5時起床。播但線、神姫バスを乗り継ぎ伊丹空港。鹿児島へ。保安検査場で大行列。出発便に間に合わない状況のため、出発時刻の迫った人から優先検査という状況。以前にもあった。今日は特に人が多いわけではない。日常の風景だとしたら対応が遅い。なんとか検査を通ったと思ったら、機体の整備不良、代替機に変更のため飛行機自体も遅延。幸先が悪い。

到着後、鹿児島市の社会福祉法人 太陽会 しょうぶ学園を訪問。障害者ライフサポートセンターの運営について調査。主に知的障害の方が利用しているが、精神障害の方もいるという。まず担当の福森さんに作業所、併設の入所施設をご案内頂く。






どこかジブリ美術館のような雰囲気がある。
















販売所

そば屋、パン屋、パスタレストラン、陶芸、刺繍、デザイン、和紙、木工の各作業建物がある。特に陶芸以下の芸術分野は訪問時も実際に作業をされており、その作品制作過程を見せて頂く。







聞けば、昭和43年に開設された際は、箸の袋詰など民間事業者の下請けが主な作業だったが、現理事長がこちらに帰ってきた35年前から逐次、下請けをやめ、芸術分野の製作に力を入れたという。制作された作品については当施設内の売店で販売されるほか、展覧会の主催や全国150箇所のギャラリーがあり、販売を委託している。全体平均の作業者に対する工賃は高くないが、作品が評価され、高く販売される方とは個人契約して歩合で支払っている人もある(先日も16万円で作品が売れたという)。

福森理事長との質疑応答の中で「作業している利用者本人たちの半分は『私たちは障害者じゃない』と思っている。そんな人たちに幸せになってもらいたいから芸術をしてもらっている。成果を求め、収益を求めるというのは彼らの目標ではない。作品を作り終えたら鑑賞に興味がないという利用者も半分いる。施設の職員の中で作品をどう活用していくかを考える部署はある」。

当委員会に所属していると県内外の福祉作業所、就労支援施設を訪問する機会は多いですが、他の施設とはかなり違って、芸術色の高いもの。

最後の挨拶に立った島山副委員長の言葉を借りると『この敷地内に足を踏み入れると空気感が違った』という理事長自体のもつ芸術家としての側面が施設の大きな特色になっていると感じた。

その後、鹿児島市の公益社団法人 鹿児島県助産師会立鹿児島中央助産院・宿泊型産前産後ケアセンター。




核家族化、ライフスタイルの都市化、出産年齢の高齢化に伴い、産後の母子の世話や子育てを出産者家族だけで担うことに限界を感じる人が増加している。医療的には正常経過であっても、心理・社会経済的問題を抱える母子は助産師による専門的ケアが必要なことが多く、そうした相談や産後ケア等の事業を実施している。設立は5年前だが、県や市への設立を求めた署名活動を行ったものの、公立施設の建設は難しかったため、市内中心部にあった助産師会のビルを売却し、県市からも一定の補助金を受けて独自に建設したという(兵庫県でも検討しているが開設されていない)。



産後ケア利用者の年次推移



利用者データ。



宿泊型妊産婦ケアセンター利用者の約半数は鹿児島県内の離島在住者であることがわかる。

助産師会の方の高い志がこうした施設の実現につながり、産後うつなどの命に関わる対応に力を発揮している。凄い。



その後、日置市の医療法人誠心会の運営する多機能福祉施設ふきあげタウン。特にサービス付き高齢者向け住宅 希の里の調査。









グループ全体

入所者が国民年金だけの場合、家賃が無料(他に食費や諸費で月4万8千円は必要)という取り組みを行っている。前原くるみ理事長の説明では、これはやはり黒字になるわけはなく、医療法人全体の黒字で穴埋めをしているそうだ。全国から視察が相次いでいるそうだが、簡単に真似ができる話ではない。