神戸の県庁。県議会総務常任委員会の管内調査(淡路)。


南あわじ市にある大鳴門橋記念館。世界遺産認定に向けた取組についての調査。

ビデオによる説明やノルウェー視察の状況などについて説明を受ける。大鳴門橋の向かいにある徳島県も世界遺産に向け取り組んでいるようだ。兵庫県は自然遺産、徳島県は文化遺産という視点で協力して将来的な世界遺産認定に向けた調査研究を行っているという。

私は、ユネスコのヘリテージ委員会による世界遺産の認定を受けるため前にまずは国の推薦を受け暫定リストに入らなければならない。ということで自然遺産の方向性を考えている場合を前提にして、国の環境省の現在の姿勢、関係等について質問。


現在の日本の20の世界遺産。富士山が自然遺産としては登録されず、文化遺産として登録されていることはあまり知られていないという。

うず潮発生のメカニズムを解説するための模型


庭から大鳴門橋を望む


その後、洲本市にある淡路県民局。

高見県民局長の挨拶

管内概要等について説明を受けた後、質疑応答。

人口減少がかなり進んでいる。一方、分娩の受入体制まで脆弱になっているとの指摘もあった。

高齢化率も県下で一番進んでいる。

個人県民税の状況
私からは県税事務所の個人県民税の徴収状況。特に県下の自治体の中でもワーストクラスの南あわじ市、洲本市の徴収歩合の状況について質問。零細事業者が多い、高齢化率が高いからと言って徴収歩合が低いということを放置しておくわけにはいかない。課税や徴収は公平でなければ制度の信用を失う。徴収率を全国平均程度の目標を掲げている本県。市町おまかせでもいけない。

その後、淡路市黒崎地区にある五斗長まちづくり協議会。地域再生大作戦事業についての調査。



遺跡を活用して、地域の活性化をはかろうとした取組である。

具体的には観光農園の開設、農業イベントによる都市住民との交流促進、たまねき祭り、遺跡祭りの開催、拠点施設の整備などである。結果として今年2月「まちづくり大賞」総務大臣表彰を受けた。





その後、遺跡そのものについても説明を受ける。

実地見学

復元された工房内

2008年の台風23号の被害を受けた五斗長(ごっさ)地区。復興事業で水田のほ場整備をする予定だったが事前の史跡調査で1世紀の弥生時代に鉄の加工がここで行われていたことが明らかになった。近畿では類を見ないということで国の史跡「五斗長垣内(かいと)遺跡」に指定された。卑弥呼の誕生する100年ほど前の話である。

当時の日本には鉄をつくる技術がなく(国内で砂鉄から製鉄を始めたのは奈良時代)、朝鮮半島から不純物の入った鉄てい(延べ板)を輸入し、こちらの工房で精錬し、矢じりや農工具などを作成したと見られる。

他に生活場所を示すような住居等の遺跡はなく、工房だけで職人集団が集まっていた可能性があること、創業から約100年後、こちらの施設は卑弥呼の時代を前に忽然と消えたことも発掘でわかっている。理由は不明という。

朝鮮半島から船で豊岡、円山川、市川を南下して、船で鉄ていをここに運んだのではという説(『古代史の謎は「海路」で解ける: 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す』 長野正孝著)もあるなど興味深い。なぜ淡路、しかも海から離れ、標高200メートルと高いところにあったのか、しかも卑弥呼の時代前には忽然となくなる。『後漢書』東夷伝の倭国大乱との関係など興味深い。