神戸の県庁。県議会一般質問。今年2度目の一般質問となる。昨日の通告に基づき5項目6問について一問一答方式で行う(下に質問内容と答弁)。









一問一答のため二問目からは対面式質問席から質問。

終了後、傍聴に来てくれていたMくんと意見交換。ネットで質問することを知ったという。関係者からよくマニアックな質問と言われることもあり(苦笑)、特に告知をしたり傍聴募集をしたりしていないので、驚く。いずれにしろありがたいこと。

※下記の質問内容は現場あわせで変更している箇所が多数あるほか、再質問やコメントなどを行っておりますのが未記載となっております。また答弁内容も今後の情報提供を待って記載しますのでご了承願います。
                    
1 投票所の減少傾向について        (選挙管理委員会)
人口減少社会を迎え、過疎地などでは人口の50%以上が65歳以上という限界集落も増加しつつあり、人口推計から消滅自治体リストなども示されている。一方、少子化も進み、小学校の統廃合などで、それまで投票所として活用されていた小学校が廃止される事例も出ている。
選挙の投票所数(投票区)は、昭和44年の自治省選挙部長による「投票区の増設」通知に基づき、一定の基準が定められている。
投票所から選挙人の住所までの道程が3Km以上ある地区を含む投票区にあっては、当該投票区の分割、再編成等の措置により遠距離区域の解消に努めること、など3基準がある。
この夏の参議院選挙から、それまで町内に37箇所あった当日投票所を一気に19減らして18箇所にした佐用町の取り組みを調べてみると、削減の理由は、「高齢化や人口減少などで、投票管理者や投票立会人の確保が困難な投票区があること。期日前投票制度の浸透により、投票日に投票する有権者が減少するなど、投票の変化への対応が必要であること。また、国政、県政における選挙執行の国県交付金の減少や町職員数の減少に伴う投開票事務従事者の確保が困難」などがあげられており、合併後の佐用町域全体のバランスや投票管理の合理化及び経費の削減を目的に見直されている。また、この見直しにより投票所まで遠距離(概ね5km以上)となる地域は、交通手段のない有権者を対象に、無料送迎バスの運行を実施している。
近年、高齢者や認知症が疑われる悲惨な自動車事故の顕在化等によって運転免許の返上も増えており、徒歩圏に投票所がない高齢者が更に増えることが容易に想像できる。島根県浜田市では、全国で初めて、この夏の参院選から山間部にワゴン車を巡回させ、車内で期日前投票を実施した。移動投票所である。これはオーストラリアのような国土が広い国では一般的に行われている。
選挙参加は、国民の権利であり、義務でもある。投票者の利便性確保は、民主主義の基本中の基本である。
そこで、県内の(当日)投票所はピーク時に比べてどのくらい減少しているのか。また、有権者の投票利便性を確保するため、市町選挙管理委員会に対してどのようなことを具体的に要請しているのか、県独自の支援施策があればあわせて伺う。

(答弁者)立石 幸雄 選挙管理委員会委員長

 

(立石委員長)

 投票所の設置は、公職選挙法上、市区町選挙管理委員会におきまして、一投票所当たりの有権者数や地勢その他の事情を踏まえ決定されます。

 本県における投票所数は、本年の参議院議員通常選挙では1,865箇所で、増設した市町もあるものの、ピークだった平成16年の2,120箇所から255箇所減少しております。投票所数の減少は、一部の府県を除き、全国的な傾向であります。ちなみに申し上げますと、平成16年には全国で53,290箇所ございました。それが本年の参議院選挙の時には、47,905箇所となっております。全国的には5,385の減少をいたしたわけであります。

 その要因といたしましては、議員ご指摘の佐用町では、有権者数が17名の投票所があり、その中から投票立会人を選任することが困難となっておりました。人口減少等により従来の投票所を維持することが困難となったこと、合併から一定年数が経過し、地域バランスに配慮した投票所の再編を行う必要があった等、各市町において、地域の諸事情を考慮して投票所の見直しが行われたものであり、こうした背景から投票所が減少傾向にあることはやむを得ないと考えております。

 一方で、投票の権利は民主主義の基礎的な部分であり、選挙人の投票機会は確保されなければなりません。このため、当委員会では、市区町選挙管理委員会に対しまして、投票所の設定にあたっては、選挙人の投票の便宜を図るため、交通の利便や地域の特性等を十分考慮するよう助言いたしております。

