健康福祉常任委員会の管内調査2日目。まず西庄の県立姫路循環器病センター。




向原院長の病院概要の説明を受けた後、質疑応答、現場見学などを行う。

下記はその内容。

(西原院長挨拶)1981年自治体立初の循環器に特化した病院として設立。ハイブリッド手術システムなどを導入し、設備は最新で、今も国内のトップランナーとして活躍している。
いま、建設されてから34年がたち、建物が老朽化している。現在、製鉄記念広畑病院と合併に向けて検討協議会を設置している。規模や場所は未定だが、全国から医師が集まる病院にしたい。

質疑応答
Q.(過去に医師不足で特定の救急患者がうけられないということがあったが)医師の充足状況は?
A.循環器内科や心臓血管外科でも足りていない。あと2~3人は欲しい。神経内科は3人で回しており、年配の60代の医師が今も月数回夜勤をしている。

Q.全国のトップランナーという説明があったが、それでも医師は集まらないのか?忙しすぎるのが原因なのか
A.難しい問題。大学の医局からの派遣も医局機能が落ちている。また、国全体で医師が少ないという根本的な話もある。若い医師を集めるには広報発信も大切だ。学会で論文を発表し、当病院のアピールをすることも必要。あと若手医師の教育面も重要ではないか。

Q.看護師不足も言われるがどうか?
A.お陰様で看護師は充足している。直近でも25人の正規職員を採用した。短時間勤務も増えている。

Q.昨年度導入されたハイブリッド手術システム(4.5億円)の耐用年数は?どれ位の頻度で利用されているのか?
A.(会計上の)耐用年数は6年(あくまで会計上、減価償却期間が6年であって使えなくなるわけではない)心臓血管外科の年間の手術件数300のうち、40~50件である。ただし、このハイブリッドを入れたから手術が増えたのではなく、旧来はポータブル(タイプの造影装置)で心臓の状況を見ていたのを、これに置き換えたということ。高齢で開胸手術などリスクの高い、手術が不向きな患者などに適用でき、安全性が増した。
日本では健康保険適用のため広く使われる。アメリカではそうはいかない。県内では神戸大学病院が初めて導入し、当院が2例目だった。しかし、全国の状況を見ると新しい病院では標準の当たり前の設備になってきている(7月に開業した県立尼崎医療センターにも導入)。

Q.ハイブリッドはどのような場合に使われるのか?
A.例えばペースメーカーの挿入。カテーテルを使って開胸手術せずできる。狭心症患者にステント人工血管を入れる場合、従前は手術だったが、血管内まで細かく見れるこのシステムで可能になった。ただし、開胸手術の方が確実でいい場合もある(ハイブリッドはいずれも可能なシステム:下記参照)。

ハイブリッド手術室とは(朝日新聞)

Q.製鉄記念広畑病院との合併、姫路駅前への移転新設はバラ色のことばかりのように言われるがどうか?
A.神戸大学医学部が支援を明確に打ち出している(医師不足対策としては大きい)。全国の病院経営の状況を見ると700床程度の病院が収支上バランスがとれている。ただし、全てがバラ色ではない。今の(全国で医師不足)の状況では病院の規模を縮小することはあり得ないということではないか。


ハイブリッド手術室。超高解像度のK8モニターが2台あるのもここの特徴


向原院長から説明を受ける







最新の320列東芝製CTによる心臓画像の説明





最新MRIで撮影した心臓の人工血管カテント画像(左が手術後。右は中央のが血管が細くなっている)