神戸へ。神戸空港から新千歳空港。バスで帯広へ。帯広市の帯広信用金庫。


帯広信金経営コンサルティング室のS室長から「とかち・イノベーション・プログラム」について説明を受ける。




この取組は野村総研の「革新者プロジェクト」つまり、「変革イノベーションは同質のムラ社会からは生まれない」という理念に基づき、外の知を入れ混ぜ合わせて新たな発想や考えを出させ、新事業を立ち上げさせるのが目的。簡単に言うと起業支援である。

主催は帯広信金で事務局を担っている。地域に根を張る人材はフードバレーとかちの枠組みから、十勝管内19市町村から供給を受ける。他の金融機関も共催として参加する。現在3年目を迎え、下記のように具体的に事業が進んでいるものもある。


質疑応答では、野村総研からの人材派遣や事務局業務のコストに見合うリターンを得られているのかという質問のほか、起業支援に金融機関として支援する方法として融資という間接金融、出資という直接金融の考え方や実際の支援方法について私から質問。理事長がトップダウンで導入したこの取組み。地方創生の考え方のもとある意味での先行投資。これからの起業の具体化、十勝のビジネスモデルの成功の可否に要注目だ。

外の気温は16℃。私にはちょうどいい。

その後、同市内にある農業を中心に地域の活性化を目的として設立された公益財団法人とかち財団。K事務局長、S事業部長から説明を受け、質疑応答。




当財団は、ものづくり技術力の強化のための試験研究、企業からの技術相談、依頼試験、試験機器等の利用をはじめ、効果的広域的な販路拡大支援として商談会への出展、十勝ブランドの大試食会開催や認証などを行っている。

また、今年、神奈川県の起業家支援財団と合併したことにより食品関連その他の産業人材の実践的な育成にも取り組んでいる。


私からは、十勝産あずき100%の御座候(回転焼)と姫路のあずきミュージアムなど十勝と姫路の関係の話をしつつ、兵庫では農業の後継者不在や耕作放棄地の問題などマイナスの話が多いが、こちらでは実際のところどうか質問。北海道の中でも人口減少や後継者問題はあるが当地ではあまり大きな問題ではなく、他の地域から十勝の農業は元気だと言われているという。また、耕作地の大規模化が更に進み、十勝管内の農業生産額全体も近年3500億円と以前に比べて約1000億円も増えており、一軒あたりの収入も増えている。とはいえ、外国からの研修生に作業を支えられている面もあり、近年はベトナムからの研修生が増えているという。いずれにしろこの地域は農業のポテンシャルがある。気候、農業用地、大規模化、これが揃っているから市場原理の中でも農業で食べていける。これらの条件が揃わない中では違うビジネスモデルを構築しないと駄目だと言うこと。これからはアグリビジネスと言っている人もいるが、そもそも日本の土地の特性から考えればどう考えても勝ち組はそんなに多くならない。

夜、全ての行程終了後、早大鵬志会時代からのI先輩と合流し歓談。