 加えて、市町との研究会や各種選挙時において、送迎バスの運行等による移動困難者に対する支援や、商業施設等への期日前投票所の設置など投票環境の向上について、先進事例を情報提供し、積極的な検討を依頼しております。今後とも、選挙人が投票しやすい環境づくりを市区町選挙管理委員会とともに努めて参りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。



2 少子社会における県立高校の適正規模について   (教 委)
2017年の公立高校入試にかかる募集定員について、中播磨・西播磨地域全体で構成する「第四学区」の定員が4校4クラス160人の削減となることが公表された。
削減されるのは、県立姫路別所高校、姫路飾西高校、香寺高校、姫路市立姫路高校の4校で、学区再編前の区分で言うと、旧西播学区ではなく、全てが旧姫路・福崎学区に属していることに違和感を感じた。
そもそも学区統合の際には、中学校の卒業生が減少すること、都市部へ生徒が流出することが想定できたはずである。交通利便性の低い学校に対しては、魅力の高い、また特色のある学校でなければ都市部からの流入は簡単には見込めない。
一方、実情を調べてみると、交通アクセスの悪い学校などの中には、生徒が行きたかったからではなく、学費が私学に比べて安いからという理由で、倍率の低い、定員割れしている公立高校を狙って志願したという話も聞こえてくる。そして、入学後、交通費の補助などを望む声が出るそうである。
10月に行われた中播磨地域づくり懇話会で、私が知事に対して、高校の適正配置について質問したところ、知事は「(1学年1クラスの単学級の学校の場合)1学級が10人を割るような場合は原則として統合する」とし、「(その前提では)あと10年位は統合しなくていい、と教育委員会の予算査定の際に言っている」と言われていた。
一方、「県立高等学校教育改革第二次実施計画」における「望ましい規模と配置」でいう、すべての学年が1学級となった学校において、入学者が生徒定員の2分の1、つまり20人に満たない状態が3年間続き、その後も生徒数の増加が見込めないときには、原則として募集を停止するとなっている。
最悪、1学年10人で3学年で30人の生徒数の高校となる可能性があるが、この人数で、はたして後期中等教育、単科ごとの授業ができるかについては、専門的な観点も大切だ。
県立学校の果たす地域のシンボル的な役割は、簡単に費用対効果で割り切れないことはよく承知しているし、地域創生の方向性とも違う。
私は、まず、平成 19年度に策定され、21年度から5年間を実施期間とした「県立高等学校教育改革第二次実施計画」を見直し、真の人口減少社会に応じた県立高校の適正規模や配置についての新たな指針を策定する必要があると考える。
平成25年度に出された「県立高等学校長期構想検討委員会報告」でも、課題として「『第二次実施計画』では、普通科で6~8学級、総合学科で4学級以上、職業教育を主とする学科の単独校で3学級以上が望ましい規模としているが、少子化に伴い、10年後には兵庫県内の中学校卒業者数は約6,000人減少し、望ましい規模に満たない学校の増加が見込まれる。」と、少子化が進んで、「第二次実施計画」でいう「望ましい規模」に満たない学校の増加が見込まれることを既に指摘している。
そこで、人口減少社会に備えた高等学校の適正規模のあり方を含めた新しい高校教育のあり方を、新しい実施計画として示すべきであると考えるが、ご所見を伺う。

なお、冒頭指摘した来年の第四学区の定員削減のように、クラス数の削減余地のある旧姫路・福崎学区を減らしていくだけのような消極的誘導策では、望まない遠距離通学者が増えるだけという結末になりかねないことを付言しておく。

 

答 弁 者:高井教育長

 

県立高校の望ましい規模の考え方については、まず平成12年度から20年度までを計画期間とする高校教育改革の第一次実施計画の中で、中学校卒業者数の激減期であったことから、学校の統廃合に主眼を置き、併せて魅力づくりにも取り組みました。ついで平成21年度から25年度を計画期間とする第二次実施計画では、地域により差はありますが、県全体としては中学校卒業者数はほぼ横ばいであったことから、一部減少地域での分校の廃止と学級減等で対応しました。平成26年度以降については、10年間で中学校卒業者数約6千人の減少が見込まれますが、これに公立高校への進学実績を勘案すると約4千人公立高校を受けられる数が減るということで、40人学級で割ると約百クラスとなります。これに対して今、全日制の高校は県立・市立を合わせて151校ありますので、すでに小規模になっている学校を除いても、ほぼ1校で1クラスの減ということで対応が可能な範囲です。従ってそういった考え方から、新たな統廃合等の計画は不要であると考え、新しい計画を策定せず、当面、現行の第二次実施計画を継続するということにしました。もちろんその先には、かなりの減も見込まれますので、その時には新たな計画の策定ということも視野に置いておく必要があることは言うまでもありません。

