県議会本会議で質問するのは代表質問と一般質問の方式があるんですが、代表質問は交渉会派の4議員しか登壇できません。興味と時間のある方はご覧下さいね(60分の質疑応答記録です)!過日亡くなられた上山先生の授業の話も入れました!

第346回(定例)県議会
【日 程】令和元年12月6日(金)
【質問者】竹内 英明 議員(ひょうご県民連合)
質問方式:一問一答 方式

1 関西広域連合のあり方について

関西広域連合が設立から12月1日で丸9年を迎えました。一方、先月11月26日の神戸新聞には「関西広域連合長退任に含み 井戸知事、任期の来年12月で」という記事も出ました。知事の定例記者会見の内容も見ましたが、広域連合の設立の狙いの一つである国の事務の移譲がなかなか進まない状況に触れた上で、連合議会からは「大きなテーマとして、広域連合が期待された機能をもっと発揮しろという、激励、そのような意味の質問がかなりあった」「しっかりやっていきたいと思っているが、しかし、何年も私ばかりが連合長をやっているのもどうかと思う。」「ですから最後の1年になるということを心に留めて、しっかりバトンタッチできる体制を作り上げていければ、と私自身は決意しています」と発言されている。
一方、大阪を始めとして首長が関西広域連合の執行機関である広域連合委員会に出席しないことを自身の求心力に置き換えて、「そのような運用しかできない連合長は早く替えた方がいいのではないかと、自戒の意味を込めて私自身は思っています」とも述べているが、中長期的な視野で関西広域連合のあり方に危機感を感じておられる証左ではないだろうかと感じています。
私自身今年の6月まで2年間、関西広域連合議会に連合議会議員として出席しました。議会では定例会ごとに一般質問も行われましたが、事務が限られている一方、議会の定数が39人と多く、質問の重複がしばしばみられました。常設ではないにしても府県同様の本会議場設定や答弁方式など府県議会と同様の誂にしているのも、丸ごと移管を前提にしたもので今の所掌事務には合っていないと感じました。また、広域連合議会に首長として100%出席していたのは、井戸知事だけでありました。2年間で1回だけという出席の首長もいました。
こうした状況の中で、関西広域連合長から井戸知事が退き、かつ現状の事務程度に留まるならば一部事務組合への移管や議会規模の縮小、広域連合のあり方そのものを問う声が噴出してくることが容易に想像できます。
ドクターヘリや災害時のカウンターパート方式による被災地支援、資格試験事務など一定の成果を上げている一方で、当初の設立目的である、中央省庁からの関西広域連合に対する権限移譲については知事自身が「取り付く島もない」と答弁されていることからも現状はかなり厳しいと思いますし、国民の側にも地方分権に対する熱意を見て取ることはできません。連合委員会や議会への首長の出席率低下はそのような背景によるものではないでしょうか。知事が退任することが関西広域連合の今後のあり方に大きく影響し、広域連合の一層の求心力低下につながりかねないという懸念をもちますがどう考えておられるか伺います。

[井戸知事答弁]
関西広域連合は、7つの広域事務については東日本大震災等の被災地支援やドクターヘリの共同運航など、関西の広域課題に対して、着実に成果を挙げてきていると評価している。
 一方で、広域連合の国の事務の移譲の受け皿としての機能の発揮については、国への提言を行ったり、広域行政のあり方検討会での検討などをやってきたが、十分な成果が挙っていない。
しかも、国出先機関の丸ごと移管については、もう一歩のところまでいったが、今後も国の出先機関や在関西政府機関と広域連合とが共同事業を行うなどを進めることにより連携強化を図り、これにより国の事務の受け皿たる能力があることを示し、将来的な移管につなげたい、このような基本的な考え方でいる。
連合委員会や議会の活性化のご指摘については、連合委員会では、関西が直面する喫緊の課題を集中的に協議するなど活性化を図っていく。連合議会では、議会側の協力も得て、答弁者を分散化することで、委員本人の出席を促していく。
なお、組織体制については、現在の所掌事務を前提にしたものであり、今後の事務の拡大や再編に応じて体制整備が図られるべきものであると認識している。
私の連合長退任により求心力が低下するとのご指摘については、可能性に触れただけであるので、十分ご理解願いたい。
また、広域連合は、分野ごとに担当委員が責任を持って業務を遂行する「業務首都制」を採用している。一方で、重要な事項は連合委員会での合議により決定することを基本にしている。各委員のリーダーシップと委員間の連携で成り立っているので、仮に、私以外の知事が連合長になっても十分機能すると確信している。
2021年のワールドマスターズゲームズや2025年の大阪・関西万博など一大イベントが控えているほか、プラスチックごみ削減など新たな広域課題も生じている。連合長としての任期はあと1年だが、これまで以上に、構成府県市が密に連携し、広域連合が期待される役割を果たせるよう、「チーム関西」の舵取り役として、全力を挙げて取り組んでいく。

