市民会館。郷土の哲学者 和辻哲郎先生を顕彰する目的で創設された和辻哲郎文化賞の第30回授与式。選考されるのが哲学者の山折哲雄、梅原猛、阿刀田高先生をはじめ著名な方々で非常に権威のある賞。


主催者側。有名な藤原文学館長の姿も

受賞されたのは一般部門は、私も高校時代からその著作等でよく読ませて頂いた歴史学者の保阪正康さん。学術部門は、東京大学大学院准教授の竹峰義和さん。

一般部門の講評を述べる山折哲夫先生

受賞者の経歴など

現代史の保阪先生

東大院准教授の竹峰さん。

実は、竹峰さんは私の大学時代の学部も学科も同じ同級生なんです。私は真面目な学生ではなかったので直接当時の接点はありませんが、授賞式が終わったあと直接お祝いに行き話をしました。

竹峰さんは同じ政治学科の西洋哲学の仲内教授のゼミに所属していたそうです。テレビなどでも有名な國分さんとは早実時代からゼミまで同級生とのこと。私は地方自治の佐藤俊一教授(元東洋大副学長)のゼミだったのでこちらでも直接的な縁はありませんが、この賞を私と同じ年の人が受賞するということには大変驚きました。

式典の最後に和辻家を代表して哲郎先生の曾孫の和辻龍さん(東京在住の高校数学教員とのこと)がお話をされました。哲郎先生が生前使っていた家紋入りの手拭いや姫路皮の筆箱などを披露されるとともにその思いを語られました。

和辻先生は姫路市仁豊野生まれ、砥堀尋常小学校、城東高等小学校、姫路中学、第一高等学校、東京帝国大学と歩まれ、哲学者として文化勲章を受けられた郷土の偉大な大先輩です。改めてそうした偉人の歩みを確かめることができました。



そして、記念講演はハーバード大出身で東大大学院の教授も務めていたロバート・キャンベルさん。

和辻先生と夏目漱石さんの関係、欧米にない江戸期からの日本独自の文化としての『苦と楽』の関係などの講演でした。語り口はやわらかいですが、その優秀な日本文化研究者たること、大変素晴らしいと改めて思いました。