神戸の県庁。県議会健康福祉常任委員会の管内調査(但馬・丹波)。


まず、西宮市にあるNPO法人つどい場さくらちゃん。介護保険という公的制度とは別に任意で高齢者等のつどう場を設けている。介護保険の対象にはならない軽度のお年寄り、既存のデイサービス等に馴染まない認知症の方、普段介護をしている方の一息つく場などとして12年前に開設。利用者の年齢制限もない。介護保険とは別の任意の『つどい』の場だ。

特徴は1日の利用料500円のほか500円の昼食がある。ご飯を一緒に食べると本音が出るからという。時には北海道や台湾などに一緒に旅行に行くこともあるという。

他には徘徊などの認知症のお年寄りを在宅介護している家族がリフレッシュしたい時や買い物や用事で外出したいときに自宅などで、1時間600円で「見守って」あげる『見守りタイ』サービスも実施しているという。これも介護保険の対象ではない。年間利用者は2000人。


理事長のまるちゃんこと丸尾多重子さん。自身の両親、兄を介護した経験からつどい場をつくったという。調理師でもあり、食は自身がつくって提供している。本音トークが売り。最初につどい場を借りようとして20軒断られたという。不特定多数のお年寄りや車椅子の人が出入りすることが大家からネックになると言われたという。差別はまだある、と。現在の高額な費用負担を伴う業としての介護付高齢者入所施設にも否定的だ。業だから介護する側も長く続かないという。


今年5月にTBSで報道された報道特集のビデオ上映も。この反響が大きく、全国から問い合わせが相次いでいるという。

独身者の親の介護ということもこのつどい場のスタッフの姿から見える。下記はその点について特化した記事を書いている読売新聞。


西宮市内にはこうした集い場が9箇所あり、西宮市つどい場ネットワークを構成しており、市や社会福祉協議会が積極的に支援しているそうだ。勉強になる。



その後、養父市の県動物愛護センター但馬支所。昨年12月供用開始。





河野所長らから説明を受け、質疑応答。その後、施設見学。




様々なところから引き取られてきた猫。猫は法律上、捕獲出来ないという。


病気等から回復する見込みがなく譲渡対象とならずにセンターへ送致される予定の柴犬。収容された犬、猫の大半がセンターへ送致され、殺処分される。


譲渡マッチング対象になっているマルチーズ


学校などに動物愛護啓発にいくモデル猫。他の猫とまるで違うため、委員から驚きの声が上がった。譲渡対象となるかは、噛み癖や吠え癖、対人関係、感染症の有無などの健康状態のほか、こうした見た目でも判断されるということなのだろう…。殺処分ゼロを求める委員の声もあったが、最近の苦情等の住民の声からすぐに出来るような話ではないとの話も聞かれた。下記の収容数に占める送致処分の比率を見ればよくわかる。



その後、豊岡市出石町のNPO法人ダーナが運営する認知症グループホーム多世代共生型複合福祉ゾーン。





西垣匡理事長のご挨拶。寺院の住職であり、施設の名称も仏教からとっている。

元々認知症の方の小さなグループホームを運営していたが、施設のスプリンクラー設備などの法制義務化などに対応するため新しい施設を整備したという。

介護保険制度の導入により福祉がそれまでの行政から民間の占める位置が大きくなってきたが、人々が心と心を通わせ、日常のこととして福祉活動を行うことはまさに民間の得意とするところ。しかし、一方で福祉が商売として利益追求に走る傾向を引き起こした。私たちは非営利活動法人(NPO)を選択し、運営にあたっては全ての国民が健康で文化的最低限度の生活を営む権利を有するという憲法25条、老人福祉法の趣旨に則って運営していく(説明資料引用)。

現在は認知症高齢者グループホームのほか、サービス付き高齢者向け住宅「サンバレー安良」、小規模多機能型居宅介護事業所「円」、小規模デイサービス「集」、訪問介護・事業所内保育所を運営している。

その後、質疑応答。運営主体として社会福祉法人ではなくNPO法人を選択していることについてのメリット、デメリット等について私から質問。その後、施設見学。








子どもたちがいて声が聞こえていることで通常の老人福祉施設とは全く趣が違う。