[竹内再質問]
 私が2年間、他の府県・政令市の議員の方と話をして、広域連合のために、例えば鳥取から大阪まで来るというのは結構大変だが、その方々はしっかり出席している。何がモチベーションなのかと聞くと、井戸連合長が必ず自分の質問に答弁してくれるのが、非常に嬉しいということだった。その方の県政報告には、井戸知事との答弁のやり取りが載っていて、広域での仕事をしているというのを住民の皆さんに説明している。その方だけではなく、他の自治体の方も、井戸さんが答弁してくれるからというのを結構おっしゃられる。設立当初から連合長として、先頭となり引っ張ってこられたわけであり、お元気なうちはやっていただきたい。
 また、2021年5月のワールドマスターズゲームズについて、ご自身が中心となって取り組まれてきたのを、実質的に一歩退かれたところでやるということになりかねない。そこまでは連合長をやるというのを、この場で申し上げられたらいいと思うが、いかがか。

[井戸知事再答弁]
 議員の皆さまが、連合議会でのやり取りについて、そのように評価いただき、活動内容をそれぞれの有権者にお伝えいただいているというのは、広域連合としての役割の評価にもつながるので、心強いことだと思っている。
 なお、ワールドマスターズゲームズ2021関西については、代表を広域連合長と関経連会長が務めているが、来年2月から募集が開始され、来年中には一年前イベントを競技ごとに開催地で開催する予定であるので、本番を迎えるに当たって、井戸がいなければうまくいかないということはないと考えている。架空のお尋ねでもあるので、そのような状況であるというのを申し上げ、ご理解をいただければ幸いである。

[竹内コメント]
 自らもう一期やると言うのは、なかなか難しいことはよく理解している。関西広域連合という壮大な社会実験が失敗してはいけない。国に向けて、もう一度しっかり機運を高めるとか、醸成が必要だと考えている。

2 神戸市立学校での教員いじめ事案と県教育委員会の人事制度について 

神戸市立東須磨小学校で教員同士のいじめ事案が発生しました。大きく報道されたことで、市教育委員会がいじめた教員らに出勤停止を命じ、条例改正によって有給休暇の扱いを中止させるなど行政処分を行っているほか、刑事事件として県警の捜査も行われています。
この問題の背景の一つに、いじめを主導的に行ったとされる教諭について、元校長が自ら指名して東須磨小学校に呼び寄せた教員であり、校長側近という位置づけから、周囲からも一目置かれる存在となり、他の教員とは違うような位置づけとなっていたという報道がありました。これは同一校の滞在上限を迎えた教員等の人事について、校長が欲しい教員を市教委に連絡することにより、その希望に配慮して人事異動を行うという神戸市独自のもので俗に「神戸方式」と呼ばれています。
校長が指名して異動させた教員だから他の教員以上の権限を持つなんて通常はありえない話ですが、この度、来年度の人事異動からこの神戸方式を順次廃止していくことを決めたとのことであります。
兵庫県教育委員会でも県立学校の教員の人事については、校長が欲しい教員について在職校の校長と情報交換し、県教委に相談、提案する方法があることを私は従来から承知しています。ここでは「兵庫方式」と呼びますが、このことによりいじめや学校での教員の序列化といった負の側面が発生しているとは聞いたことがありません。教育委員会が直接、教育現場にいる全ての教員の人事評価を行うことは困難であり、校長が人事についても一定の役割を果たすことはむしろ組織運営のあり方としては一般的であろうと思います。
実際に複数の校長や教職員課勤務経験者に話を聞きましたが、こうした提案制度は必要であるとの意見でありましたし、民間企業出身の神戸市立中学校の教諭も神戸新聞の東須磨小暴行・暴言問題教諭座談会において、神戸方式について問われ、「各学校で教育課題は違い、それぞれの学校が求める人材を取りに行くのは、僕は悪くないと思う。ただ、民間企業にいた身からすると、異動希望の有無を本人が選べて、それが通ってしまうのは違和感があるし、今回の問題とも関係している気がする」と答えています。本人の異動希望が優先されることが問題と。
私自身もこの教諭と同じ認識で、校長の提案を受けるという「兵庫方式」は問題と捉まえておりませんが、神戸の事案に対する県民の関心が極めて高い実情を踏まえ、敢えて質問します。
県立学校の教員の人事異動、校長に提案権をもたせる、いわゆる兵庫方式についてこれからもこうした運用を続けるのかなど如何に考えているのか伺います。