 小規模校の在り方については、第二次実施計画以降、望ましい規模を下回っても地域が存続を求める高校については、その活性化策として、地元のご支援を頂戴しながら、都市部からも入学者が集まるような特色づくりを進めてきました。例えば、姫路の家島高校では、1級小型船舶操縦免許等の資格がとれる「海と科学」といった特色類型を置いて、全県から募集しました。また但馬の村岡高校では、スキー等のアウトドアスポーツを特色とした地域アウトドアスポーツ類型を置いて全国募集の高校にしたところ、一定の入学者数を確保するとともに、生徒が地域の人々とともに生き生きと活動する高校となっていることから、今後も、地域のニーズを十分勘案しながら、教育の質の確保・向上を前提に、多様で活力ある高校づくりに取り組んでまいります。

 なお、かねてから生徒定員は学区単位での中学校卒業者数に応じて学級数を増減してきました。きれいに40で割り切れるものではありませんので、概ねということです。第4学区の来春の募集計画ですが、第4学区全体では235人の減、そのうち旧姫路・福崎学区で243人の減、逆に旧西播学区では8人の増ということから、増加する地域で学級を減らすというのは難しいことから、旧姫路・福崎学区で4クラスの減としたところです。今後も募集定員の決定に際しては、児童生徒数の増減を基本として、通学事情なども勘案しながら適切に対応していきたいと考えています。

 

【再質問】

 ご答弁ありがとうございました。西播がまだそこまで減っていなくて今回は姫路・福崎だということですが、地域的にその基準でいきますと、西播もこれから減らしていかないといけない、当然中学校卒業者は今後も減っていくでしょう。

 今回の中で気になったのは、知事が、財政的にはコストの面で言うと10人まで面倒を見ましょうということで、新教育長制度における知事として当然教育にも関わる。しかし現実に、教育関係者が見るのは第二次実施計画であって、これには20人と書いてあります。やはりここは私は齟齬があるなと、これについては10人でもよいのか、20人でもよいのか、どちらの基準を通していくのかということは教育委員会で議論してしかるべきと思うのですが、この点はいかがですか。

 

【再答弁】井戸知事

私が発言したことで議論になっていますので、私から申し上げます。10人という数字を出したのは竹内議員からの質問だったわけでして、10人というのは基準として定まっているものではなくて、たまたま10人という数字が切りのよい数字でもあったので、その10人を割るような、そういうクラス編成は学校教育上難しいであろうという一つの例として私も取り上げました。私の経験でも、分校で複式学級にするかしないかという時には、10人を割るか割らないかは非常に大きな基準になっていましたので、その切りのよい数字でお答えしたということで、「10人」を一人歩きさせるために申し上げたつもりはございません。ただ私の真意は、一定規模のクラスが維持されるならば、それは10人か15人か、これは10年先ぐらいにまた議論しなければなりませんが、一定クラスの人員が確保されるならば、20人を下回ったからといっても、一定程度は地域の振興のために学校を維持するという基本方向を持っていきたいという意味で申し上げたつもりです。「10人」は十分議論した数字ではありませんので、念のために申し上げさせていただきました。

 

【答弁後のコメント】

知事どうもありがとうございました。「綸言汗の如し」といいますか、知事がおっしゃるようなことを私は重く受け止めてしまいますので、議論が進むように、私もいろいろ考えながら質問させていただきたいと思います。



3 ふるさと納税の返礼品制度の見直しについて   (企画県民)
地方創生の一環で、地方、ふるさとを税制面で支援しようと始まったのが「ふるさと納税」制度である。「納税」という言葉がついているが、実際には、都道府県、市区町村に納税者が「寄附」をするもので、原則として自己負担額の2,000円を除き全額が所得税・住民税の控除の対象となる。
そして、今一番話題になっているのが、寄附した自治体から届く特産物などの返礼品。ふるさと納税を増やそうと各自治体が趣向を凝らした特産品をお礼で寄附者に送るというのが慣行になってきている。
「ふるさとチョイス」というHPサイトをみると、静岡県小山町(おやま)という町の返礼品が紹介されている。1万円を寄附すると、全国のサーティワンアイスクリーム店舗で使用可能な商品券4,000分がもらえると書いてある。
1万円を寄附すると寄附の証明書がもらえ、翌年度申告することで自己負担の2,000円を除いた8,000円が住民税・所得税から控除される(戻ってくる)。
つまり、2,000円で全国で使えるアイスクリームの商品券4000円分がもらえるということ。
この商品券には有効期限もなく金券ショップで80%以上で現金化も可能である。総務省は商品券や高額の返礼品を自粛するように通知しているがおかまいなし。
小山町は、ざっくりいうと、1万円の寄附収入に対して、商品券代4000円の支出があるので差し引き6000円の収入増となる。
納税者が2000円、小山町が6000円の黒字となる一方で、本来、住民サービスの対価である住民税と国の所得税は実際に住んでいる都道府県と市町村、国の合計で8000円の赤字になることになる。

