ワシントン州オリンピア市からバスでオレゴン州ポートランド市へ。

オレゴン州には消費税はない。ポートランド市は全米でも人気の都市。一方で地価は高く、固定資産税は高いという。消費税がないため近隣州から買物に来る人も多いそうで、ワシントン州からiPadを買いに来たことがあるというスタッフもいた。

現地の随行ガイドさんにここで「竹内さんですよね?」と話しかけられてびっくり!!私の親戚家族と仲良くしていると。親戚がもし私が来たらと名前を教えていたそうです。こんなところでとあまりに驚いて鳥肌が立ちました!!


ポートランド州立大学へ。




キャンパス内の広場で行われているファーマーズマーケット。ファーマーズマーケットとは農業生産者ら本人が出店して販売する市場のこと。


運営マネージャーの方から説明を受け、質疑応答。

ここは大学の休みである土日にファーマーズマーケットが開催されている(ちなみに今日は土曜)。平均すると1日15,000人が訪れている。州内の最大のファーマーズマーケットで、全米でも6位になったことがある。新鮮で良いものを扱っているというイメージが定着し、お客さんが来てくれている。

出店許可基準は独自で定めているが、生産者には出来るだけ競合しないよう出店してもらっている。出店基準は他にもある。例えば、生鮮野菜以外のソーセージなどの加工品を売る場合、オレゴン州産の肉を25%以上使わないといけない25%ルールなど。

出店料の基本は一日テント1つ面積10×10フィート(約3メートル四方)で50〜60ドル。あと売上の10%を受け取っている。路上パフォーマーもたくさんいるが許可制ではあるが出店料はない。チップを集めてもよく、それをうちに納める必要はない。ただし、同じ場所では1時間しかパフォーマンスができないというルールはある(実際結構多くのチップが入ってましたね)。

低所得者層向けの連邦政府発行のフードスタンプ(クーポン、10ドル)も使える。使ってくれるとまた今度ここで使える割引券を発行する低所得者支援策も行っている。

オレゴン州では「農場から学校へ」という制度が出来た。これは州内の生産者が作った野菜や肉などを市場などを通さず直接学校に納品し給食に使う制度のことで助成金も出ている。

その後、会場を案内してもらう。





日本人出店者も。神戸出身とか。現地でも有名なスイーツのお店だそうです。

認定機関ごとに異なる有機野菜の認証マークについて説明してもらう




地球環境を考えてゴミの分別を徹底しているという説明も。

パフォーマー

会場内には移動式ATMも!。係員も誰もいません。 アメリカでもここは安全なんでしょう。

最後に播州織の扇子を御礼に。喜んで頂きました。

その後、同市内のChef Naoko。日本人女性がオーナーシェフとして切り盛りする和食のお店。

新しい国立競技場をデザインした隈研吾さんのデザインという内装。


ファーマーズマーケットで仕入れたという新鮮野菜や塩麹などを使った健康になりそうなメニュー。食事は自弁ですが和食食べたい人が多いこと。

Naokoさん。デルタ航空の成田便の和食はこのお店でつくっているそうです。


ポートランドにほど近いビバートンにある宇和島屋で現在、札幌フードフェアが行われているとのこと。札幌市の副市長がプロモーションのため来られているそうです。私が知らないだけで世界でも自治体は色んな取り組みを行っていますね。

その後、ポートランド市内のポートランド日本庭園へ。有料の整備された公園施設。
受付


本部施設
この建物も隈研吾さんがデザインしたという。


庭園の運営財団や整備経緯、今後の取り組みについて、N企画部長から説明を受ける。ヘッドハンティングを受けて今年東京から赴任されたばかりという。


ポートランド日本庭園は1963年の札幌市とポートランド市の姉妹都市提携を契機に友好の話が市民側から出て、庭園築造計画が持ち上がる。そこで財団をつくって山裾で運営をやめていた動物園跡があるということでここを日本庭園にすることにし、東京農業大学の戸野教授を招き、設計してもらった。開園は4年後1967年。約20000㎡の土地に地泉回遊式庭園や茶庭、石庭など5つの庭を設けた。昨年、新たに3つの庭を設けた。