[西上教育長答弁]
いわゆる神戸方式は、異動対象教員と校長が、相手校の校長と面談を行い、そして教員が承諾をした後、両校長が市の教育委員会に内申の手続きをとれば、異動が成立する方法と聞いております。この方法でいきますと、選ばれた教員がやりがいを感じ能力を発揮することが期待される一方で、ご質問にもありましたように、校長の後ろ盾があると受け止めて、特権意識が生まれる可能性というのが当然、懸念されると考えております。
 本県の場合、県立学校教員の異動にあたりましては、校長に対しまして、ご質問にもありましたが、各学校が抱えます課題、例えば「スーパー・サイエンス・ハイスクール」ですとか、「スーパー・グローバル・ハイスクール」など各学校でやっております魅力づくり、特色づくり、こういったことを担っていただける教員、また生徒指導等に対応できる教員、こういった希望を聞いて校長間で必要な人材の、情報を交換する、そして新年度の人事構想の希望を校長から出させる。このことは、校長のリーダーシップを促す観点からも必要と考えております。県教育委員会としましては、この希望を踏まえながら、対象教員の希望校種また家庭状況等も含めて、校長に対してヒアリングを行い、最終的に県教育委員会で人事異動を決定しております。
 したがって、この過程におきましては、例えば相手校の校長と異動対象教員との面談や承諾、こういった行為は行っておりませんので、神戸方式での懸念は生じないものと思っております。
 今後とも、職員の能力を最大限発揮できる、いわゆる「適材適所の配置」、そして職務経験を豊かにするため、異なる地域ですとか学校種間の交流を進めます「広域人事の推進」この二本を基本に、魅力と活力ある学校づくりを推進できるよう、人事配置を進めて参りたいと思っております。
引き続き、ご指導よろしくお願いします。

3 学校における薬物乱用防止教育対策について

先月16日、来年のNHK大河ドラマで主要な役柄を演じる予定だった有名女優が合成麻薬MDMAの所持容疑で逮捕されました。長きにわたって様々な薬物を使用していたと報道されています。
国内における2018年中の薬物事犯の検挙人員は1万3,862人と、高い水準にあり、うち大麻事犯の検挙人員が3,578人と警察庁が保有する1958年以降の統計で最多となっています。約半数は未成年及び20歳代の若者が占めるなど、青少年を中心に大麻の乱用の裾野が拡大していることが指摘されています。
大麻については、「有害性はない」等の誤った情報が氾濫しており、医療用大麻の解禁を求める公約を出す国会議員の立候補者が出たり、先進国の一部で大麻が合法化されたと報道されるなど、使用へのハードル低下が指摘されていますが、大麻は、より幻覚性が強く、副作用や依存性も強い覚醒剤等へのゲートウェイドラッグ、つまり薬物使用の入口とも言われており、その拡大を防止しなければなりません。
元有名タレントが先月、5回目の覚せい剤取締法違反により逮捕されましたが、薬物の危険性を語る講演などをしており、更生しているとのイメージもあったので大変驚きました。改めて薬物の依存性の恐ろしさを見せつけられました。
昨年8月に厚生労働省で策定された「第五次薬物乱用防止五か年戦略」においては、児童生徒等の薬物乱用の根絶に向けた規範意識の向上を図るため、学校における薬物乱用防止教育を一層推進することを求めています。
その中で、学校保健計画の中に「薬物乱用防止教室」を、位置付け、すべての中学校及び高等学校において年1回は開催するとともに、小学校においても開催に努めることが明記されています。県内公立学校の実情はどうなのでしょうか。
全国では2017年度に京都府や大阪市など14府県市が小・中・高等学校で100%実施しているのに対して、兵庫県は72.9%、神戸市は56.5%。私立学校を含めた都道府県別のデータでは66.1%と47都道府県中41位となっています。直近2018年度の県のデータをみると県教委の足元の県立高校2校で実施されていません。学校の余裕時間がないことは承知していますがどうなのでしょうか。
私が中学生当時、たばこの害を教える授業はインパクトのある内容でした。保健体育の上山先生が教室で生徒に「トイレからトイレットペーパーをとってこい」と。そして自らタバコを吸って、息をトイレットペーパーに吹きかけると黄色の液体がつく。「これがたばこや。ニコチンやタール、中毒性や発がん性があるんや」。30年たった今でも鮮明です。今学校内でタバコを吸うことは出来ませんが。
薬物の怖さを子どもの頃に意識させることで、好奇心、投げやりな気持ち、断りにくい人間関係といった麻薬使用の最初の一歩を踏みとどまらせる可能性があります。学校における「薬物乱用防止教室」を含めた対策について伺います。