兵庫県では、平成27年の寄附受け入れが2,290万円である一方、控除額は21億5,480万円で、差し引き21億3,190万円の赤字となっている。県としては返礼品で他の自治体に対抗していない。
返礼品の中には100万円を超える高額なものが多数ある。高額所得者ほど控除額が大きくなるため、それらの人が皆ふるさと納税を選択するとなると居住地の税収減少は相当な金額となる。
税金の支払先を変更しただけでなぜ特選肉などの返礼品がもらえるのか、住民税はそもそも居住自治体の提供する住民サービスの対価や負担ではないのか、本当のふるさとに納めている人がどれだけいるのか、大半は返礼品目当てではないか。
税収全体が減る一方、行政サービスの全体量が変わらないと考えると、特産品の支出にまわった分は、行政サービスの負担者が減少したとみることができる。
返礼品制度については矛盾だらけの制度であると考えるが、ご所見を伺う。

【答弁者】 井戸知事

 

3 ふるさと納税の返礼品の見直しについて

 

1 ふるさと納税は、ふるさとを応援したいという納税者の思いを具体化するため、従来からあった寄附金に対する所得税控除に加えまして、住民税も控除対象とすることで利用しやすい制度として、平成20年度に創設されたものです。納税という名称ではありますけれども、本質は経済的な見返りを求めない寄附金であることから、過度な返礼品を贈呈することは制度の趣旨には合わないものです。

従って、ご指摘のとおり、単なる資金集めを目的に、一部の自治体において高額で、かつ換金性や資産性の高い返礼品を設けることが過熱していることにつきまして、当然見直す必要があると考えています。

 既に国において、高額の返礼品の自粛を促す通知を出していますが、本県としても、返礼品が高額なものとならないよう価格の上限を設定するなど、実効性のある対策を早急に検討するよう、国に対し申し入れています。加えて、全国知事会や県内地方六団体の提言等を通じ、同様の働きかけを行っております。

2 一方、本県のふるさと納税である「ふるさとひょうご寄附金」におきましては、従来から、返礼品ではなく、寄附者の共感と賛同を得て寄附していただけるよう、ひょうご孫ギフトプロジェクトや小児筋電義手バンクへの応援、県立学校の環境充実など、15の活用事業を明確にしています。本年度は11月末現在で過去最高額となる約1億円の寄附をいただきました。

3 今後とも、返礼品のあり方の見直しを、国に対しまして、強く要請をしていく一方、本県の「ふるさとひょうご寄附金」事業につきましては、一層目的に即して、共感が得られるよう広くPRして、ふるさと兵庫への協力をして頂けるようにしていきたいと思っています。

 



4 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院統合移転後の跡地医療の考え方について              (病院局)
 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合・移転問題については、姫路市議会の12月定例議会の中でも多くの議員から質問があったと聞いている。姫路市は、イベントゾーンと呼ばれる姫路駅東側の一等地を、統合される新県立病院に無償提供するために、製鉄記念広畑病院移転後の姫路市南西部医療の後継医療機関の誘致を条件としてあげている。製鉄記念広畑病院は姫路市南西部の救急医療の拠点であり、これが単になくなるということでは、住民の理解も得られないということだろう。
知事は、製鉄記念広畑病院の移転後の後継医療機関について、「国立病院機構姫路医療センターに移転する考えがないか打診している。年内の回答を待ち、その考えがない場合は、新たに民間医療機関の誘致も考える。」と発言されてきたが、回答があったのか、現時点での状況について伺いたい。また、併せて、今後の製鉄記念広畑病院跡地における姫路市南西部の医療確保に向けた取り組み方針についてご所見を伺う。