13年前に就任した現CEOスティーブ・ブルームが就任してからは様々な改革をすすめ、訪問客が増え、昨年は有料入場者数で45万人を超え、今年も増えている。近年は他の日本庭園との交流や日本文化との交流イベントなどを増やしている。財団を応援してくれているメンバーも3000人から17000人にた。寄付金も40億円集まったので石垣や庭の整備に投資した。庭園を案内する登録ボランティアも200人いる。日本文化・技術主監は内山貞文。運営は非営利の財団法人である。

その後、ボランティアガイドさんに庭園を案内してもらう。なんと、以前に神戸市立六甲アイランド高校で英語を教えていたこともあるという。



創設時に設計した戸野教授が接ぎ木で枝を増やしたという珍しい松


ししおどし(鹿威し)

錦鯉のいる池

動物園時代の鶴と亀の石像も池の中に使われているという池

アジサイ

札幌市から贈られた塔


お酒のお猪口と徳利のイメージした庭

龍安寺の石庭(枯山水)を模したという庭

一年間の日本のテーマを決めて展示しているスペース。今年は京都。5年先までテーマが決まっているそうで松本議長が6年後以降の兵庫を提案していた。

富士山のように見えるアラバマ州の山マウントフッド(オレゴン富士と言われる3000メートル級の山)も見える


盆栽展示

寄付金を募って整備した石垣。まだ拡充する予定という。石垣研究については姫路市の城郭研究センターの存在を教えておく。

その後、Forest Grove市にある日本酒製造会社SAKE ONE。兵庫県に本社のある白鶴酒造の子会社となっている。



現地社長から説明を受ける。オレゴン州はワインで有名な州になっている。私は昔からワイン会社で働いてきたが、10年前この会社に来た。SAKEは熱燗のイメージしかなくあまり知られていなかったが当社がオレゴンで拡めた。

1992年に日本酒の取扱を始めた。日本の青森県の桃川酒造とのジョイントベンチャーという形で1998年に日本酒の製造を開始した。宝酒造がアメリカ、カリフォルニアで最初に日本酒つくったのたが、その日本人杜氏に来てもらって製造を始めた。順調に販売は拡大しており、30周年を迎えた。2014年には白鶴の子会社になった。

蔵や酒造りについては創業時のスタッフで現在日本酒の販売会社を経営しているマーカスさんから説明を受ける。
日本語ペラペラです。


蔵には昔の日本の酒造りを書いた絵が

米は特別に作ってもらっているカリフォルニア米を使っている。麹は日本から輸入している。

麹菌をつけた米を寝かせる。日本から取り寄せたという杉壁の部屋。

麹についての英語説明


左の帽子をかぶっている人が杜氏というか想像者という。

この蔵では一年中お酒をつくっている。販売先はアメリカとカナダ。一部メキシコにも。

モモカワブランドでの販売も

国際酒会で銀賞受賞

直売所の商品

純米吟醸


ラベル。このお酒は最後にココナッツとレモングラスを加えアメリカ人向けにアレンジしたものですね。

直売所にて。日本が好きで単身日本に行き能登半島で働きながら日本語を覚えたというマーカスさん。実は昨日のワシントン州の式典でも挨拶に立ってました。

日本の神社の御札も貼ってありました。

その後、ポートランドに戻る。最後の夜はポートランド総領事夫妻、ポートランド日本人会兵庫県人会との懇親交流会。


司会は県ワシントン州事務所の雑賀マネージャー

在ポートランド領事事務所の寺岡総領事のご挨拶

松本団長の挨拶


神戸生まれの篠原会長による乾杯のご発声!神戸市の弓削牧場の経営者一族とのこと。お隣のご主人が今日訪問した日本庭園で働いている庭師の方でした。

経済産業省から研修生としてオレゴン州立大に派遣されている岡田さん。なんと私の高校の後輩で姫路市香寺町出身でした。これまた狭い。

私の席の前は姫路魚町の英会話学校さくらと坂田町のエミティで働いていたとご縁で知り合ったという姫路に縁のあるご夫妻でした。

ご家族も参加。兵庫県の名だたる日本企業の顧問弁護士をして50人規模の法律事務所を経営している旦那さんも。

100年前に加西市から移民として入植した3世のナイトウさん。ポートランド空港内でお土産屋さんを経営しているとのこと。

閉会の挨拶は県議団副団長で年長の永田県議。20代の頃3年間ロサンゼルスに留学していたということで英語が上手い。

最後は記念撮影。皆さんに懐かしい話をすることができて喜んでおられた様子でした。ありがとうございました。