市の人員、病床利用率の状況から推測するに現場はかなり逼迫していると思う。

 

沖縄は看護師が足りないと全国知事会にSOSを出していたが、相互融通する仕組みなど決まったものはない。都道府県間で事前に連携できるような制度があれば万が一のときに対応できると思うが、いまそこまでの話はない。どことも大変なのでその機運もない。

 

いずれにしろ、テレビに出て府民らに説明責任を果たすことは大切なことだが、これだけ出ずっぱりだと現場への指揮命令等に必要な時間や出席すべき会議の機会の確保などができているのかなど色々考えてしまう。何のためにテレビに出ているのかということだ。これだけ重傷者や死者が出ているのでテレビは控えておこうという話になっていない。イソジン騒動でも結果的にミスを認めていないようなので周囲が止められる話でもないのだろうが、ずれてきていると感じるのは私だけではないと思う。

 

大阪のコロナ重症者、東京の3倍に 中高年層への感染拡大警戒(産経新聞)

https://www.sankei.com/west/news/200817/wst2008170024-n1.html

 

吉村府知事、イソジン騒動が示す「維新流イメージ戦略」の危うい実態 それを囃し立てる「メディア」の罪(現代ビジネス)