[西上教育長答弁]
本県における平成30年度の薬物事犯の少年検挙者数は56名と発表されており、近年増加傾向にある、とりわけ大麻事犯は全国で3番目の多さとなっており、違法薬物が未成年層に迫っていると認識している。
 平成30年度における薬物乱用防止教室の実施状況は、県立高等学校では98.5%である。また、神戸市を除く公立中学校では85.3%、このうち26市町において実施率が100%となっている。一方、公立小学校では53.6%であり、このうち残念ながらまったく実施していない市町が3市町あった。
 このことを踏まえて、県教育委員会では従来から実施している薬物乱用防止にむけた啓発活動、教員を対象とした研修会、薬剤師・医師等を対象にした講習会に加え、今年度、全ての県立学校について薬物乱用防止教室を実施するようまず指導を行っている。また、新たに小学校に対しては、小学校の教員等を対象にした講習会を追加した。
 今後、県立学校においては、毎年必ず実施するとともに、とくに実施率の低い市町教委に対し、薬物乱用防止教室の重要性を認識するよう強く指導していく。併せて、知事部局や県警察等の関係機関と連携し、教育現場とともに、日本全体として、社会全体で薬物乱用を許さない雰囲気を醸成していく。

[竹内コメント]
地上波のテレビで麻薬の合法化について討論されていたが、社会的地位のある方が地下経済への影響がいかないから(合法化したほうが)よいという意見があり、薬物へのハードルが下がることが心配される。薬物使用者に対しては警察等が取締を行っているが、小さい頃からの教育が必要で、県内の薬物乱用防止教室の開催について取り組んで欲しい。

4 指定暴力団の抗争激化に伴う特定抗争指定暴力団の指定について

先月27日、尼崎市で指定暴力団神戸山口組幹部が射殺される事件がありました。犯行には殺傷能力の極めて高い自動小銃が使われたと報道されています。また、襲われた場所は通常の飲食店の前であり、一般の人が流れ弾に当たって巻き込まれる可能性もありました。
8月には、神戸市にある六代目山口組の中核組織 弘道会の関連施設の前で暴力団員が拳銃で撃たれました。10月には、神戸市にある神戸山口組の中核組織 山健組の事務所の前で、暴力団員2人が拳銃で撃たれて殺害されました。8月の事件の報復とも報道されています。
こうした抗争によって先月、六代目山口組と神戸山口組の本部組事務所等について暴対法に基づき使用制限の本命令も出されましたが、今回の事件はこうした対策だけでは防ぎきれませんでした。両団体を更に厳しい「特定抗争指定暴力団」として指定することで、抗争事件を防ぎ、住民の安全を確保できるのではないでしょうか。
特定抗争指定暴力団とは、「指定暴力団等の相互間に対立が生じ、対立抗争が発生した場合において、当該対立抗争に係る凶器を使用した暴力行為が人の生命又は身体に重大な危害を加える方法によるものであり、かつ、当該対立抗争に係る暴力行為により更に人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがあると認めるとき」とされ、特に警戒を要する区域「警戒区域」を定めて、当該対立抗争に係る指定暴力団等を特定抗争指定暴力団等として指定するものであります。
組事務所の使用制限が近隣住民を「点」で保護するのに対し、特定抗争指定は警戒区域という「面」で幅広く市民を保護できるものであります。
過去に特定抗争指定がなされたのは、2012年の九州における道仁会と九州誠道会の抗争だけですが、その時は指定から半年で両組織が抗争の終結宣言を出しました。特定抗争指定の効果は絶大だったと言われます。
特定抗争指定によって、暴力団員が事務所に出入りすることや対立組織の事務所や組員の居宅周辺に近づくこと、組員が多数集まること等も犯罪となります。2つの暴力団ともいつ特定抗争指定暴力団の指定を受けてもおかしくないという自覚はあるはずで、指定までの間に駆け込みで報復をするなど抗争を頻発させる恐れもあります。一般人が巻き添えになったら大変なことになります。特定抗争指定暴力団の早期指定を求めますが、実務についてのことなので警察本部長に伺います。