【答弁者】西村病院事業管理者

 

4 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院統合移転後の跡地医療の考え方について

 

【質問】

広畑病院跡地への移転を打診していた国立病院機構姫路医療センターから回答があったのか、また、今後の広畑病院跡地における姫路市南西部の医療確保に向けた取組方針について、当局の所見を伺う。

 

【答弁】

1 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合再編につきましては、まもなく基本計画案を公表し、パブリックコメントを実施しました上で、今年度中に計画を策定したいと考えております。その基本計画におきましては、整備場所は、議員ご指摘のとおりJR姫路駅東側のイベントゾーンとしておりまして、姫路市とは現県立姫路循環器病センターの敷地と同様に無償貸与をベースに調整しているところでございます。

 

2 昨年度開催してまいりました検討委員会報告書におきましても、留意事項として指摘されている通り、イベントゾーンに統合再編新病院を整備した場合、姫路市の南西部におきます地域医療提供体制の確保が必要になってまいりますため、市の医師会等を通じまして、圏域内の複数の医療機関に対しまして誘致を図ってきたところであります。

 

3 議員ご指摘の国立病院機構姫路医療センターは、世界遺産でございます姫路城に隣接し、特別史跡指定区域内に立地するため、将来の現地建替が困難であるということをうかがっております。そこで、さる9月に現製鉄記念広畑病院の敷地への移転の可能性を打診したところ、移転を希望しないとの正式な回答をこの11月にいただいたところでございます。

 

4 そのため、現在は、現広畑病院の活用に関心を示していただいている他の圏域内医療機関との間で協議を進めておりまして、統合再編新病院の整備工事着手までに後病院の確保に向けた調整を図っていきたいと考えております。



5 財政改革について
(1)最終2カ年行革プランにおける他会計間の債権債務の存在公表について
① 会計間の債権債務の存在を行革の最終2カ年を前に初めて公表する決意について           (財 政・企業庁)
② 相殺(県債管理基金積立不足拡大)に伴う実質公債費比率悪化の見通しについて               (財 政)
このほど公表された最終2カ年行革プラン企画部会案・企業庁の取り組みの中に、これまで触れられてこなかった「一般会計との貸借関係の整理」として、「一般会計が企業会計に対して事業推進のために実施してきた支援と、企業会計が一般会計に対して実施してきた資金融通等の支援について、今後、順次整理を進めていく」との記載があった。
 実は、今回の最終2カ年行革プラン企画部会案を見て、私が驚いたのは、65~69歳までの県単独高齢者医療支援の廃止と新たな制度の創設、赤字路線にかかるバス対策費補助の市町一般財源化への移行のほか、最大の驚きがこの企業庁地域整備事業と一般会計・県債管理基金との貸借関係の整理方針とその内容明示だった。
自治体の財政指標である実質公債費比率には、各会計の間で債権債務があったときにそれを相殺するといった明文化された規定はないものの、民間企業の本支店間や連結決算で、「内部取引・債権債務の相殺消去」をすることは簿記2級程度の常識であることから、実質公債費比率の算定にあたっても「外郭団体や他会計等との債権債務の相殺消去」をすることが望まれていた。
しかし、債権債務の相殺消去をすることで、県債管理基金貸付金として計上していた320億円の北摂開発事業旧住宅金融公庫債繰上償還貸付金をはじめ、会計上、一般会計、県債管理基金、企業庁の3者で行っていた3角融資のような関係が整理されることになり、県債管理基金の残高は減少することになる。
実質公債費比率の算定において債権を計算する一方、債務について控除してこなかったということ。
私は、これまでこの不計上の債務を財政フレーム外債務と呼んで、ポスト新行革プランの課題であると認識し、決算特別委員会等で指摘してきた。今回自主的に公表し、整理する方針ということで、ある意味で高く評価している。その解消に向けた決意を伺いたい。
また、現に相殺して計算すれば、県債管理基金積立不足が拡大し、実質公債費比率が悪化すると思われるが、どの程度悪化するのか、併せて示していただきたい。

【答弁者】井戸知事

 

5 財政改革について

(1)最終2カ年行革プランにおける他会計間の債権債務の公表存在について

1 一般会計や企業会計はもとより、県関係団体を含めてひとつのグループとして、会計間等におきまして資金の貸借を通じて融通するなど、相互に資金を運用することは、県全体の財政運営として行ってきたものでありますし、ことさら物事を隠したり、あるいは意図を持ったものではありません。

