広畑区の製鉄記念広畑病院(旧 新日鉄広畑病院)。



姫路救命救急センターのNセンター長にお声掛けいただいた勉強会。ある会議で医療のことを知らな政治家が予想外に多いと知ったこともあり企画されたそうだ。姫路選出の超党派県議8人が全員参加。時代は変わった…。


姫路の救急医療の実情についてパワーポイントを用いた説明を受ける。姫路市の医師の状況、医師確保のための県や姫路市など行政の取り組み、寄付講座などの状況。神戸大学と県との地域医療連携、医師派遣の状況なども。


なぜ姫路が医師不足になるのかについて、まわりの医師の人からは↑こんな声を聞くという。

医師不足の原因でもある、姫路の地理的不便性については、京都出身で神戸大学医学部のN先生だが、神戸大の医師からすれば普通に考えれば西に通える限界は加古川という…。

県立姫路循環器病センターの移転対象地として姫路駅周辺となった理由の一つに新幹線が使えるという点が神戸大学医学部の意向もあったというが、それと符合する。国は医師数を野放図に増やす政策がない。限られた方々の声を忖度しないと始まらないということだ。




市立病院がないことでかなりの財政負担回避となっている実情については知っているか知らないかで差が大きい。公立豊岡病院で豊岡市20億円、朝来市5億円の持ち出し。それでも昨年度で5億円の赤字。姫路市規模の場合、人口に応じた規模の市立病院があったとすると交付税措置を勘案しても恐らく一般財源から30億円程度の持ち出しとなるのでは。都市部の神戸市の事例を見ても全くおかしくない。いまそれがない状況。その公の役割を増加させず、財政・市税負担を少なくしてきた過去の選択を良しとしても、そろそろ応分の負担をしないと駄目だろう。

県内では姫路市と尼崎市が市立病院のない自治体の筆頭で、尼崎市は昨年開業した県立尼崎医療センターの土地を無償貸与している。

さらに、製鉄記念広畑病院救命救急センターの収支から救命受け入れ件数、救命医不足の実情も。ここからは知らない事実だ。

特に他の病院が受け入れを断り、姫路市消防局搬送分の約9割をここで引き受けるのが中毒患。覚せい剤やアルコール中毒の患者などは暴れたりするし、睡眠薬や一酸化炭素中毒などの自殺関係は一般的にどの病院も受け入れたがらないそうだ。多くが背景に社会的問題を抱えている患者で救命処置をしたとしても、料金の支払いや社会復帰までに処置以外の労力がかかるという側面もある。

こうした患者は暴れたりトラブルが起こると、雇っている警察OBや警備員(守衛ではない)を呼んで対処するそうだ。夜間女性ばかりの時などは特に不安がられているという。もちろんそうした費用に保険適用があるわけではない。大変な職場であり、受ける側がコスト増になるという…。

2007年に姫路の救命患者が市内の搬送打診先の18病院に全てに断られ、赤穂市民病院に搬送途中に亡くなったという事例を受けて、市内に姫路循環器病センター以外に救命救急センター設置の話が持ち上がった。その際、私も初当選の年で県議会で取り上げたからよく覚えている。

その時、製鉄記念広畑病院内では3分の2が新たな救急救命センターに手を上げることに慎重だったという。それを受けたのは救急の受け入れがそれまでの広畑病院の特徴であり、病院の活性化にも資するという当時の経営判断でもあったそうた。県も支援を約束したという。

それが2013年3月のセンター開設時に9人で、一時10人になった救急医が現在は7人、掛け持ち勤務などの理由で実質的には5.5人のような状態という。来年以降の存続が危ぶまれる状況と聞いた時は驚いた。大変厳しい状況のようだ(説明中も10回くらい先生の携帯に電話がかかってました)。

今日の勉強会は実情を知ってもらった上で、行政の支援を求める趣旨もあるようだ。

県会に先立ち姫路市議会議員対象の勉強会では、医師確保のための神戸大学医学部に対する県や神戸市などの寄付講座設置のための財政負担額を示したところ新事実として大きな反響があったという。

一般会計からの繰入金水準からすれば寄付講座の金額は100分の1程度の話。これで大きな反響があったというのは…。

自治体病院の有無は財政的には住民負担でかなり大きな差が出る。 それに加えて医師確保にも負担が伴う。

そうした関係資料も示したい。




































県立姫路循環器病センターの移転・統合問題とも関係してくるが、こうした勉強会を更に拡大して住民の皆さんに公立病院の財政負担や今後のあり方も含めて知ってもらうことが大切だと改めて感じた。


病院の移転について、患者さんに聞かれることも多いのだろう、告知文がある。

その後、手柄のM代議士事務所。K事務局長と打合せ。O秘書と懇談。

その後、事務所へ戻る。支援の申し出もあったようだ。感謝。その後、来訪の同級生、旧姓N嬢と懇談。