テレビで国会中継、衆議院予算委員会の参考人質疑の中継を見る。加計学園問題に関連して柳瀬元首相秘書官(現経済産業審議官)が呼ばれている。

与党から野党、そして維新の質問であきれて見るのをやめたが、感じたことを少し明日にでも書く。

その後、Hモントレ姫路で開催の播磨政経懇話会5月例会。早稲田大学大学院教授の片山善博元鳥取県知事の講演(下に講演録)。



司会は神戸新聞社の太田姫路支社長


講演録
「私は岡山県の東にある赤磐郡瀬戸町の出身、今も本籍や実家がある(現在は岡山市に合併されている)。現在93歳の母が今も住んでいるが、買い物難民であり、イノシシやハクビシンの被害に悩まされている。母は黒田官兵衛の先祖がいたとされる備前福岡生まれ。祖母も兵庫と岡山の県境に近い三石(備前市)生まれなので、姫路や赤穂、相生にも親戚がおり、子どもの頃から赤穂の塩味饅頭を食べたし、何度も姫路にも来ている。今日、姫路駅を降り立ったが、随分良くなった、外国人観光客もおり、変わったなと感じた。

(知事をした鳥取と播磨の縁でいえば、童謡 赤とんぼで有名な)三木露風の母親は鳥取藩の家老の娘だった。露風がまだ幼い時に鳥取の実家に帰った。赤とんぼの歌を聞くとどこか物悲しいと感じる(のは幼い頃に母がいなくなった背景があるのかもしれない)。また、(神崎郡)神河町の福本(藩)は鳥取藩の支藩だった。廃藩置県で兵庫県になった。但馬地域の人は昔から鳥取と交流があるが、浜坂などから鳥取の学校に通った人もおり、兵庫県庁には鳥取西高出身者の会※1があり、震災の際には兵庫県と連携ができた。昔から国道29号線、姫路鳥取線を通じて交流もある。鳥取や岡山、兵庫はこれからも連携していかなければならない。
※1浜坂町出身のA副知事も同高出身(竹内注)


安倍内閣が地方創生に取り組んでいる。2014年に増田寛也さんらの日本創生会議が市町村ごとの将来人口予測を出した。2040年代には消滅可能性自治体が数多く出る、その自治体名を具体的に公表したことで、名前の出た自治体関係者は浮足立った。色んな対策はこれまでも打たれてきたが効果があがっていない。

地域振興のための『プレミアム商品券』を使ったことがある方いますか?国による財源の一部負担があったものの外需につなったり外部からお金が入ってくる訳ではなかった。だからあまり効果が出なかった。

『ふるさと納税』。例えば姫路市民の方が10万円を宮崎県の都城市に寄附して宮崎牛を3万円分もらう。山形県の天童のさくらんぼでもいい。姫路市は9万8千円減収になる。個人負担の2千円で食べきれないほどの3万円分の肉がもらえる。片山はふるさと納税の悪口ばかり言う、地域振興になっていると反論する人もいる。私は制度を利用する人が悪いと言っているのではない。これは『戦争特需』みたいなもので、戦争、すなわち、ふるさと納税がなくなったらその需要はなくなると考えている。つまり、安いからニーズがあるに過ぎない。半額でも安いのにそれ以下。ある意味でのダンピングだ。一日でも早くやめるべきだと思うが、これだけ広がるとやめられなくなっている。ふるさと納税のための設備投資を行っているところもあるくらいだ…。

なぜ地方のことがわからない人が増えたのか。官僚や政治家に東京を中心とした都市部出身者が大きく増えた。私も自治省出身だが私が入省した頃はまだ地方出身者が結構いた。今や東京一局集中で地方出身者が減っている。

政治家。一票の格差の関係で都市部の議席比率が増えた。参院では鳥取県選挙区が隣の島根県と合区となった。本来参院は都道府県代表だと思う。安倍内閣。安倍総理は選挙区こそ山口県だが、東京生まれの東京育ち。麻生副総理も福岡県、岸田前外相も広島県が選挙区だが、実際は東京育ち。河野外相も神奈川県。政治家も2世3世が増えて地方で育っていない。民主党政権でも野田元総理は東京に近い千葉の船橋。都会育ちに地方のことはわからない。

47都道府県の中で鳥取県には唯一スターバックスがなかった。初出店の際には大きく報道され、オープンには千人もの客が並んだと聞いた。スターバックスは地元資本の企業ではない。鳥取県では境港に澤井珈琲という地域で有名なコーヒー、食品会社がある。どちらが地元にお金が落ちるのか。スターバックスではお金が吸収されるだけではないのか。私はスターバックスが嫌いではない(笑)。

図書館行政について。行革の観点で、図書館運営を民間委託とする自治体が増えた。公募すると東京の業者が引き受ける。図書館司書は時給850円で募集すると。その待遇で(常勤雇用のような)優秀な人が集まるのか。また、公立図書館時代は地元の書店で本を購入していた。東京の業者は地元の書店を使わない。東京に吸収される。

いま姫路が元気という話がある。福岡や仙台、金沢など(地方の拠点都市)も人口が増えて元気だと聞く。実際は全体では人口は減っており、周辺から引きつけているだけ。(拠点都市)周辺がガタガタになっている。山は裾野があって成り立っている。裾野がガタガタで山が安定して成り立つのか。周辺が衰退すれば一蓮托生(いずれ衰退する)。我さえよければいいという考えは間違っている。(一部意訳・文責:竹内)。



私は2004年、片山さんが鳥取県知事時代に全国の地方議員らを対象に鳥取県で開催した『鳥取自立塾』に入塾したことがあります。単なる評論だけでなく政治の現場に理念を持って入り、実践されたことが素晴らしい。私も気合が入りました。

WEB版ひであき日記 2004年07月31日(土) 
鳥取県片山知事の自立塾へ入塾!!

その後、事務所へ。来客対応など。その後、作業。遅くまで。