文教常任委員会の管外調査2日目。恵庭市へ。


恵庭市役所。「通学学習」によるまちづくり、市民と行政の協働による評価を軸にした生涯学習基本計画についての調査。


恵庭市議会の長谷文子副議長によるご挨拶並びに事業の説明のあと、恵庭市教育委員会社会教育課の渡部課長、中村社会教育主事らから説明を受ける。


通学学習とは小学生が3泊4日等の日程で研修センターや公民館などの市内の施設に集団宿泊し、そこから学校に通うのだが、食事や空き時間の行事などを地域住民の方々が企画・実施運営の全てを行う取り組み。朝のラジオ体操から朝晩の食事作り、学校後のイベントや他の家庭へのお風呂借りなど様々な内容がある。


2003年に地域住民の発案でスタート。現在でも行政主導ではなく、市の予算も宿泊施設の借り上げ料を補助している程度という。子どもの参加費は2〜3千円程度。お米などは別に持参するという。

食事づくりは共通しているが、他のイベントは、踊りやおもちゃ製作など各地域によって違う。


通学学習が終わって家に帰ってきた子どもたちはいの一番にご飯作ってくれてありがとうと言うという。「口は出しても、手は出さない」を基本に大人が見守りながら子どもが全てやる。食事づくりが大変なことに気づき、親のありがたさを実感するそうだ。様々な経験のできる子どものメリットは当然として、上表のように大人側にもメリットが大きいという。

私からは現在、市内各地に広まり、多くの校区で行われているが、未実施の校区があることからこれだけの良い事業なのだから未実施地域の解消に向けての行政のバックアップが必要ではないかとの意見とその対応について質問。地域の自主的な行事だが地域への愛着など行政としてのメリットも大きい。

その後、函館市総合福祉センター。

当センターの貸会議室を借りて夜間中学を実施している函館遠友塾。兵庫県には神戸市立2つ、尼崎市立1つの公立の3夜間中学校があり、学校教育法上の中学校だが、こちらは民間の自主的な夜間中学。


当塾は2009年4月に現在の今西代表が札幌から函館に転勤となった時に設立され、9年目。それまで今西代表は28年前に札幌で遠友塾を設立して運営してきた(現在もある)。函館から札幌の夜間中学にバスで通っている人がいたので函館でもニーズがあると思って立ち上げた。初年度45人の人が入塾。

不登校生徒向けの学校ではなく学び直しのための学校。当初は戦争の影響で学べなかった世代が多かったが近年団塊の世代が増えている。9割は高校も卒業している。女性が9割。勉強を通じて友達をつくったり、夫に先立たれて時間がある人も。卒業してもまた聴講生として何度も入塾する人も多い。

北海道には夜間中学が函館、札幌のほか、旭川、釧路の4つある。各校から代表が集まり公立の夜間中学を作る会を作っている。一方、自分(今西代表)としては公立と私立の役割は違うと思っており、行政の補助金とかは要請していない。

実際の教室を見学

授業風景資料

今西代表は昨年教員を定年退職するまで学校勤務後にボランティアで活動してきたという。頭が下がる。