[加藤警察本部長答弁]
本年、県内におきましては、六代目山口組と神戸山口組との間で銃器等を使用した殺傷事件が相次いで発生し、地域社会に大きな不安を与えているところでありまして、県警察におきましては、対立抗争事件被疑者の検挙に加えまして、兵庫県公安委員会によります事務所使用制限命令の発出など、必要な対策を推進してきているところでございます。
 議員御指摘の特定抗争指定暴力団への指定は、警戒区域を設定し、同区域で指定団体の暴力団員が多数で集合することなどを禁止するものでありまして、対立抗争の封じ込めに相当の効果があると考えており、両団体の指定に関して、現在、警察庁や関係府県警察との連携を密にして、必要な検討作業を進めているところでございます。
 暴力団に対する取締り、暴力団排除対策と併せて、県民の安全・安心確保のための対策を推進していく所存であります。

[竹内再質問]
再質問させて頂きます。この指定につきましては、メディアによっては「年内にも指定されるのではないか」、あるメディアには「年明けにも」と報道されています。これは根拠無く報道されているのではなく、どなたか権限のある方が示唆していることだと思います。
 例えば今尼崎でしたら学校の登下校に警察の方に危険が無いかというのを見張ってもらっています。その親御さん達の立場でしたら「この指定をなるべく早く指定して欲しい」ということが希望だと思います。
 この対立抗争は全国であります。福島や熊本でもあったと承知しています。勝手に本部長が「私がやります」ということはできませんし、公安委員会の事務に属するものでありますが、今、現に危険だと考えておられる親御さんの立場に立ったら間違いなく「早期に指定したい」、これくらいは答弁出来るのではないか。いかがですか。

[加藤県警本部長再答弁]
先程答弁致しましたように、警察庁や県警府県との調整を踏まえて指定作業に向けた検討を進めているところで、出来る限り速やかに作業を進めてまいりたいと思っていますので、よろしくお願いしたします。

[竹内コメント]
本部長ありがとうございました。その言葉が、色んな懸念を持たれている方は聞きたかったんだと思います。ご自身で勝手に答えられないことは警察庁のこともあり私も承知しております。
 今回使われた自動小銃というのは、元は軍事用の銃器で500メートル以上飛び、巻き添えになる可能性もあります。厳しく取り締まっていただきたい、これが住民の声だと思います。よろしくお願い致します。

5 播磨と但馬を結ぶ「播但連絡道路」について

 播但連絡道路は、姫路JCTから朝来市の和田山JCTに至る、兵庫県道路公社が管理している一般有料道路です。兵庫県内の幹線道路網のうちの「播磨但馬軸」として位置づけられた路線で、1970年より建設が進められ2000年に完成しました。姫路で姫路バイパスと和田山で北近畿豊岡自動車道と接続しています。
この度、この「播但連絡道路の大規模修繕等に関する有識者会議」において、今後約170億円もの修繕費が必要になるというデータが示されました。突如として多額の財源が必要になると提案されたことには大変驚きましたが、播但連絡道の建設当初の償還計画策定時の考え方として「道路の構造物は日常的な維持管理を行っていれば、機能や価値が損なわれない」「構造物の大規模な更新・修繕をするとういうこと自体が想定されていない」と、これまで大規模修繕費は全く見込んでいなかったとのことです。
一方、兵庫県道路公社の財務内容はどうでしょうか。「道路公社は計画に基づき償還を進めていますが、災害等が一度も発生しない場合でも、2032年の償還期限時点での道路公社内部保留金はゼロ」「現計画で新たに大規模修繕費・耐震対策費が加わると償還は不可能」という説明ですが、財務諸表の動向から概ね妥当だと思います。

