神戸の県庁。総務常任委員会の管内調査(但馬・丹波)。養父市八鹿町八木地区。八木城跡まちづくり会の地域再生大作戦の歩みについての調査。大学等との連携による地域創生拠点形成支援事業を行っている。質疑応答も。
その後、同じく養父市の大屋町明延地区。日本遺産に認定された銀の馬車・鉱石の道のうちの『鉱石の道プロジェクト』について調査。
明延区の小林区長さんから取り組みについて説明を受ける。明延鉱山自体は1987年に閉山となった。奈良時代は銅、明治に入って錫を中心に取り出され、ピーク時の昭和30年代には約4千人の人口があったという。現在は約70人。月一回、鉱石や人員を運んだ一円電車を復活させるなどして交流人口を増やそうとしている。今年に入って2万9千人の観光客が訪れており、夏休みに3万人を超える見通し。旧坑道の見学もあり、昨年は約6千人が参加したという。課題は一円電車を運転しているのが各地から集まって下さるボランティアの方でなんとか交通費くらいは支給したいという。意見交換の中で、私からは銀の馬車道事業との具体的な連携について質問。
その後、同じく養父市大屋町の兵庫ナカバヤシ(株)。特区活用による農業参入の調査、具体的にはニンニク産地化プロジェクト。同社はフエルアルバムで有名なナカバヤシ(株)の100%子会社。
兵庫ナカバヤシの小谷社長から説明を受ける。
サッカーJリーグ、セレッソ大阪のスポンサーをしている関係でヤンマー(株)とご縁があり、農業参入を勧められたことが参入の経緯。ニンニクは輸入が多く、国産は価格が高騰しており、養父市の気候から栽培に適しているとのアドバイスも同社から受けた。
兵庫ナカバヤシは合冊製本(後に説明)を中心に(古文書の修復等も)に特化した会社。明延鉱山が閉山するとの話が広まる中、1973年、雇用対策として旧大屋町から誘致を受け進出。事業は約80%が大学図書館の資料の合冊であり、近年の電子化の流れで業務量が減少してきており(ピーク時年180万冊→昨年度42万冊)、しかも大学の休み期間に発注が多く入る繁忙期を迎える一方、他の期間は仕事が減る閑散期があり、これが毎年同じ状況だった。ニンニクの生産周期がこれと全く逆で、繁忙期と閑散期が丁度、下図のようになっており、人員を融通することができるという。
意見交換の中で特区制度が曲がり角を迎えていることなどの指摘も受けた。
番外編
合冊の製本行程
こんな専門の工場があるとは、恐れ入りました。大変勉強になりました。