ワシントン州の州兵基地、タコマ市にあるキャンプ・マレーへ。アメリカには連邦軍とは別に州の州兵制度がある。陸軍と空軍が存在する。


マグニチュード9.0の地震でも倒壊しないという本部建物

The top of the state Military Department’s Emergency Management Division(EMD) , Robert Ezelle、災害対策部門のトップ、ロバート・エジル氏からワシントン州の災害対策について説明を受ける。


全米行政学会エバーグリーン支部の役員の方も特別に同席。

以下、質疑応答の内容も含めてまとめる。
EMDは、市などで対応が困難なレベルの災害が起こったとき、災害の被害を最小限に抑え、人民や財産、環境や経済を守ることが使命である。そのために、郡や市、連邦政府、民間やボランティア組織と連携し対応する。建築やインフラ整備部門もだ。ここはマグニチュード9.0の地震でも倒壊しない。大規模災害時には州知事が来て対策本部となる。


ワシントン州で大規模被害が予想されるのが地震だ。日本の皆さんは詳しいと思う。写真を見てもらえればわかるが、当地にはフカプレートが北アメリカプレートに潜り込む活断層があり、その長さは800マイルにもなる。

海岸から近く、津波の発生も予想される。調査によるとマグニチュード9.0クラスの地震が過去に起こっており、直近では1700年1月26日の大地震の記録がある。地震周期は300年から500年とされるので現在はいつ大きな地震が起きてもおかしくない状況である。マグニチュード9.0の地震が起きると津波被害を合わせて2万人の死亡も予想される。私は防潮堤を建設してもあまり意味がないと考えている(これについては日本側から違う意見あり)。そのため被害を想定した準備が必要だと考えている。

発生から復旧までの各段階に応じたマニュアルを策定している。州内には小さな島も多いがインフラ被害の想定も各郡ごとにしている。


やはり、大切なのは住民の準備だ(告知パンフレットも作成している。下記に写真あり)。

災害対策準備として、4つの準備がある。情報を知ること、計画を立てること、道具を揃えること、積極的に関与すること。2週間で出来る。


センター見学


上から見ると



近年ツイッターによる住民への情報提供が一般的になっているという。

空軍大佐出身で日本の自衛隊との交流で日本に何度も行ったことがあるというエジルさんと。


住民向けの告知パンフレット。現地の通訳さんは見たことがないという。ちなみに現地で地震が起こると予想している人は殆どいないという。ただ、建築基準が厳しくなったということは知っているそうだ。

やはり体験しないと分からないというのはどこの国でも同じかもしれない。
昨日、シアトル市中心部で見た、麓の細くなっているビル。日本では考えられない構造。地震で大丈夫なのだろうか。