一方、11月20日に清元姫路市長や姫路市北部地域の連合自治会長らが出席して行われた「姫路市北部地域づくり推進協議会」の行政懇談会の場で、出席者から、播但連絡道と並走する国道312号の朝晩の渋滞の状況、姫路・福崎間で通勤に約1時間程度かかってしまう状況から、播但連絡道の側道や生活道路、通学路等への抜け道利用が頻発していることが報告され、国道312号の渋滞解消に向けた対策について県姫路土木担当者へ強く要望がなされたところであります。
早期に国道312号の拡幅を実施するか、迂回路としての播但連絡道の利用を拡大する、これは道路の設置目的である「国道312号の交通緩和を図り、住民福祉の増進と産業経済の発展に寄与する」にも合致するものであります。
有識者会議において県の担当者は現行料金、普通車・姫路和田山の全線利用時1,470円を維持して徴収期間を2042年まで延長するケースと、徴収期間は変更せずに料金を約1.5倍に値上げする2案を示し、委員間協議の場では、料金値上げを検討する声もあったと報道されています。
これまで播但連絡道では、但馬地域と播磨地域の交流促進を図るため、2005年度からETC割引等を実施し、2017年度からは平日の姫路・和田山間を普通車で上限1,000円とするなど利用者拡大を図ってきました。これを最大2,000円に戻すという話はこれまでの施策と矛盾しています。
値上げにより想定される課題等として「播但連絡道の利用者の減少に伴い、一般道に影響がでる」「料金値上げに伴い、観光、産業等に影響を及ぼす」等があげられていますが至極当然であります。
値上げにより、さらに一般道に流れ、渋滞がひどくなるといったことが許されるのか。どう考えても1.5倍の値上げはありえないと考えますが伺います。

[荒木副知事答弁]
播但連絡道路は、これまで、適切な維持管理によります安全の確保、ETC設置によります利便性向上、料金値下げによります利用促進などに努めてきました。
一方、道路法が改正されまして、近接目視点検を実施しました。その結果、大規模修繕が必要となりました。また、熊本地震を契機といたしまして路面に大きな段差が生じないよう橋梁耐震補強等、安全確保のうえで不可欠な対策の実施が必要となってまいりました。しかし、こうした経費については、現在の経営計画に含まれておりません。 
このため、有識者会議で資金確保のあり方について提言を得ることといたしました。
この議論の中では、ご紹介もありましたが、「料金値上げで必要な資金を確保すべきである」との意見、「地域への影響などを考慮すると、料金水準を変えずに徴収期間を延長することが現実的である」との意見がございましたけれども、今申し上げましたような徴収期間を延長するという意見が大勢を占めております。また、沿線9市町長への意見聴取では、「値上げではなく、料金徴収期間の延長はやむを得ないのではないか」との意見でございました。これらの意見を勘案いたしまして、年内に有識者会議から提言が出される予定です。県といたしましては、この有識者会議の提言も踏まえまして、方針を決定いたしまして、県議会のご議決も頂いたうえで、国土交通省に対して事業変更など必要な手続きを進めてまいります。
国道312号の渋滞対策でございますけれども、砥堀北交差点以北320mの3車線化と歩道設置を進めています。このうち蛍橋までの南側約200mを今年度に工事着手いたしまして、来年度完成させます。蛍橋北側についても用地買収を進め、姫路市の上水道管移設後に着手いたします蛍橋の拡幅部を除き、社会基盤整備プログラム前期完了を目指してまいります。このほか、渋滞交差点解消プログラムに位置づけられている仁豊野交差点につきましても、姫路市・警察とも対応案を検討するなど、今後とも国道312号の渋滞対策を進めてまいります。
播但連絡道路については、将来にわたり適切な維持管理に努めまして、県内の基幹道路ネットワークであります八連携軸の重要な路線として、「地域産業の活性化」、「交流の拡大」など、その役割を務めてまいりたいと考えております。