2 今回、最終2カ年行革プラン企画部会案で明らかにした一般会計と企業会計との貸借につきましては、事業初期段階での企業会計における資金不足、借入利率の高い資金の繰上償還の資金に対しまして、一般会計が支援したものです。一方で、行財政構造改革期間中における一時的かつ、突発的な資金需要につきまして、企業会計の余裕資金を借入れたものです。

3 このように資金融通することで、事業の円滑な展開を図るとともに、財政運営上は、有利な資金運用と資金調達コストの縮減に繋がってきたと考えています。

4 この資金融通でありますが、資金調達の有利性に基づくものなど合理的理由があるものを除いて、一時的・緊急的なものが多いと考えられますので、今後の一定期間内に整理すべきものとしたものです。今回、行革の目標とする平成30年度に向けた最後の総点検となるものでありますので、この基本方向を明らかにするため開示させていただきました。ただし、直ちに貸借関係を解消する必要もないわけでありますので、財政運営に留意しながら順次整理していくとともに、県民に分かりやすく発信して参ります。なお、この解消に伴う実質公債費比率への影響は、0.4%程度ではないかと考えています。



(2)土地・美術品の県債管理基金計上の解消について  (財 政)
今回の大きな債務の公表という事実は、県の行革、財政問題にとって新たなステージを迎えること。過去の遺産もこの最終2年で解消できるものは、整理すべきだ。
私が県議1期目で初めて県議会決算特別委員会で財政状況の質問に立ったのが平成21年。県債管理基金の中に含まれていた「土地」「美術品」を見つけて問うてからはや7年が経過した。
国の実質公債費比率という新たな財政指標導入に対して窮余の策として他の特定目的基金を集約した際、私が当選する前年、平成18年度の補正予算で措置されていたものだ。

この際、来春の補正予算でこれらが集約前にあった「土地基金」「美術品等取得基金」にそれぞれ87億円、29億円戻して除外し、県債管理基金の適正化をはかるべきだと考える。それにより実質公債費比率が多少悪化するが県民の皆さんにありのままの兵庫県の財政状況を示すことになり、評価されることになると思うがどうか。

【答弁者】西上企画県民部長

 

5 財政改革について

(2)土地・美術品の県債管理基金計上の解消について

1 新たな財政指標といたしまして平成18年度に導入されました実質公債費比率、その算定にあたりましては、数ある基金の中で県債管理基金のみが対象とされました。阪神・淡路大震災の復旧・復興のために県債管理基金を多額に活用してきました本県といたしましては、この実質公債費比率の抑制とともに、基金の効率的・安定的運用を図るために、外郭団体に造成いたしました基金も含め、各種の基金をすべて県債管理基金に集約させていただきました。このため、他の基金がその時点で運用として保有しておりました土地、また美術品につきましても、結果として県債管理基金が保有するに至ったところでございます。

2 このことは、基金の資金運用形態の一つとしてでございまして、法令上の問題はないものでございます。また、財政健全化指標の算定にあたりましても、総務省令ですとか、マニュアルに従いまして適正にこれまでからやって参りました。また、県債管理基金の運用にあたりましては、特に県債の償還に支障がない、その方法を選ぶ必要がございます。現状といたしましては、毎年度の積立額と取崩額がほぼ同額ということでございますので、既に積み立てた資金を活用する、そういった必要に迫られておりませんので、土地や美術品を所有していること、このことで、償還に支障が生じていることはございません。

3 しかしながら、土地・美術品での運用は、現状といたしましては、運用益を生み出さないこと、また現金化で難しい面がございます。このため、この度とりまとめた最終2カ年行革プラン企画部会案では、保有する資産につきまして、「流動性の向上にも配慮しながら」という文言を入れさせていただきました。

4 今後、30年度の財政運営の目標達成が見込まれる中で、議員からご指摘のありました県債管理基金における土地・美術品の運用につきまして、見直しをしていきたいと考えております。

【再質問】

そもそも行革、これは30年度、我々が議決をしておりますから、その目標を達成するというのは、これはマスト事項だと。それが、それこそ達成できるとするならば、この美術品も土地も除外しようということだと思いますけれども、ここだけはちょっと知事にですね、確約というかですね。していただきたい。やるということを確約していただければいいと思うんですけど、いかがですか。

 

【再質問に対する答弁:知事】

 他会計間の債権債務の公表も、この土地・美術品の県債管理基金計上の整理も、わたくしの指示によるものでございますので、ご理解をいただきたいと思います。