[竹内コメント]
地域住民の方、2032年で無料化されるとまだ思っておられる方が多いということがありますので、地域住民の皆さんの意見を慎重に聞きながら、事業を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

6 職員の超過勤務の削減について

働き方改革の大きな柱は、超過勤務の縮減にある。兵庫県庁ワーク・ライフ・バランス取組宣言を平成29年4月に行い、働き方改革推進委員会を設置して、全庁をあげて取り組んでいる。平成30年度実績では1ヶ月の職員一人あたりの平均超勤時間について、目標としていた平成28年度実績からの10%削減を達成している。全体としては、超過勤務の縮減は着実に進んでいる。引き続き目標を設定し、事務の効率化をAIやRPAなどのICT技術を活用して進めることにより、超過勤務縮減に取り組んでいく。
一方、職員一人ひとりの実績を見た場合、特定の部署で過大な超過勤務が発生している。ご指摘のとおりであり、職員の健康管理の観点からも解決すべき課題であると認識している。そのため、平均超勤時間の縮減目標に加え、令和2年度までには360時間を超える職員数を平成29年度の50%以下とする新たな目標も設定して取り組んでいる。平成29年度の実績では約500名が360時間を超えていた。
ご指摘の超勤時間上位10人は、県民の安全安心を守るための災害対応に従事した職員がほとんどである。災害等が発生した場合においても、①部局を超えた応援、②年度途中の人員の再配置、③OB等外部人材の活用、④アウトソーシングなどにより、可能な限り過大な超過勤務が生じないよう努めていく。
新時代を切り拓く県政推進の原動力は、なにしろ職員の方々の働きである。県庁の働き方改革を着実に進め、職責が果たされるよう、長時間労働の是正に今後も取り組んでいきたい。

【竹内再質問】
 先ほど360時間の上限についての話があったが、720時間について触れられなかった。720時間というのは、民間で言えばこれから違法になる。これによって、中小企業の方々が困っているという話も聞く。
 災害対応等の場合は仕方がないということだが、超過勤務に関する規則において、「知事及び部局長は、職員の超過勤務の状況を踏まえ、その縮減のために必要な対策を行うものとする。」となっており、規則上は、最終的には部局長だけではなく知事の責任にもなっている。
 今の残業のシステムでは、所属長の命令がないとできないため、720時間を超える場合には残業させないこともできる。720時間を超えないことについて、再質問する。

[井戸知事再答弁]
 先ほど申し上げた上位10人は720時間を超えている。
ご指摘のように、720時間は、民間会社では許されない超過勤務時間になるため、我々としても720時間を上限として運用していくことを基本姿勢としていきたいと考えている。
 一番問題なのは、私の運転員である。これが少し大変だが、私の働き方改革もしっかりやっていかないといけないと考えている。

7 「兵庫県行財政運営方針」への大規模事業の反映について

 兵庫県の行財政についての中期的な方針「兵庫県行財政運営方針」は県議会での議決を経て定められ、2019年度~2028 年度の10 年間の財政フレームなどを定めています。また、3年ごとを目途に見直しを行うこととしています。
一方、知事は先月行われた自身の後援団体 新生兵庫 講演会での県政報告の最後に、県の財政について「震災関連県債が約3,600億円まだ残っている。行革期間内に発行した資金手当債も約2,900億円ある。これから10年も財政を再建しながら県庁舎の建替えや三宮再開発への協力などをしていく」と述べていました。
また過去の兵庫ジャーナルのインタビューでも知事は県庁周辺再編整備について「整備費用は約600億円を見込んでおり、現在約180億円の県有施設等整備基金があるので、着工までに半分は基金を積んで対応したい、残る300億は30年償還で毎年10億円の負担、これに耐えられる体質を5年で作る」と語っています。
昨年8月に開催された「行財政構造改革調査特別委員会」で私は財政フレームに県庁建て替え費用が捕捉されてないと指摘しましたが、当時の担当局長は「今後庁舎整備の事業費が仮に追加となった場合においても、このフロー指標の財政運営の目標というのは、変更するというようなことはない」「後はその中で、どう庁舎整備の財源を確保していくかということになる」「今のフロー指標の上限を超えないので、そのもとで適切に財政運営を行えば、今後10年間では必ずストック指標をはじめ、県債残高は確実に減っていくと見込んでいる」と答弁され、ある意味では既存の財政指標目標の枠内でこれらの追加の行政需要に対応するとのことでありました。
しかし、さらに神戸市市街地再開発事業への県補助金という新たな財政負担が持ち上がっています。これは、先月11日に開催された県公共事業等審査会において「新規着手妥当」と判断された「神戸三宮雲井通5丁目地区 市街地再開発事業」のことで、事業主体の負担に加えて、国県市の補助金による負担が必要との話であります。これは最大でどのくらいの県負担が予想されるのでしょうか。
県庁建て替えによる大きな負担に加えて、さらにこうした追加負担が加わる。県庁建替え前に300億円の基金がまず確保できるのか。今後の財政指標の改善は本当に目標とおり見込めるのか。
また、これら桁違いに大きなプロジェクトについては財政フレームに別途その費用や償還計画などを明記するなどしてその財源等を明確にさせておく必要があるのではないかと思うがどうか。

[井戸知事答弁]
 行財政運営方針で示した財政フレームにおける投資的経費は、毎年度の地方財政計画の水準を基本に、10年間の計画期間内の通常事業費の投資水準を定めているものです。補助事業と単独事業それぞれ別に枠設定をいたしております。これに加えて、別枠として防災減災対策や長寿命化対策など、本県の喫緊の課題に対しまして、財源が別途確保されているという事業を中心に別枠として整理しております。いずれにおきましても、現時点で事業計画等で把握可能な事業について織り込んでおります。
 ご指摘の神戸三宮雲井通5丁目地区市街地再開発事業、いわゆる三宮再開発事業でありますが、令和元~8年度の間に総額約78億円の県負担が見込まれております。これは事業費ベースでは156億円で国庫が1/2ということでありますので、補助事業の枠でカウントされるべきものでありますが、現在の事業計画や事業規模を踏まえますと、十分通常事業費の枠の中で対応できると考えています。現在の投資の補助事業の通常事業分は1,020億円の事業費ベースであります。
 一方、県庁舎の再整備でありますけれども、現在、県庁舎等再整備基本計画検討委員会から、新庁舎の機能や周辺地域の整備方針についてご検討いただいております。その検討を踏まえながら基本計画の策定作業を進めることになります。基本計画にあわせて、ご指摘いただきましたように、5年間ほどの間に基金を120億積み増しをする必要がありますが、基金の積み増しなどについては財政フレームにどのように反映させるか検討させていただきたいと考えています。庁舎の建設事業そのものは単独事業になるわけでありますけれども、投資の通常の事業の枠には絶対にはまりません。建設期間が3年ほどであるわけですから、その分だけ特別な枠を設定して、やらない限りできるものではありません。そのような意味で別枠として整理するしかない、このように考えていますが、十分フレームの検討にあたって検討を加えた上で、ご説明なりご理解をいただくようにしたいと考えております。
 これからも厳しい財政事情が続きますので、基金の積み上げにあたりましても、基金の積み上げが優先するのではなくて、財政運営の収支均衡が確保されるという枠の中でしっかりと積み上げていき、行財政運営方針で定めたフロー・ストック両面での財政運営の目標につきましては、十分にその枠の中で着実に取り組んでいけるものと考えているものでございます。不確定な要素もないわけではありませんので、これからしっかりとご指摘の点も含めて検討してまいります。

【竹内コメント】
局長の答弁は上書きされましたね。雲井通の事業について、今総事業費が1,000億ですが、これは仮の数値であって、この数字を元にそのうち400億が補助だと。その内訳で県負担が78億円という答弁が今あったんですが、まだ決まっていないと報道されました。なぜならば、神戸市からもっと県に出してほしいという意見があると。しかし、神戸市の財政状況は着実に改善しています。実質公債費比率、将来負担比率においては政令指定都市の中でもより良好な状況にあります。神戸市の将来負担比率は71%、本県は339.2%ですから、明らかにですね、ない袖は振れないということが基本の県の財政運営をしていただきたいと最後に要望を申し上げて質問を終わらせていただきます。